AOI 第81話
週末を楽しみにしていたせいか、あっという間にきて、あっという間に過ごしてしまった。高速にのって、夜、家に帰ってきて、次の日も、学校に行く時よりも早く起きて、ストーブで部屋を暖める時間もなく、母と弟と私で、
行くぞ!って、車に乗り込んだ。朝マックを、はじめて注文をして食べて、弟と2人テンションがあがりまくっていたっけ。日曜日の〆は、おばあちゃんとの温泉だった。午前中、お迎えに行って、足をのばして少し遠い温泉旅館に行った。旅館だけれども、温泉施設は宿泊していなくても入浴ができるところで、みんなで、ご飯を食べたり、畳の部屋で寝たり、とても広くて、お祭りのような夜店も出ていたりと、楽しく過ごせた。まるでお泊まりしていたかのようだった。旅館の玄関を出た時に、辺りが薄暗くなっていて、
「ほぇ、もうこんな時間かぁ。」
と、驚いてキョロキョロしながら言っていたおばあちゃんを見て、みんなで笑った。帰りの車で、助手席のおばあちゃんは首大丈夫かな、と心配になるくらいに曲がっていて、熟睡していると思うのだけれど、そういえば、温泉に行く時の車の中でも寝ていたなと思い出した。そして、温泉でも寝てたし。私が、
「おばあちゃん、寝てる。」
と、言ったら、母が、
「温泉も入って、気持ちいいのかもね。」
と、言った。たしかに、旅館でも寝たけれど、この揺れ、車の揺れで、また、眠れそうだ、と思った。という事は、ちょっとまて、母もきっと眠たいはずなのではと思った。それから、私のトークがはじまった。旅館、広くて楽しかったねーとか、私も少し間があったら、寝落ちしてしまいそう。母は、いつもの車の手元に置いておく、ガムの蓋を開けて、2個口に入れていた。やっぱり母も眠いのかも。私も、つかさずに欲しいと言って、隣の弟にもと思って横を向いたら、弟も首がおばあちゃんと一緒の感じで、折れ下がっていて、お前もかぁと心の中でつぶやいた。私も気合を入れて、ガムを2個口に入れた。弟が静かだと思っといたけれど、まさか、寝ているとは。私は、母に、弟も寝ていると言った。母は、バックミラー越しに、弟を見て、
「すごい体勢。」
と、笑った。絶対この首のカクンと折れ曲がった様子だと思った。それを聞いて私も、
「ね、起きたら痛くなってそうだけど。」
と、言った。おばあちゃん家に着いた時には、辺りは真っ暗だった。母が、おばあちゃんに着いたよと言って、肩を揺らした。おばあちゃんは、あくびをしながら、
「あらあら、また、寝っちまった。うん。ありがとうね。またね。」
と、母は、車から降りて助手席にまわってドアを開けた。降りてきたおばあちゃんに、
「忘れ物はない?」
と、聞いて。母はおばあちゃんと玄関を開けて、中に入って行った。




