登場、悪の大幹部! 【1】
「全く、頼りにならない連中よねえ」
撮影スタジオ位のスペースに、無理矢理張りぼてじみた大仰でチープな内装を施した狭ッ苦しい空間で、奇天烈な黒装束に身を包んだ一団に囲まれた、これまたイカレタ服装に厚化粧の女が踏ん反り返って周りに傅く連中を睥睨していた。その好いたらしく肉付きの良い女体を、革張りのボンテージ、一つ間違えればビザールファッションかというような際どい衣装で締め付けたその女は。
「オーホホホホホホ__」
しなを作るような手つきと供に、その外貌に似つかわしい笑い声を響かせるのは、凶悪帝国デスハードの大幹部、その名は__
「だけど、これからは違うわよ。このムチムチプリンセスが直々にこの日本支部を預かるんだからね、今までみたいないい加減な事じゃあ済まさないんだから」
この、どうしようもない名前の大幹部、ムチムチプリンセスも、良く見てみればまだ若い娘、高校生くらいの年齢のようである。これから先のある若い身空で何をどう誤ったのか、傍目から見れば気の毒ではあるが。
「大体、あんた達には日本攻略のポリシーってモンが全然無いのよねえ、ホント」
大幹部のお叱りに、下っ端たちはひたすら恐れ入るばかりだった。
「何の為に日本を、具体的にどんな風に支配するつもりなの?」
下っ端たちは顔を見合わせた。まさか、そんな高尚な質問を受けるとは思っても見なかった為、全く考えた事も無かったのだ。これこそ日本支部伝統の身内の馴れ合い、言われた事だけソレナリにこなせば報酬に繋がる、俗に“給料泥棒”と呼ばれる日本型経営の責任転嫁方式であった。