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第31話

 レント軍が介入したこともあり、結果としてグロリアに住む者達の避難は上手くいった。


 今はグロリアの城下町に住民を避難させている、無論建物への損害はいくらかあり、そもそも建物自体も足りていない。


 だがそれでも何もないよりはマシだ。


「一時はどうなるかと思ったけど、なんとかなるもんだな。やったぜ」


 仲間のグロリア兵はそう言った。


 現在ディーン達グロリア兵は立ちよった村で破壊工作に勤しんでいる。


 澄んだ水で満たされている井戸に毒を入れ、木造の食糧庫に火を放つ、それが今の仕事だ。


 だが村人が端正込めて作った収穫物をあっさりと焼き払ってしまうのは心が痛んだ、仮に戦争が終わっても食糧もないのでは冬にどうなるのか想像にかたくない。


「早く馬に乗れ、無駄口叩かず次にいくぞ。グロール軍もレント軍も思った以上に進軍速度が速いんだ。追い付かれでもしたらたまったもんじゃない」


 安堵している仲間をたしなめつつ、ディーンは立ちよった村にあった食糧庫に火を放った。


「だな」


 このままグロ―ル軍がレント王国軍との決戦をせずにグロリアに直進してくるならば防衛戦、レント王国軍が以前の発言を撤回して味方になってくれるならば反転攻勢をかける。


「よし戻るぞ! とっとと帰って守りを固めてる奴等の手伝いをするんだ!」


「「「応ッ!」」」






 ディーン達がグロリア城へと向かう道中で気になる物を発見した。


 付近のどの村にもつながっていない、土地としての価値が低い放置されている土地……


 そこへ向かって荷車を動かしたような痕や馬蹄の痕跡が見受けられた。


 草は倒れ轍が出来ており、複数の足跡が残っている、それも最近のものだ。


「こっちにはグロリア軍は展開してないはずだ。近くの村の連中も行く理由はないはずだ。ひょっとしたらグロ―ル軍が隠れてるかもしれん。時間は無いが仕方ない、見に行こう」


 ディーンの提案で二手に分かれディーンの方はグロリア兵を2人引き連れ痕跡の先へと、残りは城へと向かうことにした。


 最悪何かあったとしてもディーンなら逃げられる。


「さて、何が出て来るかな。隠し畑とかならいいんだが……」


「それなら時間食うだけで済みますからね」


 ──正直時間を食うのも御免だが……


 馬に乗ったまま先に進んでいくと見えてきたのは手入れもろくにされていない林。


「……何もありませんね。薪でも取ってたんでしょうか?」


「だったら取った跡がある、けどここにそんなものはない」


 馬を降りて枝葉をかき分け進んでいくとその先に見えてきたのは枝と葉っぱを積み上げて作った山。


 隙間からチラチラと木箱も見えている。


「……これは、物資か何かか?」


 木箱の上を覆っている枝葉をどけ短剣を突き刺して無理やりこじ開けてみると……


「……『矢』ですな」


「こっちは食料、槍もある」


「ここはグロ―ル軍の補給地点だったか。こんなところに作りやがって」


 他にも野営用の幕舎、調理用と思われる大釜、給料なのだろうか?かつてのグロ―ル王国が作っていた銀貨銅貨の類が見つかった。


「どうしますか?」


「持ち出す時間はない。焼き払うぞ」


 

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