『羽川こりゅう作品集』4.「娘からのプレゼント」
(問題編)
ある有名な音楽家は幼い娘の指使いを見て、「この子は一流のピアニストになる」と言いました。それから十年後、彼女は世界的に有名なピアニストになりました。ある日、彼女は父に、演奏のプレゼントをしました。彼女の演奏を聞いた父はいたく感動し、「君の演奏を初めて聞いたが素晴らしい」と言いました。
さて、これはどういうことでしょうか。
↓↓↓解答編は下にあります。
(解答編)
彼女の父親は、有名な音楽家でした。しかし、ある日、交通事故で耳を悪くしてしまい、音が聞こえなくなってしまいました。
彼はいたく嘆き悲しみ、自暴自棄な日々を過ごします。そんな時、幼い娘が、父親の真似をして、ピアノを弾こうとします。最初は、その姿を見て、「俺をバカにしているのか」と怒ってしまうのですが、よくよく彼女の指使いを見たとき、「ああ、この子はきっと天才的なピアニストになる」と思ったのでした。
それから、彼は、娘にピアノの弾き方を教え、十年後に彼女は世界的に有名なピアニストになりました。
そんな折、耳の聞こえないひとが、音の聞こえるようになる医療道具が開発され、彼は多少ですが、音を十年越しに聞くことができるようになりました。そのことをお祝いして、彼女は、ある日、父親に演奏のプレゼントをします。
娘の演奏を聞いた父親は泣いて喜び、「演奏を初めて聞いたが、素晴らしい」と娘を褒め称えたのでした。
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※解答編は未公開です。