ヘイヘの寝ている部屋の前
私はヘイヘ君の寝ている部屋に戻った。
ヘイヘ君に伝えなければならないことがあったからだ。
ヘイヘ君の寝ている部屋の前には小さな女の子とフリジアの姿があった。
2人はドアの前で腰を下ろし座っていた。
「フリジア、どうしたのそんなところで?…それにその子」
「あ…フィーアさん、この子はヘイヘ君の妹でメイちゃん」
「メイちゃん…そう、私の名前はリーン・フィーアよろしくね」
私はメイちゃんに手を差し出す
「こ、こちらこそよろしくお願いします。えっと、お兄ちゃんを助けていただいたそうで…ありがとうございました!」
――背丈は私と同じくらい、年齢で言ったら10歳くらいかしら…ちゃんとお礼が言えるなんてしっかりした妹ちゃんね…
「それで?どうしてそこにいるのか教えてもらっても?」
そう言うと、フリジアが喋り始めた。
「ええっとね、ヘイヘ君が大変な目にあったのは私のせいみたいなものだし、お見舞いに行こうと思ったんだけど…中に入ってまじまじと見るのも申し訳なくて」
「私も…お兄ちゃん、私のためにどんなことでも頑張っちゃうから…いつもボロボロになって帰ってくるんです。それが私…すごく怖くて、いつかお兄ちゃんもお母さんやお父さんみたいにどっか行っちゃうんじゃないかって、不安で…不安で仕方ないんです。ボロボロのお兄ちゃんを見るといつも涙が出てきて、逆にお兄ちゃんを困らせちゃう。だから外で待ってたんですけど、そこにフリジアお姉ちゃんがここに来たんです」
「それで、メイちゃんと話し合ってたら意外と意気投合しちゃって」
「今に至ると言う分けね…」
私はメイちゃんの眼を見て答える。
「メイちゃん…ヘイヘ君は簡単には死なない。私が断言する、ヘイヘ君はどんなことがあっても死のうとしたりしない、メイちゃんがいるからヘイヘ君は生きていけるの。だからメイちゃんは自分のことに気を付けていれば大丈夫。ヘイヘ君はそこら辺の男の子とは違うんだから。私が言うんだから間違いない、だからヘイヘ君のことを信じてあげて。そして、帰ってきたらいつも通りの生活をさせてあげて、ヘイヘ君はその生活を守りたくて頑張ってるんだから」
メイちゃんは綺麗な瞳に大粒の涙を浮かべながら、大きく頷いた。
「さてと…ちょっとヘイヘ君と話したいことがあるからそこをどいてもらえる」
メイちゃんとフリジアはその場を離れる。
「ありがと」
私が扉を開けると、扉を開ける音に気が付いたのかヘイヘ君は目を覚ました。
「お兄ちゃん!」
「メイ…良かった。僕は無事みたいだな」
「お兄ちゃん、無事でよかった…お帰りなさい」
「…ただいま…」
「いな~、私にも、ただいま欲しいな~」
「フリジアは家族じゃないだろ…」
「私にも何かないの?」
「そうだな…助けてくれてありがとう…。フリジアがいなかったら絶対に無理だった」
感謝の気持ちを伝えると、フリジアは嬉しそうに首を振る
「うん、うん!ありがとう…いい響き」
「さ…あなた達、私はヘイヘ君と話があるから部屋から出て行ってちょうだい」
フィーアさんがメイとフリジアを部屋から押し出す。
「ふ~、あの二人に聞かれるとまずいからね」
「いったい、どうしたんですか?」
フィーアさんは机の近くにある椅子を手繰り寄せ、僕の近くで座る。
「いい、落ち着いて聞いて」
「は…はい」
――いったい…何を話すつもりなんだ…もしかして大樹がまだ正常に機能してないとか…
「安心して、大樹は正常に機能し始めてるわ」
――え…心読まれてる…
フィーアさんは少しずつ話し始めた。
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