ロイドの本気
私はあらゆる魔法を放出した・・・どれか一つでも当たればいいと思った・・・
----------------------------------------
いいかロイド・・・闘気と言うのは体のエネルギーだけじゃなく、生命エネルギーでも代用することが出来る・・・だが、これは強力な分寿命を縮める行為だ・・よっぽどな時以外絶対にやるな・・・
うん?闘気を使うコツだって?それは使うタイミングをはかると言うのが一番だな?えっそのタイミングが何時だって?だったら、実戦で教えてやろう・・・
-------------------------------------------
だが、先程の動きが嘘の様にスピードが速い!しかも、私の魔法も最小限で避けられている・・・気づいた時には目の前に居られた・・・だけど甘い!これだけ近ければ外しようがない・・・私は目の前の彼に魔法を放った・・・
--------------------------------------------
あんた、凄いわね・・・私の魔法を覚えて、理論すら解って、それどころかオリジナル魔法すら開発するなんて・・・・あんたほどの天才なら、新しい魔法・・・いや魔法以外の力でも解析しちまうんじゃないか?
---------------------------------------------
だが・・・その彼は私の魔法が当たる前に消え去った・・・
(偽物?!)
あり得ない・・・この世界は私が作った世界・・・例え、相手に魔法を放出する許可は与えたとしても、この世界で魔法で作られたものと本物を間違えるはずは・・・・
(本物は?)
私は咄嗟に振り返る・・・目の前に剣が迫ってくる・・・
(!!負けるか!!!)
彼女は咄嗟に魔力から剣を作り出したとはいえ、ほとんど咄嗟に作った為、剣としての強度はほとんどなかった・・・そして、彼の剣にぶつかり・・ぶっ飛んで・・・そして・・・・
「勝ちです・・・」
気づいた時には、目の前に剣があった・・・ここから、暴れて否定してもよかった・・・だけど、それをしたくない自分もいた・・・
それは、彼を・・・いや私を否定する事だと思ったから・・・
「・・・何をしたの・・・・?」
私は気になって聞いた・・・動きはともかく、あんな私の空間すら欺く魔法見たことも無い・・・
「生命魔法で・・極限まで身体能力を上げて、後は貴方の世界を解析して、騙しただけですよ・・」
その言葉に私は驚いた・・・私の世界を騙す・・・そんな事が・・・
「・・・・俺の勝ちですよね・・・」
そう、彼が言った・・・はあ・・・
「ええ、私の負けよ・・・」
そう言った私は、負けた悔しさより晴れ晴れしさを感じていた・・・あれ・・・悔しい?晴れ晴れ?・・・感情って私・・・そんな事を考えていると彼が倒れた・・・
「えっ・・・!」
私は咄嗟に抱きかかえる・・・生命エネルギーが少ない・・・このままじゃあ・・・
「・・・はあ・・勝つんなら、きちんと勝ちなさいよ・・・」
そう思わず呟いてしまった・・・この人ならいい・・・本気でそう思い・・・・そして・・・・




