2人目 王女
カランカラン
「ルーシィ!ここなの?!あの変や湿布を買ったお店は!」
「そ、そうですけどなんでついてくるんですか?!」
店を開けて早々迷惑客かよぉ…と思いつつ聞き覚えのある声の方に向いてみると…
「そんなのどんな悪質な店か確かめに来たに決まってるでしょ!って、あなたがこの店の店長さん?娘になんてものを買わしているのですか?!」
「待って!待ってください!誤解です!今コーヒー淹れてるんで一回飲んで落ち着いてください!」
*
「へぇ…そんな店なのね…」
よかった…あの後自分で飲もうとしていたコーヒーをあげて落ち着いてから事情を説明したらわかってくれた。
「あと、質問なんですけど娘さんの名前ルーシィって言うんですね。素敵な名前です。」
「ちょっと…!店長さん!」
「でしょー?!」
待ってくれルーシィさん…今は王女様の機嫌を取らないと俺の首がなくなってしまう!
「あ、ごめんなさい。私ったら、名前も名乗らずに声を荒げてしまって…私はこの国の第4代目の王女、アリクシア・ミナです。」
「待ってください頭を上げてください!私の自己紹介がしにくいです!」
「あら、ごめんなさい。」
「えっと、私はこの店を営むマルス・ロールです。この件はなんと言えばいいのでしょうか…娘さんに変なものをおすすめしてしまい、すみませんでした…」
「いえいえいえ、そんなことないですよ。
それよりこれすごいですね。どうやって動いてるのかさっぱりわからない。」
「まあスライムなので私にもよくわからないんですけどね。」
「あの、これ以外にもこうゆう品ってあるのですか?買ってみたいのですが…」
「もちろんあります!えっと…」
ガサゴソ…
「これとかどうですか?」
「それは…盾ですか?」
「そうです。えっと、「この世界に縛られたい人いるぅ?いねぇよなぁ!縛られないようにする道具作ったぞぉ!魔物も人も寄せ付けない!オーガの鎧の匂いを大事に込めた最高の一品!」とのことです。」
「またロールさん他己紹介みたいなのしてるよ…」
「えっと…それはどのようなものなんですか?紹介文の癖が強すぎてよくわからないんですけど…」
「これはオーガの鎧を使った盾で、独特の匂いがします!臭いです!人も魔物も寄せ付けません!しかし!使用者は好きに匂いを変えれる!けど他の人は臭いまま!てな感じです。」
「護衛用ということですね…けど匂いなんてしませんけど…」
「それは布に包まれてるからですよ。…解いてみます?」
「ぜひ…」
シュルルル
その瞬間、明らかにやばい色をした煙が出てきて一瞬にして店を覆った。
「ゲホッゲホッ…これ、やばいですよロールさん!
ゲホッ」
「ルーシィ…!窓開けてっゲホッ」
(やばい今僕が使用者だから臭くないのか…)
「っ!一回布かけます??」
「今すぐ!かけて!」
「…しょっと」
「ゲホッ…はぁ…死ぬかと思った…」
「オーガってこんなに臭いのね…けど…護衛用にはピッタリね。今度傭兵に罰するときから嗅がせたらいいかも。」
「…どうします?お買い上げになりますか?」
「えぇ。そうするわ。」
「えっと、7800円です。」
「どうぞ。お釣りはいらないわ」
「おぉ1万円札…」
「他にもいろんなものがあるんでしょ?面白かったしまた来ますわ。」
「本当ですか?!ありがとうございます!」
「いいのよ。じゃあ、ルーシィ。帰るわよ」
「うぅ…わかっったぁー。」
スライムマッサージ機使ってんのかあれ…
おもろ…
2人はスタスタと去っていった。
ちなみに、実際に傭兵が居眠りしていた刑罰としてこれを嗅がしたらしいのだが、臭すぎて王女が住んでる宮殿の外まで匂いが充満してしまい、苦情が絶えなかったと言う。これ僕のせいか?