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酔狂領主様の怪奇譚  作者: 七色春日
第一章 さまよう魔獣
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-3-

 村の中で一際大きな村長の家の応接間に通されると、中央に鎮座している革張りの長椅子に四人は腰掛けた。


 椅子の間のテーブルにはスモークされた豚肉と注文どおりのワインの瓶。その瓶の古さからして熟成させられた代物だ。アクネロは相好を崩し、ワインをミスリルに注がせ、グラスを傾けながら足を組んだ。


 対面に座る村長は暗い面持ちで事情を切り出した。


「一ヶ月前のことです。酷い嵐の夜でした。地に穴を開けんばかりの雨脚のために地すべりが起こったのです。その際、我が村の収入源である銀鉱山に繋がる橋が崩れ、運悪く馬車で道を通っていた四人が事故死しました。最初に村の自警団が彼らを救出しようと頑張りましたが、結果は(かんば)しくありませんでした。

 やがて街の役人達が訪れ、照合して商人の貨物馬車だったことが判明しました。いずれも商人でありましたが、一人だけ魔術師がおりました。聞くところによれば腕利きの魔術師であったようです。ここまでなら真に気の毒な話でありますが、一週間もした頃でしょうか、見たことも聞いたこともない魔獣が現れるようになりました。うろつくだけで人に害も与えることもなく、奇妙な形をした魔獣です。気味の悪い話ではありませんでしたが、恐れもあって無害ならばと放置していたのが過ちだったのでしょう。ここ最近、人が倒れるようになりました。

 高熱を出し、腹を壊し、身体は重くなり、吐き気やめまい、痙攣までも起こすのです。そこで我らは魔獣を退治と試みましたが、どういうわけか倒しても倒しても切りがないのです。時間と共に苦しむ者が増え、最早手の打ちようもなく、ほとほとに困り果てたわけでございます」


 語り終えると村長は俯き加減で銀製のグラスを手に取り、中の水を一気にあおって喉に流し込んだ。


 急に訪れた身に覚えのない不幸を呪う老人を体現している。


「領主様、どうか力添えをして頂けませんか」


「いい部屋だな。こんな大きな熊を仕留めたのか?」


 アクネロはするりとかわして部屋の調度品に目を向けた。


 壁に木杭で打ち込まれている飾られている頭付きの灰色熊の毛皮、飾り棚には真鍮や陶製の花瓶が並び、壁と天井の境目付近の油絵は沖合いに出ている漁師達が投網をしている躍動感のある構図で描かれている。


 話が逸らされて村長はやや狼狽(ろうばい)し、もう一度深く呼吸をしたがアクネロは独り言のように続けた。


「このグラスは美しい。金属細工が盛んな村なのだな」


 窓から流れてくる陽光に反射する銀の輝き。グラスをテーブルから少し離して浮かべて傾ける。その賞賛に村長は顔を(ほころ)ばせた。


「今までは鉱山から出たものを出荷するだけでしたが、それではやれ土がついてる、石の重みがありすぎるなどいわれて買い叩かれてしまうことが多く、最近では細工品を作って売ることにしたのです。村の者なら皆、良い物を作ろうと幼きから年寄りまで励んでおります」


「いい考えではあるな。さてイーリス・ドケイン君。お前は死んだ魔術師の呪詛であると言ったな。どうしてそう思った?」


「ええ、と、その」


「手紙を出したのは君だろう。理由を話さねば解決できんぞ」


 叱咤され、緊張気味だったイーリスはすぅと息を吸い込むと瞳に力を込めた。


「はい。失礼しました。事故に遭ったのは我が結社の幹部でもあるのです。監査部員でございましたが、もう一歩のところで委員にて昇格するところでしたので、この事故をさぞかし悔しく思っているでしょう」


「諸君らの序列にはまったく興味はないが、世を(はかな)む理由はあったわけだな」


「はい。精霊召還術や氷術を得意としておりました」


「その魔術師の最後の魔術によって魔獣が生まれていると考えるわけか、だが、その理屈は魔術の作法によれば矛盾するだろう」


「おっしゃる通りでございます。永遠に続く召還法など確立されておりません。今まで八匹ほど異形の魔獣を倒しましたが絶える気配はありません。死した魔術師が魔術を放ち続けることも間違いなく不可能です。術者がいなければ魔力がどこからも供給されないはずです」


「ならばなぜ死んだ魔術師の呪詛だと思う? 矛盾しているはずだ」


「それは確かにそうなのですが、毒を撒き散らすほどの魔獣を作れるのは魔術師だけで。この近辺には私と死んだ彼以外に魔術師は居ませんから、そうとしか考えられないのです」


「間違いなくか?」


「その点は間違いありません」


 はっきりと断言されたものの、アクネロは頬杖をついてつまらなそうな顔でイーリスを眺めた。


 その若さと活力は銀製のグラスよりも強く輝いている。“しみ”がない。立ち止まって考え、何かを疑うことが苦手そうだ。


「では、現れたのはどんな魔獣だった?」


「ツルツルの皮膚を持つものかと思えば蛇のような鱗だらけであったり、手も足の本数もばらばらで、目も口もおかしなところについておりました。体組織はどれもでたらめで、意味をなさずについているような器官ばかりでした」


「共通点はないのか?」


「そうですね。必ず夜になると現れることや……たまにですが、『失敗した。失敗した』等と喋りながら森をさまようことものもいるくらいです。まるで魔獣が自らの意思で生まれ、その姿を呪っているようでした。それか、推測ですが……」


「どんな意見でも聞こう」


 ためらったので、促した。イーリスは下唇を噛んだ。空いた手が魔術師のローブを握り締める。


「やはり死んだ魔術師が強く悔やんでいたことによるせいだと思います。同僚から聞いた話ですが、商人の護衛役を引き受けたものの……彼の性格は口下手で、酷く内向的だったのです。それゆえに報酬金をねぎられていたそうです」


「だから仕事を引き受けて『失敗した』か」


「はい。今のところどうして魔獣が発生するのか、なぜ村に害をなすのか、どういった毒なのかも不明です」


「ふむ……なるほど。ありがとうドケイン君。大体の事情はわかった」


 アクネロは頬を撫で付けると、首を捻って応接間をぐるりとまた見回した。


 その内の一点、壁にかけられている釣竿で視線を止めた。手入れが行き届いているために工芸品のように真新しく、使っていないように見えるがその下の釣具用と思われる小箱が実用品であることと告げていた。


「村長。そこの釣竿を貸して貰えるかな?」


「え、あ、構いませんが」


「のんびりと釣りがしたくなった。ブナやウグイでも釣るかな」


 先ほどの大事はなかったかのように両腕を伸ばし、屈伸をするとアクネロは壁にかけられた釣竿に歩み寄って掴んだ。


 しゃがみ込んで傍にあった小箱から釣り糸や針を取り出して吟味する。


 それまで黙っていたミスリルは椅子から跳ね飛ぶように立ち上がった。


「あ、あ、アクネロ様。皆さんが困ってらっしゃるのですよ。のんびりと釣りなどは後にしましょう」


「皆さんは困っているだろうが、俺は別に困ってなどいない」


「な、何かご不満でもありましたでしょうか」


 村長も必死な形相で立ち上がり、弁解するように小さく両手を広げた。


 特に気にした様子もなくアクネロは廊下側に向かって歩き出そうとしていた。


「いいや、特にない。俺は釣りがしたいんだ。まさか、俺のやることに邪魔立てする気か?」


「滅相もございません。ただ、その」


 困惑しながらもごもごと歯切れの悪く言いよどむ。


「事情は聞いた。俺に相応しい宿を用意しておけ。これは命令だ」


 ミスリルがついて行こうと一歩足を踏み出したので、アクネロは手で制した。


「お前が俺を大好きなのは知っているが、たまには一人にしてくれ。どうしても寂しいなら窓から見えるあの木に抱きついておけ。彼の名前はシュガーメープルだ。なんと甘い蜜を出す。俺は甘い言葉しか出せないから正直な話、ちょっと嫉妬する」


「……ええと」


 板張り床に足音が響き、開閉音が鳴る。アクネロは迷いなく外界へ出て行った。


 残されたミスリルは椅子に腰掛けて深く頭を垂れた。


「すいません」


「いえ、こちらがお頼みする立場ですから……領主様にお会いしたのは初めですが、あんなにお若いとは思いませんでした」


 村長が気を遣って慰めの言葉を出した。未だに戸惑いが残っている風でもあった。


「何か考えがあるの? なんていうかあたし達魔術師よりも変わってるんだけど……」


 砕けた口調になったイーリスは愚痴るようにいった。


 ミスリルと同じ年頃であったのでやや気安く思ったのかもしれない。


 肩肘を張っていたのが大きく緩み、両足が投げ出された。緊張から開放されて見るからに姿勢は崩れた。


「アクネロ様には奇行癖がございまして……私もお仕えしてまだ一年なので、よくわからないのですが」


「アンタは領主様のコレ?」


 イーリスが小指を立てたので、ミスリルは両手を突き出してぶんぶん首を左右に振った。


「いいえ、いいえ、とんでもございません。わっ、私などそのような者には!」


「そ。でも、ずっと傍に置くくらい親密なんでしょ」


「それはまあ、そうですが……」


 指摘されて、今までの日々を回想した。


 アクネロの関係はそこまで濃いというわけではない。基本的に屋敷の清掃や身の回りの世話ばかりして、話し相手になるくらいだった。


 なぜか使用人はミスリルの他におらず、その形跡は残ってはいたがどうして居なくなったのかは知らないし、教えてもくれなかった。


 庭園についてもほぼ自然のままで放置されており、ミスリルの趣味の家庭菜園があるくらいだ。機会を見て手入れしたいが急ぐ必要もないといわれている。


 考えてみれば引退した老貴族に仕えているような仕事内容でぼんやり一日を過ごすこともある。


 強いて辛いとするならば夏のアイロンがけと馬の世話くらいか。


 もう少し時間が与えられればもっと大変なことも思いついただろうが、イーリスが真面目な顔になって懇願してきたのでミスリルの外方向にずれた思考は終わった。


「できれば、領主様にアンタからもお願いしてくれない? この村は本当に大変なのよ」


「それは勿論です」


「ありがと。じゃあお礼に魔術見せてあげよっか?」


「え、いいんですか。はい。是非是非、拝見したいです」


 ミスリルは声を弾ませた。


 魔術という奇跡は花火を見ることに似ていると考えていた。


 どちらも彼女にとって物珍しく美しいものだった。






 ★ ☆ ★








 

 山間を繋ぐ橋の下には緩やかな流れの川が流れていた。


 深みでなければ川底に横たわる葉や水草がくっきりと見え、水面は光に反射してきらきらと輝いている。


 釣竿を肩に抱えたアクネロは欄干(らんかん)を拳でこんこんと叩きながら、橋の真ん中の飾り板に掘られた文様を見つめた。


 全長は八メートルほどの小ぶりの橋。主材料は木材だったが、青銅で補強されているせいか造りがしっかりして、ささやかながら手すりもきっちりと測量してあるのがわかる。


 X字型の橋脚も重心が見事に配分され、一定間隔で設置されていた。橋が崩れぬように、と飾り板に刻まれた精霊の姿は制作者の祈りを込められているようだった。


 川辺の小岩が散らばったくぼ地には魚を獲るためか罠を仕掛けている男がいた。


 野良着姿で、肩幅があり厳しい顔つきで熊のようにのっそりと動いている。


 砂利音を立てながらアクネロは橋を回り込んで移動し、川縁を歩いてその男に近づき声をかけた。


「やあ」


「なんだ兄さん。随分(ずいぶん)と立派ななりじゃねえか」


「俺はアクネロ・ブラドヒート辺境伯だ。いわゆる領主様だ」


 胡乱(うろん)な目で見つめられ、アクネロはにこやかに自己紹介したものの、にべもなく顔を逸らされる。


「馬鹿いうな。領主様がこんなところに来るはずがねえ」


「ほう、なぜそう思う?」


「いいか、領主様ってのはな。一番の権力者だ。その上に家が建てられるくらい馬鹿でかい机に腰掛けて、人に指示を飛ばして自分はふんぞり返っている。何をするにも他人に任せた方が失敗しても人のせいにできるし、誰かが成功したら自分が独り占めできる。俺だったらそうする」


「なるほど。素晴らしい考え方だ。実に理に適っている」


 感心して唸るアクネロに気を良くしたのか、男はわざわざ手を止めて振り向き、内緒話をするように指を一本立てた。


「それにな。こんな僻地(へきち)の怪物がうろつく村には絶対に来ない。いつうつるかわかんねえ病もはびこってるんだぜ。俺だったら間違いなく見てみぬふりするね。それが一番だ」


「一分も隙がない完璧な理論だ。ああ、なんてことだ……とんでもない嘘をついたりしてすまなかった。実は俺は旅芸人なんだ。だからこんな大それた格好してるんだ。こんなもの俺も着たくないんだがな」


「そうか。今度はもうちょっと捻るんだな。っていうか、これ結構良い生地だな。すげえ、さらさらじゃねえか」


 アクネロの開いた襟元を掴んで手触りに驚き、物珍しそうに親指で擦る。


 しばらくそのままにさせ、アクネロは一歩後ろに足を運んで上手に手を離させた。


「ああ、ショーのために虚勢を張るのが仕事だからね。見栄えも気にするんだ。川の水と同じく空気も冷たくなってきた季節だが、鉱山夫さんは水に入っての魚獲りとは大変だな」


「なんで俺が鉱山夫とわかる?」


「指先と筋肉のつき方だ。筋肉は肩と腰周りが分厚い。川で漁をして生計を立てているだけではまずそんな身体はできん。毎日毎日、それこそ石のように重い物を運ばねばならん。爪先も後遺症なのか青く染まっている」


「そういうショーしてんのか?」


 腕組しながら再び警戒心を表したが、アクネロはやや屈んで斜めに首を傾けた。


「奥さんもいるのか。いや、大変だな。病気になってしまったのか、それでその日の口を凌ごうと魚を獲ってるのか」


「なんで俺に病気の女房がいると思う?」


「シャツの繕いだな。ツギだらけだが縫い針の運びが妙で同じ色の生地をうまく使っている。裁縫師がやったみたいにできるのはいつも裁縫をしている女だけだ。家庭を持っているということになる。それにそのシャツは安物だし、わざわざ店に出すわけがない。そして他の女にやらせるようなものでもない。肌に近い場所だからな。何よりも――」


「なんだよ」


 アクネロは片目を閉じた。


「洗髪料が女物だ。甘い果実の匂いがする。気が狂ってない限り男はそんなもの使わん」


「そんなに臭うかな……病気にかかったってのは?」


「ズボンだ。膝の辺りかな。そこは自分でやったのか? 取れかかってるし、雑だ。身だしなみを見てくれる女が正常に働いていないことを示している。まあ、こっちは病が流行ってるから順当な考え方だな」


 だらり、と男は両手を垂らしてしげしげとアクネロの顔を見る。涼しげな目元は微動だにしていなかった。


 ぶしつけな視線を終わらせるためにアクネロはにっこりと大きく笑った。


「お前さん、変わってるな」


「よく言われる。景気はどうだ?」


「あんま良くねえな。鉱山が土砂崩れで行きにくくなっちまったし、今年の春頃から村で色々作るようになったからそっちに励んではみたんだが……この騒ぎだ。あったけえ屋内で、鉱山やってねえ皆も仕事できるようにしようとした結果なんだがな」


「鉱山は崩落の恐れもあるし、炉の仕事は暑いがこの寒い時期にはいいだろうな」


「加工も結構うまくやれてたんだが、病気さえなければもっと効率あがってたぜ」


「それで村の工場なんだが今日はどこにも煙が立ってなかった。見学しようと思ってそれらしき建物をちらりと見たが人気がなかった。休業か?」


「今日は休みなんだ。病人も出てきたし、あんまり働きすぎんのもよくねえしな」


「残念だ……ところで、加工にはやはり柔らかい銀を使ったのか?」


「ああ、よく知ってるじゃねえか。冶金師(やきんし)のところに出稼ぎに行った奴が覚えてきたんだ」


 男が腕組みしてしみじみと呟き清流を見つめた。


 アクネロもならって腕組して同じ方向を見る。


「魔術師のイーリスも当てにならねえし、病気のせいで村から出て行こうとしてる奴もちらほらいるみたいなんだ。俺も街に出稼ぎに行くか」


「そうか。街はいいぞ。美しい女も沢山いるし、うまい酒も豊富にあるし、楽な仕事もあって金儲けもしやすい」


「ああ、いいだろうな。だけど村には思い入れもあるし、病気にかかってる女房を治してくれてんのはイーリスだ。それに俺の一家が村の豚を集めて飼ってるんだよ。いわゆる責任者って奴だ。責任者、わかるか?」


「わかるとも。大変だな責任ある立場というのは。俺にはさっぱりわからん。ということはあそこの木立の向こう、豚小屋のある立派な家に住んでいるのだな? 中心地から離れていて良かったじゃないか。嫉妬されるぞ」


 アクネロは背後を振り返って指差した。松林の向こう側に柵を持った敷地の広い二階建ての家があった。


 鉱山夫は照れ臭そうに口髭を人指し指でしきりに撫でる。


「まあ、家畜は臭いがあるから仕方ねえのさ。大工や細工師の連中もばらついてんな」


「得てして、職人とは気難しいものが多いものだからな。ところであの橋は村の男衆で作ったのか?」


「おうとも。きちんとしていい出来だろ。裏道だから結構利用する奴がいるんだよ。たまーに馬車が通る時には皆で集まって通行料せしめてやるのに使ってる」


「おお、合理的な金の稼ぎ方だな。刃向かう奴は川に落としてやれ」


「当然だ。儲かってはいるが村全体は貧乏だからな。ちょっと良いことあったと思ったらすぐ悪いことが起きやがる」


「ほう、良いこととは?」


「まあ、あれだよ。川の恵みってやつだ。コレコレ」


 男は指で輪を作り、開いては閉じた。


 アクネロは察して頷いた。うまくやったな、という顔つきで頬を緩める。


「ところで、噂の崩れた橋は上流にあるのか?」


「ああ、でもまだ土砂はあんま退けてないし、もう何も残っちゃいねえぞ」


 やや警戒感を含めた声にすり替わったのでアクネロは片目を閉じてウィンクした。釣竿で揺らし、それで右肩をぽんぽん叩く真似をする。


「いや、魚が集まってないかと思ってな。土の養分が流れ込んでるだろうしな」


「なるほど」


 アクネロは身を翻し、鉱山夫に背中を向けた。


 ゆったりと足取りで周辺の岩壁を見たり、立ち止まって思案したりしながら川沿いを移動した。










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