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5話 ちょっとムラムラ

やっと主人公の名前が出ます。

「おいぃ!! ちょっ! 待ってまってマッテ!!!! 何で捕まってんの? 何故に!?」

「うっせーぞ、何でってお前さんがこんなモノ持ってるからだろ」


そう言って見せてきたのはガリバーのおっさんから預かった像。え? 俺ってその像の所為で捕まったのか?

信じられないといった顔をしていた俺に対して衛兵が声を掛けてくる。


「お前さんが何でこんなのを持ってるか知らねーけどよ。流石に神像を持ってたら捕まるさ。ここタンブラーは教会が取り仕切ってるからよぅ」

「いやいや、知らねーよ! 俺は届け物を頼まれただけで神像とかその辺は何も知らないんだって! 」


そう言った瞬間、背を向けていたおっさんが此方を振り返った……と思ったら俺の首元に剣が添えられてた。思わず口をパクパクさせるが、冷や汗がぶわっと出て足が止まる。


「坊主、教会に行った事が無いなんて嘘はついちゃいけねぇ。いけねぇよなぁ。それとも何か?坊主はその年で未だ(ジョブ)を付けてないとでも言うつもりか?」


反論したいが声が出ない。瞬き一つ出来やしない。


「何なら虚言罪でオメーを戦場にでも連れて行こうか? 今なら近くでドンパチやってるからよぉ。いい具合に死ねるかもしれねぇぞ?」


おっさんが「ん?」と言いながら件を喉に触れさせる。一層溢れる冷や汗に思わず固唾を呑む。

すると途端におっさんの顔が笑みに変わり、目にも留まらぬ速度で剣を鞘に収める。


「っしゃ! コレでおめーも嘘付いたらどうなるか分かっただろ? チャキチャキ知ってる事吐き出して身軽になれ」


恐怖で思考出来なくなった俺はソレまでの事を洗いざらいおっさんにぶちまける事にした。




「だから! 言ったじゃんか!! 知らん間に戦場の真っ只中に突っ立ってて逃げ出した村でソレを預かったっつーの! もっと言えば飯食わして貰った代わりにソレを預かったんだよ!!」


先ほどから何度も交わしているやりとり。というか本当の事だからこれ以上の事なんて何もないのだ。

それに納得のいかないおっさんはネチネチと俺に同じ質問を投げかける。


「幾らなんでもそりゃお人よし過ぎるだろ~。坊主、素直に話せって。素直に話した分速く終わるんだからよ」

「何で信じないかな~、本当の事だからこれ以上何を言えば納得するんだよコンチクショウ!」


捕まってから3時間位話し続けて正直喉が渇いたし、歩き詰めだから休みたい。


「もう牢屋で良いから休ませてくれよ、喉も乾いてるししんどいわ」

「……まあ水位なら良いけどよ」


そういっておっさんから水を貰う。すると意外なことに氷入りの水が出てきた。

ファンタジーな世界と思っていたので温い水が出てくると思っていたのでビックリ。実は結構文明が進んでる感じなのか?

そうやって俺が驚いているとおっさんが笑い出して氷を知らないのかと聞いてくる。ちょっとムカついたので知っとるわ!と反論すると更に笑う。

直ぐに牢屋に案内して貰ってその日はそのまま眠りに付く。何だかんだとドタバタしたが疲れていたのもあって硬くても寝床があり、雨風も防げる、敵に襲われないという安心感からぐっすり眠った翌日。

牢屋から出され、今日もまた事情聴取かなんて思っていると昨日とは別の部屋に通されて一人ぽつんと椅子に座らされた。何をされるんだと一人思いながら振り分けてなかったスキルPがある事を思い出し、スキルの確認をしていると扉が叩かれた。

思わず返事をすると扉が開き女の子と昨日のおっさんが入ってくる。混乱した頭で思わず誰?と問いかけると女の子が何やら勢い良く謝りはじめてますます混乱する。

どうやら話を聞くと昨日俺が言ってた事がどこまで事実かを確認する為に衛兵さん達は聞き込みをしたそうで、その中で行き当たったのが目の前の女性。お名前はミューズさん。

そう、ガリバーさんの話に出てきた女性だ……うん、大人の女性をイメージしていたからまさか女の子と思ってなかったので大分混乱している。


で、衛兵のおっさん込みで色々話が進むと昨日俺が行ってた事が事実と判明。そこから所持していた象とか手紙をミューズさんに渡して事実確認をし俺の無罪放免が確定。

但し身元引き受けが必要らしく困っていた所にミューズさんが引き受けてくれたと。理不尽な対応に衛兵のおっさんに対して睨みながら愚痴をネチネチ言ってやった。

最後の方はおっさん逆ギレ気味に文句言ってたから何かしら復讐してやると心に決めたところでミューズさんに連れられて留置所から出る。

一先ずミューズさんの働いているギルドへ行くんだとか。彼女の後に着いて歩いているが……本当に小さい。多分身長150センチも無いだろう。

話を聞くと彼女は親子で暮らしており3人姉妹の次女でギルドの安全課って所に勤めてるとか。背は低いが成人しておりゆったりとして服装で肩まで露出している服なのだが……うなじが妙に色っぽい。


「どうかしました?」


ミューズさんに不意打ち気味に問いかけられて慌てるも、それを表に出さないように勤める。


「いいえ、そういえばギルドで身分証作って貰えるって話ですたが……でしたが、お金ってかかります?」


思わず噛んでしまったのを無理矢理無視して話を進める。それが面白かったのかミューズさんはくすくす笑いながら返事をしてくれた。


「ええと、銀貨1枚で登録出来ますよ。身分証扱いのカードを作るのには別途登録料金が銀貨2枚ですね。お金は大丈夫ですか?」


ガリバーさんに貰った小袋を開けて確認……そこそこ入ってるから問題ないかな。袋の口を閉めて懐へ終う。

問題ないとジェスチャーで伝えるとくすくすと笑う、その姿が妙に艶があるというか……いかんな、昔から背の低い女性というのは加護欲を刺激される。

妙な欲が頭を擡げるのを頭を振って思考を変える。


ガリバーさんと何故出合ったのか、会ってからダンブラーへ来るまで苦労した事を話したり、逆に町に関して色々聞いて見たりしながらギルドへ向けて歩く。

体感で30分位歩いた所でギルドに到着。そのまま中へ進むと居るわ居るわ。武装した人人人。

そんな中、ミューズさんの後を付いていくと金髪のグラマラスなお姉さんの居る受付前。


「お姉ちゃん、この人の登録とカードの作成お願いね」

「あらミューズ、あんたが男連れてくるって珍しいわね。彼氏?」


どうやらこのバインバインのお姉さんはミューズさんのお姉さんらしい。本気で姉妹か?


「もー、この人ガリバー叔父さんから荷物と手紙を預かって此処まで歩いてきたけど、荷物の所為で衛兵さんに捕まっちゃったのよ。名前は……そういえば聞いてなかった」


受付のバインバイン姉さんがズッコケる。そういや名前名乗って無いや。


「ガリバー叔父さんも相変わらずっちゃ相変わらずだけど、アンタもアンタで抜けてるわねーミューズ」

「何それー」


ミューズさんや、頬を膨らませて抗議するっつーのは狙ってるんですか?

まあいいやとバインバイン姉さんが俺に向けて手招きをするのでソレに従って前へ出る。


「えーっと、初めまして」

「はい、初めまして。ここ『総合ギルド受付』へようこそ。取りあえずギルド利用の登録とカードの作成で良いの?」

「えっと……そうですね、それで大丈夫です」


そう言うとお姉さんは用紙とペンを渡してくる。


「文字書ける? 無理なら代筆するけど」


見た感じ日本語と変わらないので「大丈夫です」と伝えて用紙に記入していく。それを横から見ていたミューズさんが俺の名前を見て聞いてきた。


「コレ、何て読むの?」

「え? ああ、そういやちゃんと名乗って無かったですよね。改めて、海星 渉(かいせい わたる)です。よろしく」






■現在のステータス

レベル:2⇒6


体力10 ⇒ 25

精神3 ⇒ 5

筋力8 ⇒ 10

頑強8 ⇒ 10

器用5 ⇒ 8

速度8 ⇒ 20

知識3 ⇒ 5

幸運3 ⇒ 5


生命力107 ⇒ 260

精神力34 ⇒ 56

技力84 ⇒ 197

攻撃力42 ⇒ 53

守備力41 ⇒ 52

魔法攻撃力18 ⇒ 29

魔法防御力19 ⇒ 38

命中32 ⇒ 60

魔法命中22 ⇒ 36

回避37 ⇒ 89

攻撃速度1.2 ⇒ 0.5

移動速度36 ⇒ 80


■現在のスキル

残りスキルポイント:10


『インベントリ開放1/5』

メニューのインベントリが開放される

物を最大30品目まで収納出来る(1品につき99個)

※レベルによって収納可能な数が変化


『スキル:マップ精製3/5』

メニューのマップが開放される

周囲の地形を正確に把握出来る(半径250メートル)

※レベルによって範囲等が変化


『EPS開放1/?』

「超能力(回転)」の覚醒

自分の触れた物を回転させ、自由に操る事が出来る(操作可能範囲10メートル)

消費精神力:3

※レベルによって様々な変化が起こる


『スキル:足軽(10/10)』

移動速度にボーナス(移動速度50%向上)

※レベルによって上昇率変化


『スキル:緊急離脱5/5』

逃走時に限り使用可能

一瞬でその場から逃げることが出来る(半径500メートル以内に瞬間移動)

消費精神力:24

※レベルによって移動範囲と消費量が変化

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