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ナキリ 人を殺める

作者: 中村翔

ナキリ(17歳)は今日も元気!

今日も学校に行くです!

おや!あれは幼馴染の俺くん!

「やほー!俺くん!元気?」

俺くんは少しビクッとして、こちらに向き直った。

「お、お前は...ナキリ!何の用だ?!」

何も用ないけど。

「久しぶりに学校一緒に行こ?」

「し、仕方のない奴だな。一緒に行ってやろう。」

俺くんは偉そうに言った。

そこで愛想のひとつでも振り撒けば印象が違うのに...。

「そこが俺くんのいいところだよね!」

「は、はぁ、まぁそうだろうな。」

学校についていの一番でやったのは宿題。

宿題写させてー!とも言わず、黙々と1人でこなす俺くん。

「写させてあげようか?」

「い、いい‼︎1人で出来るから!」

そっかー。などと言いつつ、自分も試験勉強を始めるナキリ。

カキカキ。カリカリ。カキカキ。

キーンコーンカーンコーン

予鈴がなる。

「俺くん。そろそろ、授業始まるよ。」

俺くんはぎりぎり宿題を終えた。

「はぁー。助かった。今日出せなかったら小遣い無しだったからな。そういえばナキリ。今日ゲームの発売日だったろ?たまには駄菓子屋行かないでゲームでもどうだ?」

確かに今日はムラクエⅪ(村のみんなでクエストだ!)の発売日だ。

「久しぶりに一緒にやる?ムラクエ。」

ムラクエはRPGなので1人ずつプレイすることになる。

こういう時、友達と貸し借りできる奴は強い。

学生なんて金がないのがデフォルトだからだ。

俺くんはゲーム費用が浮いて喜んでいる。

「じゃ、じゃあ放課後にナキリの家でな。」

「トイレ行ってくるね!」

ナキリは席を立ってトイレへと向かった。

ヒソヒソ...

ヒソヒソ...

(あの2人って付き合ってるのかな?)

(どうだろう?仲はいいけど。)

ヒソヒソ話が聞こえる。

気にしたら負けだ!

そして放課後。

「ここのボスが倒せん...ぐぬぬ...!」

「やっぱ縛りがキツすぎるんじゃないかな?」

縛りプレイで雑魚敵倒すの禁止縛り。

キツすぎるようだが、案外いける物だ。

今、中盤のボス戦。

「うぉっ!?容赦のない一撃食らったー。もうダメだぁ...。」

「ほら!回復回復!」

「ダメだ!」

そういうとゲーム機を投げた。

「投げるなぁ!!」

「話は変わるけどさ。」

なんだろう?

「ナキリは人を殺したことある?」

「ないよ!?」

何の質問か分からなかった。

そもそもいきなり殺したことある?って。

「殺してみないか?」

ゴクリ…。本気か?

「ここに証拠の残らない毒薬がある。ほら、ムラクエみたいにNPCを殺してみよう。」

確かにムラクエにはNPCを殺してアイテムを獲得できる要素があった。

だが、ムラクエと現実は違う。

「証拠が残らないんだったら…。」

好 き な 人 を "殺 す"

好きな人を自分だけの物に出来る…‼︎

「あ、あはは。ただの風邪薬だよ。」

「む!騙したなあ!!絶交だ!」

こんな事は日常茶飯事なのだが。

「さよなら」

帰り道で帰宅しながら悩んでいた。

今日の晩御飯何にしよう?

「フグ丸々一匹3000円!?安い…初めて捌くけどいいや。買っちゃえ!」

その日は家族でフグパーティだった。

ナキリは一通り捌くと寝た。

「友達と喧嘩でもしたー?」

その通りだ。

明日には謝ろう。早く明日になれ。

次の日家族はみんな起きるのがナキリより遅いようだった。

「ナキリ。昨日はごめん。」

そんな手紙を読んでウキウキ気分でフグ刺しを食べて登校しようとした。が

からん。

身体に力が入らない…。

テレビ「フグは毒がありますからねー。捌く時に内臓を傷つけたらダメなんですねー。」

「フグっ!?」

それがナキリの最後の言葉だった。END

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