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悪者には制裁を。

この話を含めてあと3話で終わりです!

最後までお付き合いいただけますと嬉しいです(*ˊᵕˋ*)


「なんとか過去戻りの秘密は死守したわ!」

翌朝。サラダを食べながら私はよくやったと自分を褒めていた。

というか毎回そんな喋る余裕なんて無いのだ。リネが言う通り、クライン様はとても上手く……って何考えてるのよ私ったら!

私は勢いよく顔を振り煩悩を打ち消す。

「アンネ様……大丈夫ですか?」

リネが紅茶を入れながら私の奇行に青ざめている。

「ええ……大丈夫よ。」

「旦那様が落ち着いたら書斎に来るよう言っておりました。」

あら?もしかしてフリン伯爵についてもうわかったのかしら?私はわかったわ、というとリネから紅茶を受け取った。



「クライン様、奥様がお見えになられました。」

「入れ。」

書斎に入るとクライン様が書類を見ながら険しい顔をしていた。

「アンネ、まだ確証がないのだが、もしかしたらフリン伯爵は町民からの税を着服していた可能性がある。」

「えっ!?」

「今朝アルバーン侯爵家に行ったのだがやはりフリン伯爵家が侯爵家に払っている税は低いんだ。それは領地での農作物が不作という事もあり少なめに設定している。」

「なるほど……。フリン伯爵が町民から多く税を取り、自分はアルバーン侯爵家に少なく払う……。浮いた分を着服しているのね!」

「まだ確証がないがな。今テッドが町長に話を……。」

「ああ!そのテッド様がお戻りになりましたよ!」

勢いよく開いたドアから見慣れた水色の髪が見えた。

「テッド!ノックぐらいしろ!」

「早朝から突然の訪問を受けた私に比べれば…って貴方はもしかしてアンネ夫人ではございませんか?」

アルバーン侯爵は私を見るなり目を輝かせて近づいてくる。

「えっええ…。こんにちは、アルバーン侯爵様。」

「ああ!写真でも美しかったが実物はそれ以上だ!美しい金髪にサファイアのような青い瞳!白い肌はまるでビスクドールだ。私はアルバーン=テッドと申します。」

アルバーン侯爵は私の手を優しく引くと甲にキスをした。

「テッド…!!」

「おや、美しい令嬢に紳士的な挨拶をしただけさ。何か問題でも?」

だから会わせたくなかったんだ…とクライン様は頭を抱えた。


「さて、挨拶は程々に。クライン、君の言われた通り町民は随分な量を納めろと言われてきたみたいだ。毎年話し合いをしているとフリン伯爵は言っていたが話し合いなんてとんでもない!フリン伯爵の命令だったようだ。」

アルバーン侯爵は書類を取り出すとクライン様の机に置いた。クライン様は書類を見てさらに険しい顔をした。

「…で?アルバーン侯爵家として放っておくことはしないよな?」

「もちろん。このアルバーン侯爵家をコケにしたことを後悔させるのさ。いや、本当にクライン様々だね。」

「礼ならアンネに言え。アンネが気付いたのだから。」

「なんだって!?夫人が!?」

アルバーン侯爵は驚いた顔でこちらを見る。

「ええ…その…。ちょっと町の噂を聞いたから…。」

「ありがとうございます、夫人。」

アルバーン侯爵は深深と頭を下げる。

「そんなにかしこまらないで下さい!アルバーン侯爵様にはいろいろお世話になりましたから…。少しでもお返し出来たなら嬉しいですわ。」

「いろいろお世話…?夫人とお会いしたのは今が初めてでは?」

「ふふ、アルバーン侯爵様の知らないところでとてもお世話になったのです。だから私は侯爵様にお礼は何でもしますと言ったのですよ。」

「「何でもします!?」」

2人は勢いよく反応する。

「ええ、何でもしますわ。私に出来ることならば。」

「なら是非ともお食事に…!」

「ダメだ!テッド、貴様は覚えていないのだろう?ならお礼は無しだ。」

横暴だ!と抗議するアルバーン侯爵をクライン様はフリン伯爵とお食事に行けと追い返した。

「アンネ…君はとても魅力的なんだ。頼むから他の男性に何でもしますとは言わないでくれ。…ああ、私には何度でも言っていいからな。」

真顔で言うクライン様に私は笑い出してしまった。笑い事では無いと怒られたけど。




*******

【ニュース!着服の罪に問われたフリン伯爵家!爵位剥奪!】

どの新聞も大きな見出しで載せていた。

「良かったよ…。うちらだけ良い思いしてたら申し訳ないからね…。」

新聞を見ながらスージーさんが呟く。

「新しい領主様はアルバーン侯爵様。あの方は軽いけど優しい方だとクライン様が言っていたわ。だから大丈夫よ。」

公爵様が言うなら安心だ、とスージーさんは微笑んだ。




「良い顔になったねぇ。」

路地裏から出てきたおばあさんが私を見るなり嬉しそうに言った。

「…成功したんだな。」

「おばあさん…本当にありがとうございました…!」

私は何度も頭を下げる。

「おいおい、やめてくれよ。公爵夫人がこんな見窄らしい平民に頭を下げるなんて…明日新聞に載っちまうよ!」

それは大変だわ!と私はすぐに顔を上げた。

「今日はおばあさんにお礼と…招待状を渡しに来たの。」

「招待状?」

「ええ、来月パーティをやるのよ。是非とも来て欲しいわ。」

「ありがとうお嬢さん。でもね、こんな平民が行ったら笑いものにされてしまうよ。公爵家のパーティは王族も来るんだろう?」

おばあさんは遠慮がちに言う。

「ええ、王族の居るパーティはさすがに招待出来ないけど、その後公爵家の庭で小さいパーティをやるの。そちらに来て欲しいのよ。」

そちらのパーティにはスージーさんも呼ぶ。…ジョン一家も。

「そうかい。ただ着ていくものがねぇ…。」

「大丈夫!着ていくものは任せて!」

おばあさんはそれなら…と招待状を受け取ってくれた。



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