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Sランク冒険者:リチア2

「怯むな!敵は1人だ!集中砲火すれば鎮圧できる!第1値魔法部…」


指揮官が指示を出そうとした瞬間…


「ちょっと黙ってて…」


リチアの持っている剣が容赦なく指揮官の首を両断する。


「これで少しは楽になるでしょ…」


「上官!!!!この、クソガキ!ぶち殺してやる!!」


魔族兵がリチアに向って魔法を放つが…


「そんなに、焦ってたら当たる魔法も当たりませんよ…」


リチアは余裕の表情でかわし、お返しに細腕の拳を食らわせる。


「グワァ!!」


魔族兵は吹き飛び、その先にいた魔族兵達もろとも殴られた兵が地面に衝突した勢いで吹き飛ばされる。


「ん~そろそろ後方に待機しようかな…面倒くさいのが出てきそうだし…」


リチアは自身の背中についている翼を広げ、上空に飛びあがる。


「うん…いいぐらいに減らせたんじゃないかな」


リチアの目の前には魔族特有の黒い血液が川のように広がっている…


「少し生き残っている奴もいるようだけど、また下まで降りていくのも面倒だしアランさんたちに任せようか…いや、お残しは行基が悪いですよね」


リチアはそう言うと、自身の羽を数枚抜き取り自身の指に挟む。


「ふひ!!」


またもや、その顔からは想像もできない苦笑を浮かべ、瞳をかっぴらきながら、ごく少量魔力を込める。


実際獣人族は魔力を使用することが出来ない、魔力を作り出し貯めておく場所が体から欠如しているからだ。


しかし、稀にリチアのような特異体質を持って魔力を使えるものが生まれる時がある。


特異体質を持った獣人族は魔力を使用することが出来、自身の強靭な肉体に加え、魔力によって更に強化することも可能である。


その為、並みの魔族では一向に歯が立たない。


「おい!大丈夫か!ここはいったん撤退して…」


とある魔族兵が撤退を皆に指示するも…そんな暇もなく。


『銀翼の羽…』


そう言ってリチアの指に挟まれている羽が放たれる。


ごく少量の魔力を羽に込めることによって、貫通力、威力、スピードを格段に上げることが可能となり、『銀翼の羽』は残りの魔族兵の頭を綺麗に音もなく打ち抜く。


その際、魔族の血液により羽が黒く変色していく。


これは羽が魔族の魔力を吸っているためである。


その為、今地面に突き刺さっている『銀翼の羽』には大量の魔力が込められていることになり、リチアはその羽を利用して、前線を押し上げた。


「フハハハハハハハ!!!」


幾度となく『銀翼の羽』を撃ち続け…。


黒羽が前線だと言わんばかりに、地面に何本も突き刺さっていく。


「よし!お片付け終了。ついでにけん制もしておいたから、これでアランさんも文句は無いでしょう」


「やりすぎだ!このこの馬鹿門が!」


「え!アランさん如何してここに、ここ空中ですよ!」


リチアは飛んでいる、空中を飛んでいるのだ。


しかし、アランはそこに居た。


リチアの体を後ろからがっしりと掴み、リチアはもう逃げられない。


「ちょ!アランさん何するんですか!」


「協調性のないお前に!お仕置きが必要だからな、一緒に落ちてもらう」


そう言うと、アランとリチアは地面に向って垂直に落ちて行く。


「ちょっと待って!ちょっと待って!このまま行ったら私!ただじゃすまないんですけど!」


「だろうな!だがお前だって獣人族だろ。体は人一倍頑丈なはずだ」


アランは苦笑を浮かべながらリチアと共にさらに落ちて行く。


「頑丈だからって、限度というものがあるでしょ!これは限度を超えています!」


リチアが言葉を発している間にも落ちていくスピードはどんどん加速していく。


「アランさん!すみません!確かに私やり過ぎました!反省してますから!」


アランはほくそ笑む。


「ミーナ!」


「はい!」


地面には何もいなかったはずなのだが、ミーナがこつ然と現れ急速落下してくる2人を受け止める体制に入る。


相当な速度+重さなのだがミーナは無事2人を受け止めることに成功した。


「ナイスだ、ミーナ…私でもこの高さは少し厳しかったからな…」


「あまり無茶なことはしないでください。体がもちませんよ」


リチアは恐怖から伸びてしまっている。


「どうしますか、父様。今の攻撃で魔族軍が本気になって攻めてきますよ…」


「ああ…その通りだ、魔族軍は余力を残して前線を維持していた。それでも十分時間を稼げたからだ…しかし、前線の部隊が壊滅したと知れば奴らは本気になって潰しに来るだろう。余力の残している状態といのは、結果的に相手を見下す又は、油断している状態ともいえる。しかし…この結果によって奴らは油断することなく攻めてくるだろう。そうなっては、前線を維持するのだって厳しくなる。ましてや勇者が敵陣に攻め込むのも難しくなってしまった」


アランはその場で少し考えこむ。


「しかし悪いこのばかりでもない…リチア1人によってこれだけの魔族がやられたんだ…。少なからず奴らも慎重になってくるはず。まだ人族軍の中にリチアのような奴が潜んでいるか分からないだろうからな」


「でもなぜリチアさんは人族軍に…ましてやどうして人の国にいるのですか?」


「いろいろと事情があるんだろう…あまり聞いてやるな」


「すみません」


アランは伸びてしまったリチアを抱え走り出す。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


もし少しでも、面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


毎日更新できるように頑張っていきます。


よろしければ、他の作品も読んでいただけると嬉しいです。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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