第二話 情報収集
遅くなりました。
さて、俺が転生してから7年が経った。あれから、色々分かった事がある。
まず、ここが異世界だった事。
それから、俺が神だった事だ。
神だった事も驚きだが、異世界というのも驚きだ。異世界って存在したのかと思った。
まぁ、目の前で無から火を生み出しているを見ちゃったらね。信じるしか無いじゃん。
3歳ぐらいになってからは色々見て回ったり、学んだりしてきた。おかげでこの異世界について色々分かった。
まず、この世界はインフィニティアという名前らしい。無数の宇宙が重なった、所謂多次元宇宙という物らしい。
正直、多次元宇宙と言われてもよく分からないが、取り敢えず凄いというのが分かった。
と、俺がこの世界についてまとめていると、母の声が一階から聞こえてきた。
「ノアちゃーん!朝ご飯出来たわよー!」
「分かったー!」
俺は元気良く返事をして、一階へ降りる。
ノアというのは俺の名前だ。
ノア・アークライト
それが俺の名前だ。
光沢のある黒髪のミディアムヘア、身長は128cmぐらい、透き通る様な青い瞳をしている。
俺が一階へ降りるとキッチンに立つ母の姿とソファでゆっくりしている父の姿が見えた。
母の名はアレクシア・アークライト。
一つに束ねた腰まで伸びる艶やかな黒髪、ほっそりしつつも女性的な体付き、宝石の様な銀色の瞳が特徴の美人だ。
黒のセーターに白いロングスカートを履いている
父の名はユリウス・アークライト。
光沢のある銀色のショートヘア。
細身ながら、しっかりと鍛えられた身体。
知性を感じられる深い青の瞳が特徴のイケメンで、黒いシャツの上に青い幾何学模様が入ったロングコートを羽織り、白いスーツパンツを履いている。
二人とも優しくて、俺の自慢の両親だ。
「ノアか。おはよう。」
「おはよう。父さん。」
父さんは言葉に出す事は少ないが、いつも俺の事を気に掛けてくれている。母さんは逆に天真爛漫でいつも俺に世話を焼いている。
父さんも食卓に並び、続いて俺と母さんが並び、三人で手を合わせた。
「「「いただきます。」」」
朝食はトーストに牛乳という何ともまぁ、現代風な物だ。
(まさか、異世界に来てまで、朝食にトースト食べるとは思わなかったな。)
内心そう呟きながら、トーストをかじる。
絶妙に焦げたトーストから漂う香ばしい匂いがノアの鼻腔をくすぐり、トーストの表面はサクッと小気味よい音を立てて弾け、中は驚くほどふんわり、モチモチとした弾力が口腔を満たした。
(うーん!これがたまらん!やっぱ母さんが作る料理はどれも美味しいんだよなぁ。)
俺がトーストで幸せいっぱいになりながら、トーストを貪り、あっという間に食べ終わってしまった。
「もう食べ終わっちゃったのノアちゃん?あんな一心不乱に食べてもらってお母さん嬉しいわぁ。」
俺の食べっぷりを見て、母さんがしみじみ呟くのを見て、なんだか恥ずかしくなった。
「い、行ってきまーす!」
恥ずかしなった俺はそそくさと席を立ち、遊びに行った。
「行ってらっしゃーい。気をつけてねー。」
「おう、行ってらっしゃい。」
二人の声を受けて俺は外に出た。
外に出ると草っぽい匂いと微かに香る花の匂いが俺を落ち着けてくれた。
周りは大理石の様な家々が立ち並び、さながら住宅街の様相を醸し出している。
(ふー。さて、外に出たけど何をしようか。)
俺が玄関で物思いに耽っていると遠くから俺を呼ぶ声が聞こえた。
「あ!ノアじゃない!ノアー!」
目を向けると赤毛の少女が笑顔で俺に走って近付いている所だった。
「クレナ!」
俺は嬉しそうな声を上げながら名前を呼んだ。
クレナ・アウゼント、7歳。
腰まで伸ばした濃い赤毛、燃える様な真紅の瞳、少し日焼けした肌、すっと整った鼻、明るく快活した笑顔が特徴の少女だ。白いワンピースを着ている。
俺の幼馴染だ。
「ノア!今日も遊ぼー!」
クレナは俺に駆け寄ると、キラキラした目を向けてくる。
クレナはいつも俺と一緒に遊んでいる。他にも同年代の子達もいるはずなのにクレナは俺と二人で遊ぶ事にこだわる。
クレナに聞いても少し顔を赤くしながら「だって二人が良いから…………。」と曖昧な返事をする。
「うん。遊ぼっか。」
「やったー!じゃあ、ノアの魔法見せてよ!」
「いいよー。」
俺は気の抜ける返事をしながら、クレナの後をついて行く。
さっきクレナが言ったが、この世界には魔法が有って、俺はその魔法を使える。まだ凄いのは使えないが、使ってみたい物だ。
魔法は基本的に火・水・風・地・空・光・闇の7つの属性で構成されており、7大属性と呼ばれている。そこから派生した物やこの7つの属性が進化した物がある。
俺は火・空・風・光の属性が使える。
7大属性全て使える者は神でも少ないが、俺みたいに4つの属性を使える者は一定数いるらしい。
「ノアは凄いよね。属性魔法4つも使えるなんて!」
そういってクレナはニコッと微笑む。
真正面から褒められるのは少しこそばゆいが悪い気はしない。
「うん。ありがと。」
俺は微笑みながらそう返す。
その後も話している内に家の近くの森にたどり着いた。
いつもここで魔法の練習をしている。
「じゃあ、始めるよ。」
「うん!」
クレナが元気良く返事したのを聞いて魔法を発動する。
『火炎!』
魔法は魔力と呼ばれる力で魔法陣を展開する事で発動する。
手のひらに魔法陣を展開し、そこから炎が噴き出す。
「ふぁぁ……………しゅごい。」
クレナが俺が出した炎に見とれている。
いつもやっているのに毎回見とれているのは何なんだと思いつつ、炎の勢いや大きさの調整の練習していく。
魔法は発動した後でもある程度操作出来るのだか、これが中々難しい。勢いを落としすぎると炎は消えてしまうし、かといって強すぎると暴発してしまう。
本来この魔法は炎を射出して攻撃する所謂攻撃魔法なのだか、森でそんな事をしたら大惨事になるので調整だけ行なっていく。
「きゃっ、凄い凄い!」
目まぐるしく変わっていく炎を見て歓声を上げるクレナ。
そんなクレナを横目に俺は練習を続けていく。
体感的には10分ほど経った所で俺は『火炎』を解除した。
長時間の魔法発動はいくら初級でも疲れるからね。
この世界の魔法は初級・中級・上級・天級・神級の5つに分けられている。
神級にもなると、神でも使えるのはほんのひと握りだけだ。
(今更だけど、神級って名前なのに神で使える奴は全然いないんだな。)
俺が一人苦笑しているとクレナが責める様な声で詰め寄ってきた。
「ええー!もう、やめちゃうの!まだ、見たかったのにー。」
「あはは、ごめんねクレナ。」
クレナはむーと頰を膨らませているが、それすらも愛嬌が有って可愛い。
(今だけ、幼女を可愛いという奴の気持ちが分かる気がするぜ!)
俺はクレナを宥める為に優しく頭を撫でる。
「ごめんねクレナ。でも魔法は魔力をいっぱい使うんだ。」
「ふん!私は魔力なんてほとんど無いから分かんなーい。」
そういってクレナはそっぽを向いてしまう。クレナ本人が言っていた通り彼女は魔力がほとんど無い。
魔力量は生まれ付きのいわば才能なので、俺にはどうしようも出来ない。
ちなみに俺は魔力量はかなり多い方らしい。
(うーん。今日は中々機嫌が直らないなぁ。)
いつもより強情なクレナの機嫌を直す為に俺は話題を変える。
「そ、そういえばもうずく鑑定の儀じゃない!」
やべ、声上擦っていたかな…………。
「あ、そうだねー。もうすぐ鑑定の儀!ノア!ここで私がノアより良い能力だって分かれば、私がお姉ちゃんポジションだからね!」
ビシッと俺を指差しながら、そう言うクレナ。
鑑定の儀というのは7歳の子供が受ける儀式でそこで正式な魔力量と固有能力が分かる。
固有能力はまぁ簡単に言えば特殊能力だ。
固有能力は100人に1人はいるらしく、当たり外れはあるらしいが持っている人は多いらしい。
「まだ、おれ俺もクレナも固有能力があるとは限らないじゃないか?」
「うんん、私とノアは絶対にある!」
「何で言い切れるの?」
「勘!」
「ええ………。」
堂々と勘と言い切ったクレナに俺は困惑した声を上げる。
そんな胸張って言われたら否定しづらいじゃないか。
「あぁ、時間って早くならないの?早く鑑定の儀したい!」
「あはは………。」
こうして時は流れ…………鑑定の儀が行われる日となった。




