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渡すのは俺からじゃないけど

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

初めてじゃない神様、耐冬花様。

放浪から舞い戻り、社で相対す。

月日というのは巡るもの。それもあっという間。改装中故に、放浪を繰り返した神様も戻って来らした。御方は自分の体長さえゆうに越すような翼を見えなくなる程に畳み、にこにこと笑った。

「やぁ、此処で会うのは初めてかな? ええと……最初に君に会ったのは……そうだ!! 確か草木茂る社の前」

「いいえ。足を悪くした時で御座います」

そうだったかなぁ。なんて秋に揺れる柳のようにさらりと返す。

社の改装を機に気質に従ってふらりと旅に。『暫く参拝者に着いて、願いを叶えに行きます。日頃の感謝、願い事はきちんと聞いてるので、此処に残しといてね』と風の気配で感じた。そうして全てが終わった後に、またふらりと舞い戻られた。故、此処でお会いするのは初めてだった。

この末社の主、耐冬花(たいとうか)様は、真上からじっと此方を見下ろしになる。顔の細部までしっかりと観察したあと、閃いた様に手を叩いた。

「風邪引いたの?」

「ええ。つい先日喉の痛みから。それが移って鼻へ」

鼻声故に自分の声じゃないみたいだった。張りのないくぐもった声。何とも気持ち悪く、思わず口を引き結んでしまう。

その様子を暫く眺めた後、静かなしっとりとした声で、囁くように仰った。

「すぐに良くなるよ。渡すのは俺からじゃ無いけど。だってほら、神様だからそのまま渡せないんだよね。縁は紡いであげる」

「有難う存じます」

お辞儀をすると、ただ慰める様に優しく風が撫でた。


そうして良くなるどころか鼻ずまりが酷くなり、このままじゃ喉の痛みがぶり返す様に思われた夜。必死に鼻をかんでいると、無口な母から小さな白箱を渡された。

「はい」

「これは何?」

平たい白い箱。何の文字も、手柄も書いてない。左右に振るとカサカサとした音が聞こえてくる。クッキーであろうか?

落雁(らくがん)

かぱりと箱を開けると、順序よく並べられた正方形の硬い菓子と対面する。

『渡すのは俺からじゃないけど』その言葉の意味を、今、理解した。飄々としている様に見えて、気遣って戴いたのだと知った。

耐冬花様もモデルになった神様がいらっしゃいます。


行く先々で社が改装中だったのですが、最近終了しました。

全貌が見えて嬉しく思います。

元々、足の神様、道祖を司る神様なので、きっと改装中は誰かに着いていたんだろうという想像。

旅好き故に風来坊だと思ってます。


この耐冬花様のモデルとなった神様の麦焦がしに触れると、無病息災になるそうで。

今の私が欲しい( ˙꒳˙ )


飄々としている様で、ちゃんと見てるよ〜?

こういうの好きなの知ってるんだよ〜?

というところがきっとあると思います。




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