別れそして出合い.2
次の日の午前中、いつものようにおばあちゃんの畑仕事の手伝いをしていると、見知らぬ一人の女性が村にやって来た。
ちょっと仕事をサボりたかったので女性に声をかけてみようと近づくと
「お願いします。たすけてください!」
必死の形相で俺の顔を見ながら言ってくる女性。
「落ち着いてください!どうしたのですか?」
俺はとりあえず落ち着かせて話を聞こうとしたが女性は助けてください!としかいってこない。
「どうしようかな、とりあえずわかりました。けど、事情の説明をしなければ助けません。」
「本当ですか?本当にありがとうございます!」
といいながら女性はそのままその場所で説明をはじめた。
女性の言いたいことをまとめると、盗賊に村の金銭類を奪われて、この女性を含め4人の女性をむりやり連れて行かれた。盗賊のアジトに着くと無理矢理襲われそうになったが、裸になった男の股間を蹴り上げてなんとか脱出できたそうだ。
「なるほど、要するにその盗賊から守って欲しいわけだ!」
「そうです、どうかお願いします。」
「しかし、逃げてこられたのだからあなたがどこにいったかわかんないんじゃないの?」
普通に考えたらそう思ったのでとりあえず質問してみた。
「奴らの中に探索の祝福を受けたやつがいて、多分そいつに見つかる!」
「なるほど、まさか盗賊に祝福持ちがいるとは…」
それなら見つかるかもしれない。祝福持ちの精度はかなりあるのが相場だ。
「わかりました。では俺の部屋に隠れてください。ベッドのしたに隠れるスペースがあるので。」妹と遊びでつくったものだけど、なかなかわからないようにできてると思う。あれなら絶対安全だと思う。
「こっちだ、ついてきな」
と俺はいいつ、女を案内した。中に入ると妹が出迎えてくれると思ったんだが、妹はゆっくり昼寝をしていたので、起こさないように俺の部屋に入った。そのあとは女に隠れ方を説明したんだが、説明が終わった途端隠れてしまった。もう少し話したかったんだが…
そう思いつつもまたおばあちゃんの手伝いに戻ったのだった。
祝福:人が生まれながらに神から与えられる能力。しかし、なかなか持っている人は少なくだいたい1000人に1人程度である。