雪仁お兄ちゃんの意地悪
雪仁お兄ちゃんは狡い
「パパー!ママー!おじ様ー!ただいまー!合格したよー!」
「おお、それは良かった!」
「まあ!やっぱり雪仁君に勉強をみてもらって正解だったわね!」
「いやー、不合格慰めパーティーにならなくてよかったよかった」
「あ、パパひどーい!」
軽口を叩きながら席に着く。すでにお祝いパーティーの準備は出来ていた。
「わー!お肉だー!」
「うん、今日は黒毛和牛食べ放題だよ。いっぱい食べてね」
「やったー!」
「よかったな、桜」
ちょっと乱暴に頭を撫でてくれる雪仁お兄ちゃん。ふふふ。今日は遠慮なく食べまくっちゃうぞー!
「じゃあ早速いただきます!」
「いただきます」
「いただきます」
「いただきます」
「いただきます」
早速黒毛和牛に手を伸ばす。口に入れるとお肉がどんどん解けていき、あっという間になくなってしまった。これが…高級肉の旨味…!
「すごーい!美味しーい!」
「桜、口にソースついてる」
ぺろり、と、口元についていたソースを舐め取られる。
「ゆ、雪仁お兄ちゃん!?」
「あらまあ」
「お熱いことで」
「さ、桜ー!」
「ふふ。たまには積極的にならないと、許婚だってこと忘れられそうだからな」
悪戯っぽく笑い、ウィンクしてくる雪仁お兄ちゃん。雪仁お兄ちゃんはいつも余裕があって狡い!
「も、もう!雪仁お兄ちゃんの意地悪ー!」
「はは。桜は可愛いな」
この後やけになってたくさんお肉を食べたけど、全然味がわからなくなっちゃいました。雪仁お兄ちゃんの意地悪ー!
桜は翻弄されっぱなし