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プロローグ

冒頭は飯沼と吉崎君です

 俺たちは昔の仲間を捨てた。力に屈したのだ。

 ただの裏切りだ。あれだけ羽賀に罵声を浴びせといて、自分が離反するとはな、宇田と酒を飲むと、そうやって卑下するんだ。

 そういや、羽賀に会ったよ。こんなに近くにいたなんてな。詫びを入れるにしても、あれはもう羽賀じゃねえもんな。

 さて、あいつらと会うのもそろそろだな・・・


 司たちが消えてから7年がたった。魁人たちは見つかったようなもんだ。だが、欠けた仲間は揃わない。飾森が死んで、それまで協力的だった奴らまでその場を去った。それでも安否が分からなかった吹雪鬼とヤスが戻って来たことにうれしかった。が、葬式のときにヤスに何があったのかと聞いた。ヤスは司たちと同じ目にあった。話を聞けば何か分かることもあるのではないかと思っていたが、ヤスは教えてくれなかった。俺たちに協力するのも嫌だと言わんばかりに・・・

 このとき、リーダーの俺に一つの連絡が来た。アメリカに帰った辻井からだった。健ちゃんを通した形ではあったものの、気になることを教えてくれた。

 その内容は、これまでの歴史だ。江舞寺とその敵、永久の月の忌むべき争いの記憶。それを第三者である他国から見た光景。俺はそれを聞き、江舞寺に対する恐怖と、同時に俺たちがしようとしていることの計り知れない危険度、そして自分たちの無力さまで感じた。本当に自分たちは魁人の役に立てるのか、敵に目を付けられたら俺たちは生き残れるのか、今まで考えないようにしていたことまで、すべてが脳裏を貫く。こんな無駄な事をして何になるのだと、そう思っていた。

 健ちゃんはこれを聞いてなお、判断を俺に任せた。俺はこのことを他の者にはまだ告げるべきではないと言った。俺たち三人で伏せるべきだと、そう言ったのだ。健ちゃんをはじめ、俺たちを止めようとしている辻井がどういった行動をとるか俺には分からないが、健ちゃんが何とかしてくれるだろう。

 そういえば、柚紀がもうすぐ奴らの尻尾を掴めるとかなんとか言っていたが、さっきの話を聞く限り、早めに止めた方がいい気がしたが、あいつは執念深い。まず無理だな。それにあいつなら何とかできるだろう。そう思っている。だからそんなに心配していない俺がいる。そうだな、まず俺のできることはうまい具合に仲間を危険から切り離そう。今更、無茶は控えろと言うのも変な話だからな。願わくば、もう誰も欠けないでほしい。俺はそう思っていた。


切れてしまった絆

吉崎君が知ったことは何だったんでしょうね

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