表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
気づいたら神になってた?転生記  作者: よし加工
第2章 戦場の中で
29/92

魔王バイドの思い

玉座のまでバイドは今回の戦争について振り返っていた・・・


今回の戦争は完全に相手を侮っていた・・・神の加護が勇者だけでは無く、敵10万の兵士に全て掛かっていたこと・・・しかも、勇者一行である、戦士一人に我一人が抑え込まれる事態・・・・本来なら勇者一行を相手にしても勝てる戦だった・・・以前勇者達が城に侵入した時も我一人でかたをつけていたのだから・・・


それがどれだけの加護を手に入れたのか・・・勇者ですらないものに後れを取る始末、ロイドが居なければ全軍死んでいただろう・・・


そのロイドも、我が戦わせた所為で部屋に引きこもってしまったが・・・実戦経験が無い者を無理に戦わせたつけだな・・・


・・・神が完全に敵になると言うのを甘く見ていた・・・いや・・・一度神に会って闘ったのだ・・・こうなる事位想像は付いたはずだ・・・・・


―――――――――――――――


・・・それは、一種の疑問だった・・・何故、人間と魔族は闘わなければいけないのか?この世界における勇者と魔王のシステム・・・勇者は神から魔王を倒すように仕向けられ・・・魔王は勇者・・いや人間全てを滅ぼすように指示を受ける・・・・


・・・このシステムはどう見ても人間と魔族を戦わせるために作られたものだった・・・


何故この様なものがあるのか疑問に思った・・・そんな中ジェニーが・・・いやその時はキャクって名前を名乗っていた彼女が、神おろしの方法が解ったと言ってきた・・・・私はその話を聞き彼女に神おろしを頼んだ・・・・それが間違いだったのはすぐに解った・・・・


その降臨された神はすざましく奇麗だった・・・真っ白い幻想的な羽、透き通る様な肌、流れるような髪、整った顔・・・全てが完璧だった・・・そんな神に私は問うた・・・何故人間と争いをさせるのかと・・・・・・


「奴隷が、疑問なんて感じてるんじゃねえよ!」


一瞬耳がおかしくなったかと思った・・・目の前の人物から出た言葉だと、最初認識が出来なかったのだ・・・


「お前達、奴隷はただ家畜の様に言われたことをすればいいんだよ!何口答えしてる訳?」


私はその言葉を聞いた瞬間殴りかかっていた・・・・・だが、神はうっとしい蠅を追い払うように腕を振るった瞬間、私は壁にめり込んでいた・・・・


「殺すのめんどくさいから、そのままにしとくね・・・どうでも良いことで呼び出すな・・・」


そのまま神は去っていった・・・後にはボロボロになった我とキャク(ジェニー)が横たわっているだけだった・・・


――――――――――――


・・・・・我を・・・いやこの世界を生きる者全てを虫のように思っているあやつらなら、滅ぼすと決めたら簡単に滅ぼすのだろう・・・それこそ虫を潰すように・・・今回生き残れたのは、ただ、神の気まぐれにすぎない・・恐らく次は・・・


そんな中ジェニーがやって来た・・・・その顔色は優れない・・・


「・・・人間軍今100万の兵士を徴兵しています・・・」


「100万か・・・」


「ええ、かなり強引に集めているようです・・・まあ、神の加護を与えられるのなら、数合わせすら脅威になりますが・・・・」


「我が軍は?」


「出来て、10万・・・・・しかも、今回の戦で名立たる将は死んでしまいましたから・・・・実質戦力になるかどうかは・・・・」


「そうか・・・・」


魔王と言ってもただ、他の種族のまとめ役にすぎない・・・強引な徴兵等出来やしない・・・例えそれが負けるとなったとしても・・・強制は出来ない・・・それではこれまで毛嫌いをしてきた我以前の魔王と同じになってしまう・・・


しかし、いつもは絶対的な強者であった魔族側がこれだけの被害を出した戦争は初めての為、兵の集まりが悪いと言うのも事実・・・それでも集まってもらった者には感謝の念しかない・・・


「・・・・・・ロイドの事後悔してますか?」


ジェニーが急にそんな事を言ってきた・・・ジェニー自身、旗色が悪くなったらロイドと共に逃げろと指示を出したのだが、あの激戦の中、ジェニー自身前線に行かなくてはいけなくなり、そのまま、ロイドは奇襲を感知して飛び出してしまった・・・


「今回の戦でロイドは心に大きな傷を負ってしまった・・・しかも、次の戦は確実に負けます・・・結局負けるのであれば、最初っからロイドを出さなければ心に傷を・・・」


「もう言うな!あやつは・・・自ら動いて戦果を挙げた・・・その功績に我らが答えなければ・・・・初めから負けるつもりで動くな!!」


そう、ジェニーに言った・・・ロイドを連れ出したのは俺の指示だ・・そして、そのロイドは我の期待以上に戦果を挙げたのだ・・もし、心を壊して誰かを恨むのなら我を恨んでほしい・・・


それに、あいつが守ったこの国達をそう簡単に壊させやしない・・・


(ただ、手詰まりであるのは確かだ・・・)


せめて・・・もう少し、戦力があれば、いや、我に力がもっとあれば・・・そんな事が頭をかけめくる・・・・


そんな中、玉座の間にハールがやって来た・・・・・今回の戦争が終わって以来、我と一言も話さない・・・会おうともしなかったハールが何故ここに・・・そう思っていると・・・・


「・・・お話があります・・・」


ハールは短く、しかし、はっきりとそう言った・・・


「・・・何だ・・・」


「ロイドを連れ出したいのですが・・・」


・・・そう、ハールが言った・・・その方が良いかもな・・・今のロイドは、戦争のごたごたしている城にいらせている場合ではない・・・


「・・・場所は決まっているのか?その前にロイドは何と?」


「・・・場所は精霊の森、ロイドの許可は取っています・・・」


「何と・・・」


精霊の森確かにあそこなら人間も、そうそう来れないだろう・・・しかし、ロイドの許可も取ってあるとは・・・今のあやつは会話も出来ない状態だったはず・・・我が不思議に思っていると・・・


「それとこれだけは言わせてください。ロイドは逃げるつもりではありません・・・」


「何だと?」


「強くなる為に行きます・・・」


「それはどういう事だ?」


それからハールはこれから行う事を全て話した・・・聞いた我は、俄には信じられなかった・・・


「・・・そのようなものが居るとは信じられん・・・第一それを行った所でどこまで強くなるのか、その前にうまくいくのか?」


「全て解りません、ただ、何もしないよりもいいかと、ロイド自身の為にも・・・・」


そうハールは呟いだ・・・我は先程から気になっていた事を尋ねた・・・


「のう、ハールよ、お主、1週間前はロイドを戦場に行かせた事を絶対に許さないと申していたでは無いか・・それが何故このような行動を?」


そう、ハールはロイドを戦場に行かせたことを一番悔い、その発端である我を攻めた・・それが何故戦争にまた行かせる様な行動を取っている?それが不思議でたまらなかった・・・


「これを・・・」


「・・・これは・・・・」


「ロイドの日記です・・・魔法で見れなくされていましたが、ジェニーに頼んで見れるようにしました・・・」


そう言われ、ジェニーを見る・・・その目はその本を見つめていた・・・


「・・・ジェニーお主中身は・・・・」


「いえ、見ていません・・・解呪した後中身をみずに渡しましたので・・・」


そう言われた、後、我は中身を見た・・・・その全てを見た後、ジェニーに渡す・・・


「・・・・・・・・本当は、凄いロイドとファルを連れて逃げ出したい・・だけど、あの子は逃げるという選択を取らなかった・・・・・・・『すごい力を持って見せつければ、敵わないと思って逃げていくかもな』・・・貴方の言葉ですね・・・もし、その力を得る機会があるのなら・・・試させてあげたい・・・」


そう、ハールが言い切った・・・・


「解った・・・ロイドの事を頼む・・・」


我は頭を下げた・・・自分の息子なのに何も出来ず、全て母親であるハールに全てを任せるという事に対する懺悔を込めて・・・・


「・・・・・・・・こちらこそ、戦場に帰ってきて、辛くしか当たらなくてごめんなさい・・・生きて帰ってくれてありがとうございます・・・・・」


そう、ハールは言った・・・はは・・・久しぶりに夫婦で会話をした気分だ・・・・


その後、少々会話を挟んだ後、ハールと別れた・・・あいつも自分が出来る事をしているのだ・・・我自身頑張らなければ!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ