ソラリス第二章終わり
ある施設小さな子供用プールにて、この物語は始まる。プールの点検の為に三分間の入水禁止になる。これは一時間に一回必ずある。
その間利用者は中にあるサウナやジャグジーで間を潰すのだが、只今、絶賛夏休み中! 安くて安心の市民プールは子供達で賑わっている。
この物語はそこでの女子トークである。
「ねぇ、皆好きな男子いる?」
「ええ!」「ちょっとぉ!」「やめてー!」反応は三人ともほぼ同じ。
「そういう【桃子】こそどうなの〜?」
「私は、B組の【磯貝】くんといい感じよ? だってもう五回も話ししたもん!」えっへん!
「うそー! すごくない?」
「でもさー、男子って子供すぎない?」
「例えば?」
「キスで赤ちゃんできるのに手を繋ぐだけで赤ちゃんできると思ってると思う」
「あーね」「それな」
「私はー、中学生になったらいろんな男子と手繋ぐんだー!」
「エロ!」「おっさんか!」
「さっきから黙っているけど、桃子どうしたのよ?」
「わ、私、磯貝くんの上履きの匂い嗅いじゃった!!」
「えー!!」「子供できたらどうすんの? まだうちら小学生だよ?」
「ちょっと桃子は危ないわね」
ノーコメント。
ピーー! 休憩の終わり、入水していい合図がされた。
「入ろっか!」「うん!」などと言っていると、聞こえてくる罵声。
「なんだろ?」
「ちょっと怖いね」
どうやら奴隷を連れて来た客と、それを拒絶する客で揉めている。
「なんで、ソラリス人なんかいるのよ!」
「私のかわいいペットだもの」
「ペットなら首輪付けなさいよ! 襲われたらどうするのよ!」
「ぷっ、襲うとしても、オバさんは襲わないかなぁ」
ここでプールが笑いに包まれる。
「な、なんですって! 私これでも、二百階層民よ!?」
「じゃあ、教えてあげる。私の名はヒメジ・マーダス。マーダス社の社長令嬢よ? 今はまだ小学生だけど、ゆくゆくは宇宙一の会社を継ぐの!」
「ねぇ! 聞こえた?」
「うん、マーダス社の同級生!」
「かわいいよね! やっぱりうちらとは生まれも育ちも違うんだ」
「でも、なんでこんな低層に?」
その疑問はすぐ解決した。
こっちに気づいたヒメジ。駆け寄ってきて。
「ねぇ、あなた達も小学生よね? お友達になって!」
「え?」
「お願い! お金とか会社とかじゃなくて本当のお友達が欲しいの! 私この夏休みが終わったら遠くにいくの! そしたら仕事で、遊ぶことなんてできないの!」
「私は桃子、そのまま桃子って呼んで『ヒメジ』!」
「私【スレイ】! ヒメジちゃん宜しく!」
「【マヤ】よ。覚えやすいでしょ?笑笑」
「【サーペン・ニルス・ウェイパァーライド】長いから、皆から【にるちゃん】って呼ばれてるわ」
こうして、ヒメジに友達ができたとさ。