12.女の戦場へ
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いつものように気高く、それであって豪華なパーティ。
そのパーティに政界を揺るがす程の変化が起こったのだ。
何と王子様がパートナーに身内以外の女性を連れていたのだ。
誰か分からないが、華美な飾りはないものの清廉さを感じる。
甘すぎず、かつ年頃の娘の色気を兼ね備えた檸檬色のドレス。
緑の葉の刺繍に檸檬の花の白や桃の色が映える。
さらには来ている者自身にも目を奪われるのだ。
化粧をした顔は派手ではないが、思わず見てしまうほどの魅力がある。
…だが、何より驚くのは王子がエスコートしていることだ。
「王子様がエスコートされているのは誰だ?ついに婚約者を決められたのか?」
「相手は誰だ?あんな年頃の娘はいたか?異国の姫でも娶るのか?」
等とひそひそと噂している。
顔も普通に出していたのに、というか、挨拶したことがある人も噂している。
化粧の腕が凄いというのも分かるが、何気に酷い話である。
ただカトリーヌが呆れるのはそれだけではなかった。
なるべく秘密を知るのは少ない方が良い。
といって、化粧したのは王子自らである。
一度も化粧したことがないのに、見たことがあると言って、王子が化粧をすると聞いた時、頭は大丈夫かと不安になった。
だが実際は女顔負けの腕前である。
何でもできるというのは噂ではなかったらしい。
むしろ、ここまできると恐ろしい。
嫌なものに目をつけられたと文句を垂れたいところだ。
後こうして、人前に出ているのも性に合わない。
何とか顔だけは繕っているが、愛想なんぞ振りまく気はない。
考えていたらいつのまにか歩みが遅くなっていたようだ。
王子がキラキラの笑顔を向けてきた。
…誤解されるから、切実にやめてほしいです。
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