黒（歴史）の勇者　〜異世界への転移特典が厨二病時代に書いた架空の魔術書だった件〜

運動・勉強ともに優秀かつ人望もそれなりにある高校生の前園錬樹は放課後、日々の充実ぶりに満足しながら一人帰路についていた。しかし、突如として現れた不思議な光に飲み込まれたことで、異世界へと迷い込んでしまう。そして、その元凶となるクーロと名乗った魔女風の少女の勧誘を受けて天災級の魔獣討伐に乗り気になる……までは良かったのだが、異世界転移の定番とも言える転移特典を授かることになるも、いざ特典として手渡された“それ”は錬樹の忌むべき黒歴史そのものであり、その集大成とも称すべき『禁忌魔術大全』。つまりは、厨二病時代に錬樹が一年かけて作り上げた空想の魔術を綴った手帳だったのである。