雪仁お兄ちゃんのお誕生日
お誕生日おめでとう
今日は雪仁お兄ちゃんのお誕生日です!おじ様とパパとママと一緒にお誕生日パーティーの準備をしています。
おじ様とパパは折り紙とか風船を使って部屋の飾り付けをして、クラッカーとかの準備をしています。
私とママはお料理やケーキの準備をしています。毎年やっているけど、ケーキの飾り付けは緊張するなぁ。今年もちゃんと出来るかな?
「うーん、いい匂いだねぇ」
「おじ様!もう準備出来たの?」
「流石に毎年やってれば手馴れたものだよ」
「あらあら、パパったらつまみ食いにきたのかしら?」
「いやだなぁ、ママ。味見しにきただけだよ」
「もー!パパったら!味見はしたから大丈夫!雪仁お兄ちゃんが来るまで待ってて!」
私がそういうとしゅーんとしたパパ。そんな顔してもダメだよ。今日の主役は雪仁お兄ちゃんなんだから!
「あとはケーキの飾り付けだけみたいだねぇ」
「美味しそうなケーキだなぁ」
「もっと美味しそうなケーキにするから待ってて!」
緊張の瞬間。ホイップとイチゴとチョコレートで飾り付け。う、上手く出来るよね?大丈夫だよね?…うん!出来た!我ながら美味しそう!
「あ!これなら雪仁君も喜びそうだね」
「桜も大分手馴れてきたわねぇ」
「まあ雪仁なら桜ちゃんの手料理ならなんでも喜びそうだけどね」
そ、そうかなぁ。ふふ。嬉しいなぁ。
「ただいまー」
雪仁お兄ちゃんが帰ってきた!みんなで扉の前でクラッカーを準備…3…2…1…今だ!
パーン
「雪仁お兄ちゃん、お誕生日おめでとう!」
「雪仁君、お誕生日おめでとう!」
「雪仁君、お誕生日おめでとう」
「雪仁、お誕生日おめでとう」
「…え、あ、え、今日誕生日だっけ…?あ、ありがとう」
あー!また雪仁お兄ちゃん自分の誕生日忘れてるー!もー、雪仁お兄ちゃんってばそういうところ無頓着なんだから!私の誕生日は忘れないくせにー!
「もー!自分の誕生日忘れちゃダメだよー!」
「ごめんごめん、でもお祝いありがとう」
私の頭を撫でてくれた雪仁お兄ちゃん。そんなことで誤魔化されないぞー!
「雪仁お兄ちゃん!」
「まあまあ、俺の誕生日なんだから、な?」
「…むー」
「ふふふ。二人はいつも仲良しねぇ」
「パパはちょっと寂しいなぁ」
「まあまあ、うちの雪仁なら安心して任せられるだろ。どこかの馬の骨に奪われるよりマシだって」
「そうだけどさぁ」
「それよりほら、ここ座って!」
雪仁お兄ちゃんをお誕生日席に座らせる。ロウソクに火をつけて、部屋の電気を消してバースデーソングを歌う。
「ハッピーバースデートゥーユー」
「ハッピーバースデートゥーユー」
「ハッピーバースデーディア雪仁君」
「ハッピーバースデートゥーユー」
「雪仁お兄ちゃんおめでとう!」
「ありがとう。桜、父さん、おじさん、おばさん」
ふー、と雪仁お兄ちゃんがロウソクの火を消す。電気をつけなおす。
「今日のお料理とケーキはママと私の手作りだよ!いっぱい食べてね!」
「!桜の手作り!食べる食べる!」
「雪仁君、おじさん達の分も残しておいてね」
「いくら桜ちゃんの手料理だからって食べ過ぎたらダメだよ」
「あらあら、大丈夫よ。たくさん作ったからパパと冬野さんの分もあるわよ」
「雪仁お兄ちゃん、誕生日プレゼントもあるよー」
「!なに?」
「じゃーん!雪仁お兄ちゃんの欲しがってた時計ー!」
「え、これ凄く高いやつだろう?どうしたんだ?」
「お年玉貯金を使ったの!嬉しい?」
「そっか…ありがとう、桜。凄く嬉しい」
ぎゅー、と抱きしめてくれる雪仁お兄ちゃん。照れちゃうよー。
「あらあら、一応私達も用意してきたんだけど…」
「桜ちゃんのプレゼントには敵わないだろうなぁ」
「桜はすごいなぁ。雪仁君を喜ばせる天才だ」
その後、雪仁お兄ちゃんのお誕生日パーティーは無事に終わりました。雪仁お兄ちゃん、今年も凄く喜んでくれて良かったです。
桜からのお祝いがなによりのプレゼント