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新しさという記憶に/
新しさという記憶に
ついさっきの大切な出来事さえ思い出になっていく
刷り込まれていく虚構の中にある
一欠片の痺れにも似た未知なる共感
我らは己自身で過去を作り出していく
まるで明日を思い出すように
全体の変化はゆっくりと同調して進み
時代として地層を重ね
そうして我らの今が揺れる
錯覚する虚構と真実の境界へ
雲間の光が揺らめく
我らは虚構へ
世界は真実へ
そしてその境界は限りなく淡く
グラデーションの光の薄墨へ
時は遠く果てしなく
或いは満ち足りて身の内に閃き
それは決して抱えきれぬもの
常に感情は甘く
そして苦く記憶を刻み続けている
壊れるほどの激変を経て
醒めてしまった墓石の上に
静かな訪れが繰り返される
夜が留まっている
何時までも消えない記憶として
何時までも消えない面影として