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なくなったひとの詩/
末尾推敲
空は晴れていた→空を見ている
なくなったひとの詩を読んでいる
なにかが近づいてくる
よるがかさりと音をたて
まどのそとへ出ていった
きんぎょは全部骨も残さず喰われてしまった
みずくさばかりが青々としている
つめたいみずが閉じ込められている
木々が葉をつけたままで枯れている
みんなその身の内に
それを持ってしまったから
いくら暖めてもどうしようもない
凍えの風がまたやって来る
北のあたりからの風に吹かれたら
みんな黙って寒そうにして
雲ばかりの空を見ている