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松井ランド  作者: 針音
1/4

松井ランド その1

2作目の投稿となります。

前作の泣ける話とはガラリと変わり、実体験に基づく全編コメディです。


相変わらずさくっと読めることに重点を置いてますので細かい描写は脳内補完でお願いします。

これは、ひょんな事から警察沙汰にまで発展した事件の話だ。


中学校卒業間近のとある日のこと、

3年の3学期となるとほとんど進路も決まり、

授業もなく自習ばかりで退屈だった。

私も例に漏れずノートに「自分王国」なる小説を書いて退屈な時を過ごしていると、

学級委員の松井君が私にこんなことを言ってきた。


「なぁ、退屈だしカビ育てようぜ」


ああ…


やはり中学生に時間を与えてはいけないのだ。

私の学校はやたら課題が多く部活も強制入部だった。


先生…。正解です。


一番おかしくなる時期に時間を与えてはいけない。

奴らは給食にプリンが出るだけでテンションが上がる生き物なのだ。

そんな生き物を野放しにするのは大変危険だ。

もっとしがらみを増やすべきなのだ。


現に中二になってすぐにダビスタ(ダービースタリオン)にハマった横峰君は、学校に来なくなった。


中二でAVを持っていたのが親に見つかり、成績の著しい低下と併せて説教を受けた楠枝君は、

彼曰く、


「もうキレた」


らしく、家族がいても居間で堂々とAVを観賞するようになった。


そんなクレイジーはさておき、突然カビを育成すると言い出した松井君。

彼は学級委員で成績も優秀な男なのだが、ちょっとアレな子なのだ。


あれは小学5年生の頃、

ジャージっ子だった松井君は音楽室でジャージを脱がされた。

小学生ならよくある話だ。


しかし松井君はそれだけでは終わらない男。

次の日、


「もう絶対に脱がされない!ダメ!ゼッタイ!」


と、ジャージにベルトを巻いて登校して来たのだ。

その日から松井君は一目置かれる男となり、

あだ名も「馬」から「馬ヅラ」にランクアップした。


そんな男から持ちかけられた話なら断るワケにはいかない。

なぜなら面白いからだ。

アレな子がアレ行動する時は大概面白いことが起こる。


それがまさかあんなことになるなんて…


というワケでカビを育てる羽目になったのだが、

インターネットもない当時、カビが発生する条件がわからない。

ついでに言うとなぜ松井君はカビを育てたいのかもわからない。

家庭環境でも悪いのだろうか?


二人で話し合った結果、必要なのは食べ物と湿気という結論に達し、

早速給食のときに皿を2個ほど拝借。

そして皿にごはん(食べ物)を盛り、それに牛乳(湿気)を掛けたものをしばらく放置してみることにした。


問題は保管場所だったが、幸いにも卒業間近で部活が終わってるので、

テニスラケットを入れるロッカーを使わせてもらうことにした。


これで条件は全て揃った。

あとはカビるのを待つだけだ。


それから毎日楽しみに観察していた私と松井君だが、

3日程経ってもカビは生えない。

困った二人はここで暴走することとなる。


つーかもう少し待てよ。


いつまでも成果を見せない実験材料に痺れを切らした松井君は、

彼曰く、


「もうキレた」


らしく、

その日から狂気のマッド・サイエンティストへと変貌するのだった。


つづく

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