第一話 「とても不自然な導入」
「そんなのありかよ」
セミさえ燃え上がりそうなほど暑い高校1年の夏。僕は部室で、嬉しいような、恥ずかしいような、悲しいような複雑な気持ちになりながら天を仰いだ。
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遡る事約1週間ほど前。
日本独特の蒸し蒸しとした夏に、うるさいほど鳴くセミ達の声を聞きながら、僕は文化祭に向けて脳筋ハーフイケメンこと久遠ルークと一緒に作品を制作していた。
「セイヤ。エアコンつけようぜ」
「馬鹿か、ルーク。そんなことしたら部費がぶっ飛ぶわ」
「でもよ、たくさん稼いでるじゃねえか」
「あれは部費じゃねえって。文のポケットマネーになるの」
「まじかよ」
「まじよ」
「わぁっとっと。あぶねー。てか、いつから居たんだシホさんよ」
「部費の話あたりから居たわ」
「まじかよ。全然気づかなかったわー」
美少女言語学者の琴ノ葉志帆の登場にルークはお化けでも見たかのように驚いた。
....いや、ほんといつから居たんだよ。
「深條君。ソラくん、どこにいるか知らないかな」
「空兎なら、今実験を見に行ってるはずだけど」
「そうなの」
「彼氏さん取られて悲しいねぇ」
「ええ、実に悲しいですよ、ルーク。君の命がここまでなんて」
「戻ってたんだな。後、ルークは煽るな」
「ソラトは、怒んねえのかよ」
今、現れたのはよくショタ科学者とルークに馬鹿にされる加賀空兎で、はちゃめちゃな天才である。
さあ、ここまで3人ほどパパッと紹介したが、この3人と僕、そしてもう一人を合わせた5人で異世界部という部をやっている。そんなこんなでガヤガヤやってると噂をすれば、なんとやら。
「すみません。もう始めてますか」
「まだ、始めたばかりだよ。文」
「やっぱり、有名高校生作家は忙しいのね」
「そんな、私全然有名じゃないですよ」
「やっぱり、女の子同士の戯れはいいよな。なっ、ソラト」
「手は出さないでくださいよ」
「出すわけないだろ。俺は獣ナーだって知ってんだろ」
「はいはい」
驚きの真実(知ってた)が発覚したところで、君達に紹介しておこう。有名高校生作家の夏目文、彼女が最後の部員だ。ああ、一応僕が部長をしてるんだけど、まあ関係ないから気にしなくてもいいよ。
オチが思いつかないから言わせてもらおう。
次回予告!
こうして集まった異世界部の部員達。
空兎から告げられた衝撃の実験結果とは
次回第二話
「そんなのありかよ」
次回もゼッテー見てくれよ。
他の作品は、上手く回収します