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V-Waver

『みんな~、来てくれてありがとう!

 癒しの力をみんなにお届け!

 キミの隣の仮想の友達、わぁるふぁ、ですっ!』


 画面の向こうから可愛らしい声が耳へ届く。ああ、癒されるなぁ。


 ボブの黒髪はふわふわで、狼お耳が上にピーン。もふもふ尻尾はとってももふもふ。くりくりおめめはすっごくキュート。可愛いふりふりフリルが沢山付いた、ロリータでピンクなお洋服。


 ヴァーチャルでウルフな配信者。それが彼女『わぁるふぁ』


 私はそれを見て癒されている一人の視聴者だ。

 そして彼女のようになる事を目指す一人の配信者である。






 Wave(ウェーブ)、それは世界最大の動画配信サイト。そこでは日々、多くの動画が投稿され、生配信が行われている。それをお仕事としている人々はWaver (ウェーバー)と呼ばれてる。


 彼らの中から特殊な配信者が産まれた。


 アニメ調のキャラクターを画面に映し出し、配信を行う人々だ。実在しない人物を画面の中に存在させて配信を行っている。彼らをいつからか、V-Waver(ブイ・ウェーバー)、と呼ぶようになった。


 私、ひよどり利美りみもその一人。

 椋鳥むくどりひよりという名で活動してる。


 と言っても、登録者たった十人の底辺中の底辺である。その内訳も、お情けで登録してくれた家族知人が九人。残る一人は、何故か最初から登録してくれている奇特で奇妙な謎の人だ。


 目指すは登録者百万人!

 ……など夢のまた夢の遥か遠き地平の果て。

 アルバイトで生計を立てる毎日である。


 今はまだ遠い目標だけど、いつか届く!


 はず!


 多分!


 ……だといいなぁ。


 それよりも問題は毎日のアルバイト。今日も先輩から怒られている。


 めっちゃめちゃ怖い、鬼頭きとういばら先輩。目下の目標はこの人から怒られないようにする事です。地元密着のスーパーで働きながら、私は夢見ている。いつの日かバズって、登録者が百万人になる事を。


 うん。

 大丈夫。


 必ず何とかなるはずだ。


 ……根拠は無いけど。


 とりあえずっ、今日もバイトを頑張ろう!

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