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人魚姫メルジーナは今世こそ平和に結婚したい  作者: 丹空 舞
第三章

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傷つけた者と傷ついた者

傷ついた者は忘れない

いつどんなふうに血を流したか

誰がどんな顔で

大切なものをむしり取ったか


永い時間 己れを責め

後悔をする その間

傷つけた者は菓子を食べている

何もかも忘れて


傷つけた者は忘れている

誰かを叩きつけた事実は

なかったことにして

そんなことかと意にも介さず


傷つける者は愚かな生き物だ

どれだけ富と名声を得ても

紛い物に囲まれていることに

ずっと気付けずにいるから


ぼろきれになっても

血を流した者は 傷ついた者は

他の誰かを傷つけることのない

本当の強さを知る者だ



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