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再会なのです?

 俺は勝った。

 なんだかよくわからない形でアクセスリングを入手してしまったがために強制参加された闇のゲーム的な存在、マギアゲームの第一回戦に於いて、筋肉凶暴女、ルカナ・リリアを撃破した。

 そして現在、その功績は思う存分讃えられるものと認知されているようで、その証左として大きな歓声が沸き上がっている。

 勝者と敗者、その明暗ははっきりとしていた。

 余談だが、俺がつくづく思っていることがある。本当にどうでも良いことだけどね。

 勝者と敗者なら明暗ははっきりするが、勝者とDentistだったら明暗はどんな感じなのだろう。ほんわかグラデーションって感じかな。歯医者とか儲かって勝ち組だろ的な意味で。

 あ、俺は本当にどうでもいいことを考えているじゃないか。もっと勝利の美酒に酔わないとな。

 俺は喜んでいいんだ。勝った。バンザイ!!!


「そんなに喜んで、ルカナ・リリアさんは奈落の底なのに」


 凄い皮肉を言ってくる奴がいた。切れ味抜群の、恐ろしい皮肉だ。

 しかし俺はその声に聞き覚えがあったし、その人の顔にも見覚えがあった。


 いきなりの登場だった。

 俺のクラスメート、飛島明日香がそこにいたのだ。


「はじめまして、ひなのさん」


 飛島はそう言った。まあ無理もない、俺はこんな姿(少女の姿)になってるんだからな。


「そう言えば、あなたの着ているユニフォームどこかで見たことがあるわ」


 俺は新城新太郎だ! とカミングアウトしてしまいたい気分になる。正体を隠さなければならない義務はないわけだから。

 でも俺は飛島に喋ろうと思うと上手く言葉が出てこなかった。どうしてもいつもの自分が出てしまいそうで、すぐ正体がバレてボロが出そうだからだ。

 そして正体がバレた後が非常に面倒くさい。だって説明のしようがないからな。

 俺はあの時お前の店で魔法少女グッズを買って、そこでなにやら変身してしまったんだ。

 しかしなあ、それを飛島に言ったところで信じてもらえるとは思えない。いや、以外とあっさり理解してくれるのか?

 だってこいつにだって魔法少女になった経緯があるわけだしな。俺とは違う方法だとしても、自分が突然魔法少女になってしまう感覚はしっているかもしれないのだ。

 ということは聞いてみる価値はあるかもしれない。しかしなあ、なんか言い出しづらいんだよなあ。

 こいつと喋ると俺はいつも翻弄されてばっかりだしな、喋りかけるという行為そのものがリスキーというか……。

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