表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編の詰め合わせ

ドライブ

作者: 月夜野出雲

フィクションですので、ご了承下さい。

 どうも、始めまして。スズキって言います。


 えっ?「急に出てきて誰なんだ!」って?まぁ、僕も実は戸惑ってるんですよ。だって急に呼ばれて、みなさんの前で喋れって言われまして。

 とりあえず、僕の経験を喋れって、知り合いに言われたんで、聞いていただこうかな?と思います。


 あれは、いつだったかな?確かだいぶ前の・・・お盆休み位の時、友人達と遊びに行った時の話なんですが・・・


 自分と友人3人の計4人で、全員男なんですが、その当時唯一車を持っていたAのコンパクトカーで、日帰り旅行したんです。それで、日も暮れて地元へ帰る時に、行きとは違うAが知っている近道を通ることになったんです。


 それで、その道に入る交差点を曲がると、助手席のBが「おい!こっち通るのかよ!」って、焦ったように言い出したんです。後ろに乗ってる僕とCは、頭の中で(?)ってなったんですよ。

 この当時は僕、電車通勤だったんで知らなかったんですが、なんでもBによると、この道は事故多発で有名な峠道だそうで、あんまり言いたくないんですが、重傷とか・・・死亡事故が多いらしいんですよ。


 僕は(やだなぁ・・・)って思ったんですが、Aは気にならないどころか、「大丈夫だって!時々通ってるけど事故ってねぇしよ!平気平気!」と言って、Cは「Aが事故って無いんだから大丈夫だって!ビビりだなぁBは!アハハ!」と気にしてないどころか、Aに「行け行けぇ!」って煽る始末。

 終いにはBは「知らないからな!?」と、ふてくされてしまったんです。


 峠道に入って少しすると完全に暗くなり、対向する車もなく、Aはライトを上目にして走らせていたんです。

 僕は(良くこんな寂しい道走れるなぁ?普段は1人でって言ってたけど、僕には無理だよなぁ)って思っていると、頂上位の所に少し開けたようになった場所に出たので、Aは「休憩しようや!」と、車を適当に、役所だか何かの廃墟の前に止めたんです。 Bは、「俺は絶対に降りないからな!」とドアに鍵をかけたんです。


 AとCはそれを見て、笑いながら車から降りたんです。

 僕も疲れもあって、降りて伸びをしようと、シートベルトを外していると、「おい、スズキ。」って声をかけられたんです。顔を見ると強張ってて、汗もかいているんです。

 どうしたのかな?って思ってると、「絶対に降りるな。降りるのなら、あの建物には近付くな。」って言われて、僕はビビりですから、「お、おぅ。」としか言えなかったんです。


 5分位するとAが戻ってきて自分のカバンを漁った後、また外にいるCの所に行って、壊れた正面玄関らしき場所から入って行っちゃったんです。

(あ~・・・はいってっちゃったよ~)って思ってると、Bもそれを見ていたらしく「あんのバカ共!知らねーぞ!!」って声を荒らげたんです。で、よく見るとBが震えてるんですよ。


 どうしたのかな?って声をかけようとすると、外から光が見えたので見てみると、建物の中からライトの明かりが見えてるんですが、激しく動いてるんですよ。

 何かあったのかな?って思ってると、すぐに辺りに響き渡るくらいの大きな声が聞こえて、AとCが走って飛び出してきたんです。


 慌てて車内に入ったAは、Cがまだドアを閉めていないのに、車を走らせ始めたんです。

 僕は慌ててCのズボンのベルトを掴んで、落ちないようにすると、Cはやっと扉を閉めて、シートベルトを震えながら着けようとしてるんです。

 けど、なかなか着けられず、僕も手伝ってやっと着けられたんです。


 Cはもう、完全にパニック状態で、「ガキが!ガキがいたんだよ!血塗れで!」って。

 僕は、「怪我してる子供置いてきたの!戻って手当てしなきゃ!」って言うと、Aが「バカヤロー!!天井や壁を歩くガキ共が普通の人間かよ!?」って。

 結局、AもCも揃って「2度と行かない」と、麓に着くまでそれしか言いませんでした。

 僕もあまりの恐怖に、何も言えなくなってしまいました。

 その後、僕とBは家が近所なので一緒に降りて、すぐに帰宅したんです。


 翌朝テレビをつけると、車がグチャグチャになって崖下で見つかった、とニュースになっていて、AとCの名前も出てたんです、死亡って。

 嘘だろ!?って思ったんですが、ちょっと見えたナンバープレートは、見間違えようもなくAの車だって証拠でした。

 直後、電話が鳴って出てみるとBからで、AとCが事故に遭ったの知ってるか?って内容でした。

 別れた直後にBの所にCからメールがあって、「Aのスマホ知らないか?」って。「分からない」と返信したら、「戻るしかないのかぁ」と来て、それっきりだったそうです。


 数日後、Bに呼び出されて、僕からあの時の話をすると、実はBの会社の先輩達が同じ様にその廃墟、小児専門病院だったんですが、肝試しに行くと行って事故に遭ってしまったそうです。

 それも、何組かだそうで、ほとんどが重傷か死亡だったそうです。

 僕はそれを聞いて怖かったですよ。



 だって



 あの時、2人が乗って少し経ったとき、視線を感じてルームミラー見て、何も言えなくなったんです。



 AとCの腕に血塗れの子供達がしがみついてるの、見えたんですから

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 小説読み上げアプリ「ことせかい」で聞きました。 臨場感があり、怖かったです。 AとC、そっち行っちゃダメっ、と思いながら聞いてました。 フィクションで安心しました!
[一言]  葵枝燕と申します。  『ドライブ』、拝読しました。  最後の最後に、「ほんとにあった怖い話」みたいな結末で……ヒィッってなりました。廃墟というか心霊スポットはほんと、軽い気持ちで行くなよっ…
[良い点] 少しゾッとしました。 [気になる点] 頑張れば読み取れないこともないですが、主語や目的語が抜けてる箇所が多くて何が起きてるかわかりにくいかったです。
2016/12/01 23:55 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ