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登場、悪の大幹部! 【12】


「ねえ、連中、こんな所でナニやってんのかしら?」

いつもの奇妙奇天烈な黒装束の上からコートを羽織り、ソフトを目深に被ってサングラスを掛けたデスハードの戦闘員たちを物陰から見張りながら、天野翔子が呟いた。

「判んない__」

困った顔でポツリと答える花園妖子の頭を、荒井勇気が慰めるようにそっと撫でた。

「妖子……あのおうち、恐い……」

妖子だけではなく、五人全員緊張していた。仕方有るまい、何せ戦闘員達が怪しげにして間抜けな扮装で周りをうろついている、それ程豪華ではないが見るからに(いかめ)しい、古風な造りの屋敷の門構えに掲げられた何かの道場のような巨大な表札には、筆勢鮮やかな草書体で『大門寺一家』の文字が墨痕黒々と認められてあったのだから、流石に気丈で恐いもの知らずの乙女達も、正直及び腰と言うのが本音なのだ。

デスハードくらいなら恐くも無いが、相手がコワイお兄さんとなると如何に愛と正義の美麗戦隊と言えども遠慮したくなるのが人情と言うものであった。

またまた真崎博士から、今回は幸い昼休みの最中にスクランブルが掛かり、駆けつけてみればこの通り、一体こんな所で何をやっているのか、彼等の目的が何なのか、いつもの事とは言えサッパリ見当がつかない。

「ホントにナニ企んでるのかしら」

天野翔子が忌々しげに呟いた。

曲がり角の陰から、勇気、愛美、翔子、水魚、妖子の順に顔を並べた面々は、相手の真意を掴み兼ねて揃って眉を顰めていた。

「ねえ、どうしよう?」

海原水魚の一言に、全員が改めて首を捻った。

「そうねえ、このまま待ってても埒が開かないかも知れないわねえ」

一見もっともらしい愛美のこの一言は、本音を言えば学校の制服に素顔を曝したまま、いつまでもこんな所に居たくないと言う想いの表れであった。その、全員の気分を汲んだリーダーの的確な提案に、一同は救われたように揃って頷いた。

「それじゃ……」

愛美がブレスレッドを掲げると、残りの四人も慣れた呼吸でその後を追った。

「赤色麗装美神変!」

リーダーに続いて各自の装変コードを口にすると、眩い光に包まれた五人の少女が、色鮮やかな正義のコスチュームに身を包んでポーズを決めた。


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