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むかしむかし
むかしむかしのお話です。
海の中には、にんぎょのおしろがありました。
王さまには7人のおひめさまがいました。
15さいになったすえっ子のにんぎょひめはある日、海のうえに大きなふねを見つけました。
ふねには美しい王子さまがのっていました。
するとあらしがきて、王子さまは海へなげだされてしまいました。
にんぎょひめは王子さまを助けてきしへはこび、けんめいにかんびょうしました。
王子さまが息をふきかえしかけたとき、人げんのむすめがやってきて、にんぎょひめはおどろいて海の中へかくれてしまいました。
王子さまは自分をたすけたのは人げんのむすめだと思いこんでしまいました。
王子にもう一ど会いたかったにんぎょひめは、自分の声とひきかえにまじょから足をもらい、人げんのすがたになりました。
しかし、王子さまはすでに人げんのむすめとのけっこんがきまっていました。
王子さまとけっこんできなかったにんぎょひめは、おねえさんたちからもらったナイフをすてて海にとびこみ、あわになってしまいました。