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Re:フレンドワーズ ~家名すらない少年、ディストピアで生きていく~  作者: コヨコヨ
人族軍vs魔族軍:戦争偏

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獣人族の3人

「アランさんとの連絡が取れない!いったいどこに行ったんだ!」


ショウは森の中をひた走るも、アランの姿を見つけることは出来ない。


臭いすら感じ取れず、血眼になりながら木々の細部まで確認するもアランの姿は見つからない…。


「ダメだ、こっちにもいないぞ!」


「ジェイクの方もダメか…。アランさん、いったいどこに行ったんだ! このままだと、前線は崩壊しますよ…いや、もう崩壊してます…」


「仕方ない…今生きている人族だけでも、救出しよう」


この場にはリリン、ジェイク、ショウが集まっており、今の状況を3人の頭で理解しようとしている。


しかし、決して頭はよくない。


その為、悩む時間はアランやミーナよりも長い。


「人族の王が死んだというのは本当か? もし本当なのだとしたら…世界が動くぞ」


「我々の国はどうなる…。万が一アランさん達、捕まっていたら…。我々獣人族は魔族と敵対していたとばれてしまうぞ…」


「頭脳明晰で身体能力も高いアランさんがそんな失敗するわけないだろ!」


「いや…もしかしたら、ミーナ様に何かあったんじゃ…アランさんはミーナ様を守って…」


場は一気に凍りつく。


「クソ! 今の俺たちだけじゃなんも分からねえ!」


「とりあえず、負傷兵を救護班の元へ送ろう。そして獣人国に戻って、あの方に状況を伝えるんだ!」


「ああ…今はそれしかないだろうな…。なら俺はアランさんを探す。ショウは兵士たちを救出しだい、獣人国に伝えろ。ジェイクは救護班に居る兵士たちやマーレアたちを出来るだけ遠くに避難させるんだ!」


「ああ!分かった…ん?あれは…」


リリン、ジェイク、ショウたちは今後の作戦を話し合っていた最中、ものすごい速度で移動する、人物を見つける。


「あれは確か…勇者だよな…いったい何処に向っているんだ…」


「ショウ! 今すぐ勇者を追うんだ。お前はこの中で一番早い!」


「分かった!」


ショウは、ジェイクに言われ最高速度で勇者を追いかける。


「だが、あの顔…。以前あった時とはだいぶ違う。表情に余裕という感情を見せていない。…なんであんなに焦った表情をしているんだ…」


勇者の表情は鬼気迫る顏、はたまた恐怖に苛まれている、そんな顔をしていた。


3人の獣人はバラバラになり、行動を開始する。


「こりゃあ…ひでえな…この中に生きてる人族は居るのか…血生臭せぇ全く」


すでに死にかけている人族や助かる見込みのない人族は無視し、救護すれば間に合うであろう人族だけを探した。


今の状況で死ぬような奴を運んでいる時間は無い。


「迅速に運べ! もう時間が無いぞ!」


ジェイクは他獣人たちに指示を出しながらも、人族の救出にあたる。


一方リリンはアラン達の捜索を行っていた。


「アランさんはいったい何処へ…。何か手掛かりとなるものは無いか…。ん…?」


そこに居たのは首を掻っ切られて死んでいる、同胞の姿だった。


「こいつらは…アランさん達の行動を探っていた、獣王側の奴らか…。どうしてこんな姿に…」


敵とはいえ、同胞の死体姿を見ると心が痛む。


同胞たちの力なく開いている瞼をそっと下し、祈りをささげた。


例え、敵であっても敬意を払うというのはリリンの頑なに変えないモットーである。


そのまま進んでいくと、数10メートルに渡り、地面が抉られている形跡を発見した。


「どうなってる、何か魔法の類か…。いや、この形跡は爆発物を使用したような…そんな形をしているな…」


リリンはそのまま突き進んで行く。


すると、先ほどとは全く違う大きさのクレーターを発見した。


「なんだ、これ…いったい、いつの間にこんな大きさのクレーターができたんだ。もしここにアランさんやミーナ様が居たとしたら…」


脳内で2人の弾け飛ぶ姿を想像してしまう。


「いやいや、あのお二方に限ってそんなへまはしない。きっと今もどこかで敵の情報を集めているはずだ」


しかし、そんな淡い期待を裏切るかのように、クレーター中央部に光る何かを発見する。


「何だ…今の」


光る何かを目でとらえ、すぐさま駆け寄ってみると。


折れた剣は地面に突き刺さっていた。


「こ…これは、ミーナ様の剣…どうしてここに…」


すぐさまあたり一帯の地面を嗅ぐ…


「……断言はできないが、4つの匂いが混ざってるな…。だが、この匂いは間違いない…アランさんとミーナ様の匂いだ…。残り2人は魔族特有のかび臭い匂い…もう一人は青年ほどの若い人間の匂い…」


何とかして臭いを辿ろうと試みるも、どうやらこの場で途切れているらしい…。


「クソ…何か場所を移動する魔法を使ったのか…。すぐここで臭いは途切れちまってる。しかし…ただの人間にあのお二方を連れ去ることなど、出来るのだろうか…」


周囲を確認すると、一本の矢が地面に突き刺さっているのを発見する。


「ん…なぜこんな所に…」


リリンは矢尻を持ち一気に引き抜く。


「この矢…エルフの物とは一風変わっているな…鉄か…いや鉄にしては軽すぎる、少しアルミが混ざっているのか…」


見つけた矢は金属製の物だった。


エルフたちの使う矢は木材を加工したものだけしか使わない。


理由は単純にエルフ国周辺で多く生えている木を使って矢に加工するからである。


「わざわざ、金属を矢に加工するなんて…。しかもこの矢…かすかに魔族の匂いがする…」


他にも何かないか探したが、何も見つからずアランとミーナの行方は分からなかった。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


もし少しでも、面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


毎日更新できるように頑張っていきます。


よろしければ、他の作品も読んでいただけると嬉しいです。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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