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Re:フレンドワーズ ~家名すらない少年、ディストピアで生きていく~  作者: コヨコヨ
リーシャ&ラーシュ:避難偏

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タルピドゥからの逃亡

「何だよこれ!! どうなってんだ~~!!」


全速力で走るエジンの後方には浮かび上がる土砂が迫っていた…。


猛スピードで地中を移動しているタルピドゥは地面を盛り上げ、移動しているのが確認できた。


「やばいな、あいつ…テンパってやがる…。どうする…俺のこんなボロボロに錆びれた剣じゃタルピドゥの装甲に傷1つ付けられねえぞ…。だからと言って、このまま何もしなければエジンも俺たちも追いつかれて食いつくされて終わりだ…」


「そ…そうかもしれないけど…。でもどうしたら…」


「リーシャは、回復魔法が使えるんだろ。だったら何か攻撃魔法も使えるんじゃないのか!」


「えっと、攻撃魔法は苦手で…ファイア…程度しか」


「ファイア…分かった、最大火力で撃ちこめるようにしておけ!」


「ちょ! レオン! 何するき!」


「ちょっと、冒険者っぽい仕事をするだけだ…」


レオンは柄を握り鞘から引き抜く。


すると、あまりにもボロボロになった剣身があらわになる。


レオンは指笛を吹き、他のメンバーに合図を送るとエジン目掛けて一目散に走り出した。


「エジン!!」


「レオン!!」


既にエジンの後ろにはタルピドゥの頭部が姿を現してた。


レオンの合図によりスピードを少し落としたエジンは、いったん冷静になり自分の出来る仕事を考えた。


――レオンは今しようとしていることはなんだ…多分、俺の後ろにいる、デカブツの足止めが狙いだろう…。なら俺に出来る仕事…、デカブツの注意を引く! 


エジンはさらに減速し、後方に迫るデカブツを確認した。


一度潜り、頭部だけしか見えていなかったタルピドゥは再度一気に地上へ姿を現す。


「エジン! 飛べ!」


「グ!!」


レオンが足場となり、エジンを一気に上空へと舞い上げた。


レオンの前には大口を開けたタルピドゥの姿があり、人など容易に飲み込んでしまいそうな程デカイ。


――ち! もう目の前に…きやがった。


「無駄にデカい口しやがって!! そう簡単に食われてたまるかよ!! オラァ!!」


レオンはタルピドゥの下顎を貫くように、口の内部から地面に剣を突きつける。


「グアオオオオオオオ!!!!」


怒号が鳴り響き、タルピドゥの前に居るレオンの耳から血が流れ出す…。



荒れ狂うタルピドゥは、短い脚を目の前にいるレオンに振りか座そうとするも短すぎるためにギリギリ届かない。


口を閉じようにも、剣が邪魔で噛みつく行動もとれなかった…。



リーシャはレオンの行動を見ていた…。


――レオンは今のところタルピドゥを固定しているけど…。あれじゃあ…きっと長くはもたない…、剣が浮き始めてる…。


リーシャはすぐにでもファイアを放とうとした、その時…。


「お前ら! 今だぁああ!」


周りを巡回していた他のメンバーが一気に自身の体とボロボロの武器でタルピドゥの巨体を固定させる。


「ググ……」


「いきなりこんな大物…相手にさせんじゃねえよ! 糞リーダーが!」


「ツベコベ言ってないでもっと力入れろよ!!」


レオンが口元を他のメンバーは尻尾と両脇を固定している。


しかし…人と魔物の力の差は大きい。


例え4人がかりであっても抑え込める時間は短い。


「俺を忘れないで欲しいな!」


上空に飛ばされたエジンがタルピドゥの背中に落ちてくる。


そのままタルピドゥの背中に向けて手を刺し伸ばすと、呪文を言い放った。


『スパイラルネット!!』


手元に黄色の魔法陣が展開され、電撃の網が発射され、タルピドゥの体だけを固定させた。


「今だ!!リーシャ。こいつの大口にファイアをたたき込め!!」


「わ、分かった!」


――大丈夫…魔力は大分練り込んだ…あとはあいつの口に魔法をねじ込むだけ…


『ファイア!!!』


リーシャの呪文と同時にレオンは皆に指示を出す。


「離れろ!!」


その支持のままメンバーは一斉にタルピドゥから離れた。


口の中に『ファイア』は飛び込んで行き、タルピドゥは内側から焼かれる。


倒したか倒して無いかはおいておき、7人はその場をすぐさま移動した。


「はぁはぁ…何とか逃げ切れたみたいだな…」


「レオンお前耳から血が…」


「え? ごめん何言ってるか聞こえねえわ…」


「もう…無理しすぎなんですよ。ちょっとしゃがんでください、回復魔法を掛けるので」


リーシャはレオンの破れた鼓膜を治す。


「どうです、声は聞こえますか?」


「ああ、ちゃんと聞こえるぞ…俺の鼓膜破れてたんだな、気づかなかったわ…」


「鼓膜の破れた痛みに気づかないって…。どれだけ鈍感なんですか」


心配して損したと言わんばかりにリーシャは肩を撫で下ろす。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


もし少しでも、面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


毎日更新できるように頑張っていきます。


よろしければ、他の作品も読んでいただけると嬉しいです。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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