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[コント]患者とドクター

作者: 朝風清涼

先生「では次の方!受付番号7番の方、診察室にどうぞ!」


おばあさん「先生、今日はよろしくお願いします…私、今日が検査日だと知ってからは毎日が怖くて怖くて…私、本当に大丈夫なんでしょうか?」


先生「その心配を取り除く為の検査ですよ、悪いところが見つかればちゃんと治療も出来ますからね!」


おばあさん「本当によろしくお願いしますね、先生!私、もう怖くて怖くて…まだまだ生きたいんです!」


先生「分かっていますよ、では本日は採血をし血糖値を測ってから胸のエコー、そして胃カメラと検査を進めていきますが、ちゃんと朝ごはんは抜いてきていますね?」


おばあさん「はい♪先生が朝ごはんを抜けと言われたので今日はパンにしました!」


先生「看護師さん!!!!!今日の検査は中止!また来週にします!」


おばあさん「どうしてですか?私、検査が中止になるほど身体が悪いのですか?私、もう怖くて怖くて…」


先生「あなたの理解力のほうが怖いですよ!私は別にお米を食べるな!とは言っていません、朝食を抜いてくださいと言いました!いいですか?来週は絶対に朝食を抜いてきて下さいね!!」


<ナレーション>「そして次の週…」


おばあさん「先生、あれから検査が延びてもう、私!怖くて怖くて…早く検査をお願いします!」


先生「分かっています!今日はちゃんと僕が言った通りご飯もパンも抜いてきたでしょうね?」


おばあさん「はい、先週帰りに看護師さんからも念を押されましたので今日はご飯もパンも食べておりません!」


先生「よかった、何かを食べてしまうと正しい血液の検査が出来ないですからね…」


おばあさん「ですので、ここに来るバスの中でお腹が空いて飴玉を舐めてきました…」


先生「看護師さん!!!!!今日の検査は中止!また来週にします!」


おばあさん「どうしてですか?私、検査が中止になるほど身体が悪いのですか?私、もう怖くて怖くて…」


先生「それ先週も言ってましたよね?たく、どう言えば理解してくれるんだ?…あのね!検査の日は口に食べ物を入れないで!水かお茶だけにしてください!糖分のある果物も絶対にダメ!!いいですね?では、また来週に来てください!」


<ナレーション>「さらに次の週…」


おばあさん「先生、あれから検査が延びてもう、私!怖くて怖くて…いつもは8時には寝ているのに、先週からは9時にならないと寝れなくなっているのです!…でも、朝は同じ5時に目が覚めてしまうんです!!あぁ、絶対にこの身体のどこかが悪いはずです!!早く、早く検査をお願いします!」


先生「は~い……睡眠はたっぷり取れてるみたいですね!普通怖かったらもっと眠れませんよね~~」


おばあさん「先生、あれから検査が延びてもう、私!怖くて怖くて…今日こそ検査をお願いします!」


先生「それも先週言ってましたよね~、これも全部あなたが悪いんですよ!」


おばあさん「そんなに私は悪いんですか?あと何年生きられるんですか???」


先生「その意味じゃない!!あなた人の言ってる事何も理解していな~い!!まず、今日こそご飯もパンも食べてきてないですね?」


おばあさん「はい、ちゃんと先生の言いつけを忘れないように冷蔵庫に紙で貼っておきました」


先生「ここに来る途中、飴玉も舐めてませんね?…」


おばあさん「あれから、飴を買うのは止めました!」


先生「いいですよ!では、最後の質問です!今朝はお茶かお水の摂取だけでここに来られましたね?」


おばあさん「先生!私を馬鹿にしないでくださいよ!ちゃ~んとお茶飲んできました!孫の抹茶オーレ!まぁ~勝手に飲んだもんだから、孫が怒って、怒って…<ばぁば、嫌い!>なんて言われてしまって…」


先生「それもダメ!!抹茶オーレもダメ!!」


おばあさん「でも、ちゃんと<茶>の文字が入ってましたよ!先生、お茶か水って言うてましたやん!私、先生の言う事ちゃんと守ったのに怒るとは先生は患者の扱いが下手ですな~」


先生「あなたにだけは言われたくありません!!私だってあなたと話してると段々血圧が上がってきますよ!!!」


おばあさん「そりゃ大変ですな~!!!、早く病院に行って診てもらってください」


おわり


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