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地に響く天の歌 〜この星に歌う喜びを〜  作者: 春日千夜
第2部 旅の一座【第8章 砂漠に咲く花】
167/647

137:蛇穴2

*物語の展開上、戦闘シーンおよび、痛ましい描写が含まれます。ご注意下さい*


前回のざっくりあらすじ:ニースたちが森のアジトへ到着した。

 アングイスのアジトの地下。倒れた男たちを避けながら、グスタフとジーナが通路を駆ける。


「メグ!」「メグちゃん!」


 二人の姿を見たメグは、ほっと安堵の息を吐き、ラチェットから手を離した。


「お父さん、お母さん!」


 メグの肩から手を離したラチェットが、駆け出そうとするメグの横顔に微笑みを向けた瞬間。メグの向こう側に、キラリと一瞬、何かが光った。


 ――危ない!


 ラチェットは、駆け出そうとしたメグの腕を咄嗟に掴み、自分の後ろへ、ぐいと引いた。メグと入れ替わるように、ラチェットの体が前に出た。


 ……パン!


 大きな発砲音と共に、ラチェットの胸に激痛が走った。思いきり殴られたような衝撃で、体がぐらりと傾き、ラチェットは、そのままどさりと倒れた。


 ラチェットの背後に引き倒され、尻餅をついたメグは、目を見開いた。


「ラチェット!」


 メグの叫びと同時に、ジェラルドが叫んだ。


「カサンドラ!」


 ジェラルドは一気に通路奥に突っ込み、入れ替わるようにカサンドラが一足飛びに広間へ腕を出した。


 ……パン! パン! パン!


 カサンドラが銃を発砲し、広間の奥の暗闇で、何かがどさりと倒れる。エドガーがその隙に、ラチェットとメグの元へ走り出した。

 初めて聞く発砲音に、思わず通路に身を引き戻していたグスタフたちは唖然とした。


「なんだ、これは!」


 ジェラルドが、通路奥から押し寄せる男たちを一人ずつ捌きながら答えた。


「銃ですよ!」


「銃!? これが……!」


 カサンドラは、通路の壁を背に銃撃戦を始めた。


 ……パン! パン!


 ラチェットとメグの元へ駆け寄ったエドガーは、即座に大盾を構え、時折、メグに向けられる銃弾を防ぐ。床に転がり落ちていたラチェットのメガネが、跳弾で砕けた。

 メグはラチェットに縋りつき、叫んでいた。


「ラチェット、お願い! 目を開けて!」


 メグは全身で感じる寒気をかき消すように、ラチェットを揺すり続けた。


「いや……。いやよ、ラチェット! 私の返事を聞いてよ!」


 しかし、いくらメグが呼びかけても、ラチェットは、ぐったりと倒れたまま目を開けなかった。発砲音が続く広間に、メグの慟哭が響き渡った。


「ラチェット! ラチェット……! いやぁぁぁぁ!」


 カサンドラが銃撃戦を終える頃。本隊が突入したのだろう、戦闘音が遠くで響きだし、通路奥から押し寄せる男たちもいなくなった。

 泣き叫び続けていたメグは気を失い、しんと静まり返った広間には、沈痛な空気が漂っていた。




 森の中にいるニースは、セラと共にそわそわしていた。


「もうすぐ朝になっちゃう……」


 グスタフたちが中へ入ってしばらくすると、本隊も突入していった。

 それにも関わらず、なかなか出てこないラチェットたちを、二人は心配していた。


 バードを抱いたままのセラが、ぷるりと身を震わせた。


「まだ音が終わらないよ……」


 二人がじっと見つめる洞窟の入り口からは、悲鳴、怒号、発砲、爆発音が小さく漏れ響く。中で激しい戦闘が行われていることが、外にいる二人にも感じられた。

 ニースは、腕の中で目を瞑るココを、悲しい目で見つめた。


「これが、戦いの音なんだね……」


 ニースは、ココの夢で聞いたのと似た音に、恐ろしさを感じていた。

 やがて二人は、疲れと緊張から眠くなり、うつらうつらと船を漕ぎだした。見兼ねたダナが、二人の肩を叩いた。


「二人とも、テントで寝なよ。帰ってきたら、すぐ知らせるから」


 洞窟の入り口から少し離れた場所には、兵士たちの手で野営地が作られていた。

 しかし、二人は首を横に振った。


「ぼく、ここでいいです」


「私も……」


 ニースとセラは、大木の根元に並んで座り、バードとココを抱いたまま目を閉じた。

 二人に毛布をかけたダナは、じっと入り口を見つめた。


「ラチェット。メグと無事に帰るんだよ……」


 洞窟から漏れ響く戦闘音は、その後も止むことはなかった。




 やがて夜が明けて、日が昇る。洞窟の中から、複数の足音が響いた。

 見張りに立つ兵士たちに緊張が走る中、出てきたのはエドガーだった。


「帰ってきた!」


 ダナの声に、眠っていたニースとセラが、はっと目を覚まし、入り口に目を向けた。

 ジェラルドとカサンドラの姿はなかったが、エドガーの後ろから、メグを背負ったグスタフと、メガネのないラチェットを背負ったマルコム、ジーナとガラナが出てくるのが見えた。

 ぐったりして動かないラチェットとメグを見た二人は、バードとココを抱いたまま、心配そうに立ち上がった。


「ラチェットさんとメグは、大丈夫なんですか!?」


 ニースの声に、グスタフが苦笑いを浮かべた。


「ああ。なんとかな……」


「良かった……」


 ほっとした二人は、グスタフたちと共に野営地のテントへ向かった。

 メグとラチェットを並んで寝かせると、グスタフたちは、大きく息を吐いた。


「一時はどうなるかと思ったよ」


「本当ねー。もう無理かと思ったわー」


「奇術師は俺なのに、驚かされるなんてな」


 エドガーが呼んできた衛生兵が、二人の怪我の様子を確認し、応急処置を施す。その傍らで、ダナがグスタフたちに水筒を渡した。


 水を飲むマルコムに、ニースは気遣いながら尋ねた。


「何に驚いたんですか?」


 マルコムは、苦笑いを浮かべて話しだした。


「ラチェットがな、死んだかと思ったんだよ。そしたら、これのおかげで助かってたんだ」


 マルコムは、懐から懐中時計を取り出した。歪んだ時計の裏面にある刻印を見て、セラが目を丸くした。


「それ、メグさんがプレゼントにって買った時計です!」


「そうみたいだな。それが、こうだよ」


 マルコムは、時計の表を見せた。表は、蓋を貫通して鉛玉が突き刺さり、文字盤のガラスが砕けていた。

 ニースは、驚きながらもじっと見つめた。


「なんですか? この、小さな鉄みたいなの」


「銃弾だそうだ。カサンドラが使う武器に、銃があったのを覚えているか?」


「見せてはもらいませんでしたけど、話は聞きました」


「その銃に使われるものが銃弾だ」


 この星の銃は、全て古代遺跡からの発掘品だ。鉛玉を込めて使うが火薬は必要なく、火石を使って動かす。しかし発砲できる細かな仕組みは分かっておらず、銃本体は作る事が出来ない。そのため、非常に高価な物であり、各国国軍でしか使われない物だった。


「この時計を、ラチェットは胸元に入れてた。もしこいつがなかったら、この弾がラチェットを殺してた」


「え……」


 恐怖で青ざめ、ぶるりと震えたニースとセラを、ジーナが安心させるように、あははと笑った。


「本当に焦ったのよー。ラチェットが死んだと思って、メグちゃんまで気を失っちゃったしー」


 グスタフが、深々とエドガーに頭を下げた。


「エドガー。二人を守ってくれたこと、心から感謝するよ」


「結局、俺たちは守れなかったよ。その時計がなかったら、ラチェットの坊主は死んでたし、ラチェットの坊主がいなかったら、突入が遅くなって、メグ嬢は救い出せなかった。面目無い」


 気まずそうに頭を下げたエドガーを見て、ニースは苦しく感じた。


 ――あんなに強いエドガーさんでも、助けるのは難しいことだったんだ。それだけ大変な場所に、ラチェットさんはメグを助けに行った。死にそうな目に、あってまで……。


 頭を下げあうグスタフとエドガーに、ジーナが笑った。


「もういいじゃないのー。とにかく二人は無事だったんだからー」


 メグは足の細かな切り傷と、縄で縛られていた手首の擦り傷、額をぶつけた怪我ぐらいで、他に治療が必要な箇所はなかった。しかしラチェットは、元々あった体中の打撲や切り傷に加えて、手の怪我が悪化しており、衛生兵が包帯を巻くのに苦労していた。

 ニースが、心配そうに呟いた。


「ラチェットさんは、またピアノを弾けるようになるんでしょうか」


 ジーナが優しくニースの頭を撫でた。


「大丈夫、きっと治るわー。とにかく休ませてあげないとね……安心したら、眠くなっちゃったわねー」


 ジーナが大きくあくびをしたので、ダナが立ち上がった。


「今ならまだ空いてるテントがあるから、今のうちに休んだ方がいいよ。旦那たちも、行こう?」


「そうだな。確かに疲れた。メグとラチェットのことは気になるが……」


 迷うグスタフに、エドガーがニッと笑みを向けた。


「俺たちが見ておくよ。応急処置が終われば、あとは休ませるだけだ。旦那方は休んでくれ」


「リーダーも休んだら?」


 気遣うダナに、エドガーは顔を引き締めた。


「いや、俺はいい。ジェラルドたちが戻るまでは、見張りに立つ」


「リーダー……」


 責任を感じている様子のエドガーに、マルコムとグスタフが柔らかな笑みを向けた。


「エドガー。無理するなよ。こうして、結果的に二人を助けられたのは、あんたらがいてくれたからだ。あまり自分を責めないでくれ。……俺は休むよ」


「マルコムの言う通りだ。私たちは、君たちを責めるつもりはない。二人を頼む。……ニースたちも休むか?」


 気遣うグスタフに、ニースとセラは首を横に振った。


「ぼくは、ラチェットさんの治療が終わるまで見ています」


「私も、ニースと起きてます」


「そうか。無理せず、疲れたら私たちのテントに来なさい。メグたちには、休息が必要だ」


「はい」「わかりました」


 グスタフたちがテントを出てしばらくすると、二人の応急処置も終わった。ニースたちは、新しいメガネをラチェットの傍らに置くと、衛生兵と共に表に出た。

 テントの裏にエドガーが座り、表にガラナとダナが座った。


「ガラナ、ありがとう。休んでいいよ」


 ダナがガラナに籠を差し出すと、ガラナは籠の中に潜った。




 ニースとセラは、倒木に並んで座り、ぼんやりとしていた。ニースは、テントをじっと見つめながら呟いた。


「みんなの頑張りと、色んな偶然が重なって、二人とも帰ってこれたんだね」


 セラが、ほっと安堵の息を漏らした。


「うん。みんな無事で良かった」


「ラチェットさんの手、本当に治るのかな。ピアノが弾けなくなったら、ラチェットさんもメグも悲しむよね……」


「あとで、ラチェットさんのために聖歌を歌おうね、ニース」


 柔らかく微笑むセラに、ニースはすぐに答えられなかった。


 ――ラチェットさんのために歌う……。ぼくは、ぼくたちは、本当にそれが出来るのかな。


 ニースは考えながらも、頷きを返した。


「……うん」


 ニースがいつものように元気に答えなかったので、セラは伺うように問いかけた。


「ニース、どうしたの?」


 ニースは、じっとセラを見つめた。


「もしも……もしもだけど。ラチェットさんが、あの銃弾に当たっていたら、ぼくたちは、ちゃんと歌って助けられたのかな」


 ニースの問いかけに、セラはバードを抱く手に、ぎゅっと力を込めて、俯いた。


「それは……」


 押し黙るセラを見て、ニースは慰めるように言葉を継いだ。


「今のぼくたちには、きっと無理だよね。自分が歌わなきゃ死んじゃうって思ったら、怖くて仕方ないし」


「うん……」


 ニースは腕の中で静かにしているココを優しく撫でた。


 ――ココ。聖カルデナは、もっと酷い怪我の人たちに歌ってたね。ルーンが見つからなくて、辛くて悲しくても、歌い続けてたんだよね……。


 ニースはココを撫でながら、考えをまとめるように、セラに話した。


「ねえ、セラ。ラチェットさんとメグは、大事には至らなかったけど……。これから先、もっと酷い怪我の人のために歌うことってあると思うんだ。その時どんな風に歌ったら、ぼくたちは、ちゃんと歌えるのか、考えてみない?」


「考えたら、歌えるようになるの?」


「それは分からないけど……。カルデナは、大きな災いの中でたくさんの人を助けたわけでしょ? そのカルデナの気持ちになったら、ぼくたちも、そういう辛い時にちゃんと歌えるのかなって思ったんだ」


「カルデナの気持ち……」


 ニースはセラに、ココの夢の話はしなかったが、セラはニースと共に真剣に考え始めた。話し合う二人を、ココが優しい目で、じっと見つめていた。




 太陽は高さを増して、森は一気に蒸し暑くなる。テントの中でラチェットと共に寝かされていたメグは、噴き出る汗に身をよじり、目を覚ました。


「ん……ここは……」


 見慣れない布で張られた小さな空間に、ぼんやりしながら体を起こしたメグは、手に何かが当たったのに気づき、横に目を向けた。

 メグの視界に、横たわるラチェットが映り、メグは、はっとして口に手を当て、涙を滲ませた。


「ラチェット……」


 メガネのないラチェットの顔は、苦悶の表情を浮かべていた。


「なんで……なんで死んだのよ……!」


 ラチェットが死んだと思い込むメグの目に、涙がひとすじ流れた。


「こんなに苦しそうな顔をして……」


 メグは、指でそっとラチェットの頬へ触れた。


「私の……私の騎士様だったのに……。置いていくなんて、酷いわ……」


 メグの目から、ぽろりぽろりと、涙がこぼれ落ち、ラチェットの顔に当たった。

 涙が顔を濡らした事で、ラチェットの意識がゆっくりと浮き上がった。


 ――誰かが、泣いてる……。


 メグは、涙で歪むラチェットの頭を、そっと撫でた。


「ラチェット……私を守るって約束してくれたのに。死んだら、守れないでしょ?」


 小さく震えるメグの声に、ラチェットは薄っすらと目を開いた。


 ――メグ……?


 目覚めたばかりで、はっきりと目を開ける力はない上に、今のラチェットにはメガネもない。そのため、目の前にいるはずのメグの泣き顔は、ラチェットには、ぼやけて見えなかった。

 しかし、顔に落ちる温かな雫と、愛しさを感じる声に、メグが泣いているのだと、ラチェットは気付いた。


 ――メグ……泣かないで……。


 ラチェットはメグに触れようと手を動かそうとしたが、がっしりと包帯で固定された手は重く、力が入らなかった。

 メグは鼻をすすり、目に涙を湛えたまま微笑んだ。


「私、あなたのことが、好きだったのよ」


 ――え?


 戸惑うラチェットの頬に、メグが柔らかな手を滑らせた。

 ……次の瞬間。


 薄っすらと開いたラチェットの視界を何かが覆い、唇に、ぷにりと柔らかなものが触れた。


 ――!?


 ラチェットは、驚きに目を見開いた。眼前にあるメグの顔は、視力の弱いラチェットにもしっかり見えた。

 目を閉じて口付けたメグは、唇を離すとゆっくり目を開き……ラチェットと目があった。


「……っ!?」


 メグは顔を真っ赤にして、後ずさり、口に手を当て、視線を彷徨わせた。


 ラチェットは起き上がろうと身をよじるが、体中が重く、起き上がれなかった。

 どこにいるのかもわからないメグに向けて、ラチェットは掠れた声を上げた。


「メグ……ごめん。その……。僕は、生きてるよ」


 気まずそうに、はにかむラチェットを見て、メグは思わず抱きついた。


「ラチェット!」


 ラチェットは、必死に腕に力を込めて、はらはらと安堵の涙をこぼすメグの背を抱いた。


「ごめん……心配かけたね」


「もうっ! 死んだと思ったのよ! もう二度と、ラチェットの声が聞けないって、笑った顔が見れないって思って。私、私……!」


「……うん。ごめんね」


 泣き続けるメグを、ラチェットは優しく宥め続けた。


 メグの嗚咽はテントの外まで響き、見張りに立っていたエドガーとダナが、そっとテントから離れた。


 メグが泣き止むと、ラチェットはメグに手伝ってもらいながら上体を起こし、メガネをかけた。ようやくメグの顔をまともに見れたラチェットは、心から安堵した。


「メグが無事で、本当に良かった」


 柔らかな笑みを浮かべるラチェットに、メグは頬を赤く染めた。


「ラチェット……助けてくれて、ありがとう」


 恥ずかしそうに視線をそらすメグに、ラチェットは気になることを尋ねた。


「ところで、メグ。……あの時のこと、もしかして思い出したの?」


 メグは、はっとして顔を曇らせた。


「ええ……。ごめんなさい。ずっとラチェットは、あの約束を守ろうとしてくれてたのに。私、忘れてて……」


 俯くメグの手を、ラチェットは包帯で固定された手で、そっと握った。


「大丈夫。君が忘れても、僕が忘れない。何度だって、君を守るから」


「ラチェット……」


 照れたように頬を染めるメグに、ラチェットはからかうような笑みを浮かべ、問いかけた。


「それと、もうひとつ聞きたいことがあるんだけど……。僕の聞き間違いじゃなければ、さっき、僕のことを好きって言ってなかった?」


「え!?」


 メグは、恥ずかしそうに俯いた。


「そ、それは! その……あなたが大事だって、よく分かったから……。失いたくない、特別な人なんだって」


 ラチェットは、嬉しそうに笑った。


「それで、キスもしてくれたんだね」


「だ、だって! まさか、ラチェットが生きてたなんて、思わなかったんだもの!」


 誤魔化すように、ぷぅと頬を膨らませたメグの頬に、ラチェットは、ぎこちなく手を添えて笑いかけた。


「そんなに怒らないで、メグ。僕は嬉しかったよ」


 メグは、頬からゆっくり空気を抜き、恥ずかしそうに視線を外した。


「もうっ。勇気を出してしたのに。あれが初めてだったのよ? もうしてあげないんだから」


 ラチェットは、はははと笑った。


「それは残念。でも、なかったことになんて、しないでね?」


 メグは、カッと頬を赤く染め、ラチェットの胸を優しく叩いた。


「もうっ。するわけないでしょ! なんでそういうことを言うのよ! ラチェットのバカ!」


「ごめん、ごめん。そんなに怒らないで」


 ラチェットは微笑むと、メグの手を取り、愛おしそうに、じっと見つめた。


「メグ……。僕から、するのはいい?」


「……ええ」


 メグは顔を赤くしたまま、戸惑いながらも目を閉じた。ラチェットがメグに顔を近づけ、二人の影がゆっくりと重なり合う。

 唇に触れた柔らかな温もりは、苦難を乗り越えた二人の心を、優しく包み込んでいった。

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― 新着の感想 ―
[一言] おめでとう!ラチェット!メグ! ラチェットがこんなにかっこいいとは思いませんでした。 愛は人を強くするんですね。
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