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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

悲劇の館

作者: motty

殺人事件なので心臓が悪い方は読まれないほうがいいかもしれません。

ある夜、永川はいつも通り会社から家に帰ってきた。

家に帰っても永川を迎える者などいない。

「ただいま~。」

誰もいない玄関に永川は言った。

棚から一つカップ麺を手に取り、お湯を注ぎ3分待ち、啜っていた時

突然、玄関のチャイムが鳴った。

12時30分…誰だこんな時間に?

そう思いながら玄関に通じる受話器を取った。

「どちら様ですか?」

「郵便です。」

郵便?

永川は首をかしげた。

誰からだ?

不思議に思いながら郵便を受け取った。

差出人は書いておらず後ろに永川 康彦様と書かれていた。

開けてみると1通の手紙が入っていた。

拝啓

永川 泰彦様

突然のお手紙にさぞ驚いていることでしょう。

あなたにある謎を解いて欲しいのです。

よろしくお願いします。

                       敬具

と書かれていた。

そして住所が書かれた紙が封筒から落ちた。

それを拾い上げた後永川は椅子に座りどうしようかと考えた。

考えた末行く事を決心した。

次の日、上司から休暇をもらい住所を頼りにその場所へと向かった。

着いたところは山の中にある奇麗な館だった。

館の前に一人の執事が立っていた。

「永川様、お待ちしておりました。」

「あなたは?」

「私は、執事の木村と申します。

中へどうぞ。」

「はい。」

木村に案内され永川は、館の中に入っていった。

中はとても広く、右端と左端に2階へと続く階段が設けられており、

天井には、大きなシャンデリアが吊るされていた。

「綺麗な館ですね。」

「そうですか?

この館は築120年でございます。」

「120年!!」

「はい。」

「そうですか…。

しかし、私は、どうして謎を解くためにここに呼ばれたのかも謎も分からないのですが…」

「それは、私にも分かりません。

旦那様が決めた事ですから…。」

「そうですか…」

「では、今から部屋のほうに案内させていただきます。」

「有難うございます。」

2人は2階へと上がった。

部屋は、左右4部屋づつ計8つあり永川の部屋は、右の奥から2つ目だった。

「では、これから食事の用意がありますので失礼します。」

木村は部屋を出て行った。

永川は、部屋を見回した。

目の前には、ベッドがあり右にはタンスがあった。

左は窓があり窓からは、広い庭を臨む事ができる。

タンスには、何も入っていなかったので持ってきた衣類等を入れた。

そして、ベッドに横に寝転んだところドアを誰かがノックした。

いたのは木村だった。

「永川様、食事の用意ができました。」

「分かりました。」

木村についていくと部屋に長い8人掛けの長机が置いてあり机の上には木村が用意したと思われる皿とナイフとフォークが置いてあった。

「他の人は?」

「旦那様の奥様達は今からお呼びするつもりです。」

「館の主人は?」

「旦那様は、体が御不自由なので別の部屋で食事なさいます。」

「そうですか。」

「しばし、お待ちください。」

「分かりました。」

木村は、部屋を出て行った。

10分後、木村は戻ってきたが、様子がおかしかった。

「何かあったのですか?」

「奥様達から返事が無く中から鍵がかかっているので中に入ることができないんです。」

「困りましたね…私も行きましょう。」

「申し訳ありません。」

「いいえ。」

2人はまず左奥の部屋の奥様…和代の部屋へと向かった。

「奥様!

木村です。

部屋を開けてください。」

和代から返事がない。

「仕方がない。

ドアを破りましょう。」

「そうですね。」

2人は、ドアに突進した。

ドアが倒れ中に入ることができた。

部屋の中は異様な光景だった。

和代は、鈍器のような物で頭を数回殴られて死んでいた。

そばに落ちていたに血が付いていたので凶器はブロンズ製の西洋の伝説に出てくるガーゴイルをかたどった置物だと思われる。

そして、壁中が血で真っ赤になっていた。

「何があったんだ?」

「そんな…奥様。

はっ!!」

木村は隣の部屋をたたき始めた。

「重三様!

この部屋をお開け下さい。

木村でございます。」

「のけっ!」

木村が退いた瞬間永川は、部屋を突き破った。

長男の重三は、胸をナイフで一突きさされナイフが刺さったまま仰向けで死んでいた。

その表情は、まるで鬼の形相を見ているようだった。

「まさかっ…。」

木村と永川は次々と部屋を開けていった。

重三の隣の部屋…三女の紫音が首をナイフで切られて死んでいた。

そして、紫音の隣の部屋にいた次男の竜也が、頭を斧で割られて死んでいた。

永川の部屋の右の部屋で長女の沙耶香が首を絞められて死んでいた。

永川の左の部屋の次女の紀子が首を絞められて死んでいた。

そして次の部屋には何もなかった。

「この部屋は?」

「私の部屋です―――。」

「どうして開けたのですか?」

「犯人がいるかもしれないと思ったからです。」

「なるほど…」

永川は、感心した。

結局、犯人を見つける事ができなかった。

「誰がこんな事を…。」

木村は、泣き出した。

「ほかに残っている方がたは?」

「私と永川様と旦那様のみでございます。」

「そうですか。

犯人はこの中にいるか、あるいは別にいるのかどちらかになる。」

「そんな…私ではありません。」

「あくまで推測であってあなたが犯人と言ってません。

とりあえず、警察を呼びましょう。」

「はい。」

永川は、電話しようとしたが携帯の電波は、圏外だった。

一方、木村は館にある電話に向かって行ったがすぐに戻ってきた。

「どうしました?」

「回線が切られてました。」

「やられましたね。」

「どうしましょう…。」

「仕方がありません。

我々が頑張って犯人を見つけるしかありませんね。」

「はい。」

「まずは、手掛かりを見つけましょう。」

2人は、2階へと上がった。

まずは、和代の部屋。

壁中に血が塗りたくられている以外は特に何もなかった。

その隣、重三の部屋は荒らされた形跡はなく重三が倒れているだけである。

「次だ。」

永川が紫音の部屋に行こうとした時だった。

永川は、ふと廊下の奥を見ると和代の部屋に誰かが入ろうとしているのが見えた。

「待てっ!!」

永川は、和代の部屋に入ったが誰もいなかった。

「見間違えたのか?」

永川は、部屋を出て廊下の壁を見た…。

「!?」

和代の部屋の隣は真っ暗であり、道があるのかもわからない。

そこから細い腕が出ていた。

「お前か!」

永川は腕を掴み引っ張った。

「捕まえ…。

!?」

永川は、腕を離した。

ゴトッ

ひじから下が床に落ちた。

なんと、ひじから下が無かったのだ。

よく見るとそれは子供の腕だった。

「木村さん、この館に子供はいましたか?」

「存じておりません。」

「じゃあこれは…。」

もう一度永川は、腕を拾い上げた。

見た目は、小学校の高学年ぐらいのようだ。

永川がそう思った時だった。

「私の腕を返して…。」

「えっ。」

振り向くと小さな女の子が立っていた。

「私の腕を返して…。」

もう一度永川に言った。

「この腕かい?」

「そう、その腕…それを使って何かするの?」

「何もしないよ、はい。」

永川は、女の子に腕を渡そうとしたが女の子の手から腕が落ちた。

「意地悪してるの?」

「してないよ。」

永川は、腕を拾ってもう一度女の子に渡したがまた落ちてしまった。

「何故だ…。」

永川が考えようとした時だった。

「分かった!」

女の子は飛び上がった。

「私、幽霊だから触れないんだ。」

「幽霊…君が?」

「うん。」

「永川様、誰と話をしておられるのですか?」

木村は、気味が悪そうな顔で永川に聞いた。

しかし、永川に木村の声など聞こえていなかった。

「君は、ここで何をしているの?」

「私は、ここの住人なの。」

「住人?」

「えぇ。」

「でもここには子供がいないって木村さんが…。」

「木村は、私の事を知らないわ。

私は、重三お父様と紫音お母様から生まれたから。」

「えっ!

じゃあ…。」

「それ以上いわないで頂戴。」

「…分かった。」

「あなたに言いたい事があるの。」

「何?」

「この世界は、過去と現在が入れ替わってしまった。」

「入れ替わった?」

「えぇ、今西暦何年だと思う?」

「2009年7月20日だろ?」

「違うわ、今西暦1889年7月20日よ。」

「えっ!

じゃあタイムスリップしてるじゃないか。」

「だからそう言ってるじゃない。

これが現実よ。」

永川は、錯乱しそうになった。

「じゃあこれは、過去の事件が起こっているのか?」

「そうよ、警察が知らない私の一家に起こった史上最悪の事件、一家密室殺人事件よ。」

「これを俺に解けと言うのか…。」

「そういえば、まだあなたの名前を聞いてなかったわね。

私の名前は、加奈、12歳よ。」

「俺は、泰彦だ。」

「よろしくね、康彦。

そうだ、ついでだから私があなたを助けてあげる。」

「助ける?」

「そうよ。

ほらっシャーロック・ホームズにもサポートキャラのワトソン教授がいたでしょ。」

「つまり、君は僕のサポートってわけか?」

「そういう事!」

「んっ?

思ったんだが君は、120年前に死んだんだよね?」

「そうよ。」

「じゃあ立場が反対じゃないか。」

「私は、子供のままでいたいからそんな事考えないで!」

「分かった。」

「加奈は、犯人の顔を見てないの?」

「うん、見てない。」

「そっか…館の主人に聞くしかないな。」

「うん、おじいちゃん私とあまり会わなかったから覚えてない。」

「そうだよな、だって…。」

加奈が永川を睨み付けた。

「ごめん、話が変わるけどどうしてここに加奈の腕があるんだ?」

「犯人がここまで持ってきたんだと思う、理由は分からないけれど…。」

「う~ん…。」

「永川様…。」

「何ですか、木村さん?」

「旦那様からです。」

永川は封を開け内容を見た。

永川様

私の大事な妻達を殺した犯人を見つけて下さい

お願いします

「…木村さん」

「何ですか?」

「御主人に会わせて下さい。」

「それはできません。」

「どうしてですか?」

「旦那様は、体調が悪く寝込んでおられるのです。

ですからあまり人との接触を拒んでおられるのです…。」

「そうですか…。

―――妙だな…。

一つ分からない点があるんです。」

「何ですか?」

「どうして奥様達は殺されても御主人は殺されなかったんでしょうね?」

「多分、私がそばにいるからですかね…。」

「ですが、あなたはずっと主人のそばにはいない。

だから犯行は可能です。」

「しかし、主人は殺されていない。」

「何故ですか?」

「分かりません。」

「…分かりました。

すいません。

他の手掛かりを見つけないと…。

んっ?

中に何か入ってる。

う~んと…あっ!」

重三の服のポケットから鍵が出てきた。

「これはお母様の部屋の鍵…。」

「えっじゃあ犯人は…待てよ犯人は重三と見せかけて別にいるのかもしれない。」

「かもね…。」

「そもそも犯人の目的は何だ?

一家の恨みなのかはたまた別の目的があるのか…。」

「分からないわね。」

謎が更に深まるばかりである。

「木村さん。」

「はい、何でしょうか?」

「一家に恨みを持つ者はいましたか?」

「私の憶測ですがいなかったと思います。」

「では、私が来る前のことをお話してくださいませんか?」

「分かりました。

永川様が来る前の夜奥様たちは旦那様と交えてお茶会をした後、奥様たちは眠りに付きました。

そして、私は十二時に見回りをした後旦那様に鍵をお預けして床につきました。

言い忘れておりましたが、部屋の鍵は奥様たちと旦那様が持っております。」

私は、奥様たちがどこに自分の部屋の鍵を保管しているのか知りません。

私の部屋の鍵は、私しか持って下りません。

旦那様は、確認のため私に奥様たちの部屋の鍵を持たせて見回りをさせます。

そのあと私は、必ず旦那様に鍵を返却しております。」

「そうですか…。

あ~分からん。」

「永川様入浴の準備が出来ましたので少し頭を休まれたらいかがでしょうか?」

「そうね、少し頭を冷やしたら?」

「そうだな…。

じゃあ入ってきます。」

そう言って永川は風呂に入った…。

誰かが中にいた。

誰だ?

霧の中を目を凝らしてみると加奈だった。

「加奈!」

「えっ…きゃっ見ないでよ!」

「こっちのセリフだ!

何でいる!

まさか…男湯と女湯を間違えたのか?」

「間違えてないわよ。

ここは男湯よ。」

「…!

じゃあ何でいるんだよ?

見るな!

お前が入って来るな!」

「だって…。」

加奈がモジモジしながら言った。

「背中流したかったから。」

「いらない!

出てけ!」

「酷い…女の子を一人にしていいの?

私が殺されてもいいの?」

「女の子って言ってるけどしょせんは120歳のお婆さんだから襲いはしないよ…。

おまけに殺されるって…。

もう死んでるじゃないか。」

加奈は、泣き出した。

「…こっちが…こっちがあなたの為にサポートしてあげようと思ってたのに…何でそんな事言われなきゃならないのよ。

もういい!

泰彦だけで解決して!」

加奈はスゥ~ッと永川から姿を消した。

「加奈!

冗談でいったのに…。」

永川は呟きながら湯船から出た。

「どうでしたか、永川様?」

「…気持ち良かったです。」

「それは良かったです。」

「じゃあ私は寝ます。

お休みなさい。」

「お休みなさいませ。」

もぅ夜中の十二時を過ぎていた。

永川は、部屋に鍵をかけて寝床に入った。

しばらくすると何か音が聞こえてきた。

誰の足音だ?

木村か…。

段々大きくなり、ある部屋の前で止まった。

永川の部屋の前である。

!?

永川はそぅっと起き上がりドアの前に立ちそばにあった傘を持った。

ガチャ!

部屋の鍵が開く音が部屋に鳴り響いた。

ドアノブが回りドアが開こうとした時…。

「だぁっ!」

永川は傘で入ってきた相手を殴った。

グッ!

相手は頭を抑えながらもがき苦しむ。

暗いので誰なのか分からない。

「誰だ!」

「私です、木村です。」

「えっ…木村さん!

どうしたんですか?

あっ!」

永川は傘を投げ捨てて木村に近寄った。

「すいません…。」

「いえいえ、これぐらい大丈夫です。」

「何かあったんですか?」

「いえ、見回りに来たのです

いつも奥様たちが寝た後、十二時ごろに私は見回りをするのです。」

「そうでしたか…すいません。」

「こちらこそ勝手に部屋に入り申し訳ありません。

何かわかりましたか?」

木村は、永川の顔を覗き込むように尋ねた。

「いえ、他の手掛かりを見つけないと…。

んっ、そういえば…。」

永川は、重三の服から鍵を見つけたところに疑問符を打った。

そういえば他の人の部屋のベッドにも同じ様なものがあった気がするな…。

永川は重三の部屋に行った。

重三のベッドの上に着物が置いてあった。

誰のだ?

永川は木村に聞いた。

「これは誰のですか?」

「柴音様の服で御座います。」

内ポケットには重三の部屋の鍵が入っていた。

またか…。

次々と部屋に入り手掛かりを探した結果、必ずベッドの上に服があり中に鍵が入っていた。

重三の部屋にだけベッドの上に服が無かった。

「最初の犯行は重三の部屋からか…。」

「そのようですね…。」

「おかしい事が一つあります。」

「何ですか。」

「誰も叫び声を聞いていない事です。」

あのような隣同士の部屋で犯行を行うと叫び声が聞こえてみんな出てくるはずなのに出て来なかった。

何故なんでしょうか?」

「多分別の場所で殺されたのだと思います。」

「別の場所…。」

「例えば地下室とか庭の向こうにある森の中とか…。」

「う~ん…。」

木村は唸った。

「そのような場所で犯行を行うとすればどうやって犯人は奥様達を誘い出したのでしょうか?」

「そこが問題なんです…。

他に手掛かりがあるかもしれない。」

永川は、全ての部屋をもう一度くまなく探した。

「あっ!」

ベッドの下から錠剤と思われるかけらが紫音の部屋から見つかった。

「木村さん、これが何だか分かりますか?」

「それは睡眠薬ですね。

柴音様は不眠症でしたので睡眠薬を処方されていました。」

「きっと犯人は睡眠薬を使って奥様達を眠らした後犯行に及んだんだ。」

睡眠薬を入れる時が分かれば犯人が誰だか分かるはずだ…。

「ですが…調べる方法がありませんよ。」

「分かってます!

今考えてるんですが思い浮かばないんです!」

永川は木村にキレた。

「すいません、少し1人にさせて下さい。」

そう言った後永川は木村から離れた。

「アイツは、的確なツッコミしかできないのか?」

などとブツブツ言いながら永川は自分の部屋に戻り右往左往しながら考えた。

何時間か経過し永川がトイレに行こうと廊下に出た時だった。

目の前に子供が現れた。

「加奈ちゃん?」

廊下が暗いのであまり見えない。

何か手招きをしているように見える。

永川は、子供のところへ行った。

近づくと子供は離れる。

近づくと離れるを繰り返した。

子供は離れるのをやめて指をさして永川に言った。

「ここ。」

「えっ?」

「ここに入って…。」

子供が指をさしているのは壁だった。

「何もないよ?」

「押して。」

壁を押すと壁が半分回転した。

「これは…。」

「入って…」

「入るの?」

子供は言った。

「分かった、中に一体何があるんだ…。」

「キヒッ!」

「!?」

子供が何やら薄気味悪い笑みを浮かべたので問い詰めようとしたが壁が閉まり無理だった。

中は、壁の上に灯が下へと灯っており、床は螺旋階段になっているらしく下に降りる事ができた。

降りて行くと行き止まりだった。

「階段だけなのか?」

永川は階段の前にあった壁らしき物に寄りかかった。

するとその壁が崩れた。

「うわっ!」

永川は、強く体を床に打ちつけた。

「痛って~!

何だここは?」

永川の前は、真っ直ぐ通路になっており、左は壁で右は鉄の檻でできた

監獄があった。

監獄の中に何があるのだろうと永川は、中を覗き込んだ。

「こっこれは…。」

中には、手足をバラバラにされた女の子の死体があった。

「加奈の死体か。」

「違うよ。」

永川の前に女の子が現れた。

「加奈!」

「僕は、加奈じゃない。」

「僕?

だって君はどう見たって女の子じゃないか?」

長髪でドレスを着ていたので永川は、女の子に見えたのだ。。

「体は女の子だけど魂は違う。」

「言ってる事がよく分からないな。」

「つまり、加奈であって加奈じゃないんだ。」

「えっ…。

じゃあ君は誰なんだ?」

「僕の名前は、俊也。

加奈の腹違いの兄さ。」

「じゃあ、加奈は?」

「この体は、加奈から頂いた。」

「加奈から?

どういう事だ?」

「つまり、加奈はお前に愛想を尽かして俺にこの体を託したのさ。」

「そっそんな…。」

「お前は、完全に加奈から嫌われたのさ。」

「頼む、加奈に帰ってきてくれと言ってくれないか?」

「できない相談だな?」

「どうしてだ?」

「何故なら、もうここに加奈という女は存在しなくなったからだ。」

「そんな…。

頼む、加奈を返してくれ。」

「返してくれだと?

こんな状態にしたのは紛れもなくお前だ!

お前にそんなことを言われる筋合いは無い。」

「頼む、加奈…加奈…帰ってきてくれ!

加奈―――!」

「呼んだ?」

目の前にはもう一人子供が現れた。

「加奈なのか?」

「そうよ。

あんまり大きな声で呼ばないで頂戴。

兄さんもからかうのはやめて。」

「だって、お前にあんな酷い事言ったんだからお仕置きしないと

いけないだろう。」

「そりゃ酷いと思ったわよ。

でも、いくらなんでもやりすぎよ。」

「…ごめん。」

「待ってくれ!」

「何、康彦?」

「あの死体は、どっちのなんだ?」

「私のよ。」

「本当なのか?」

「本当よ。」

「分かった。

ここで殺されたのか?」

「いいえ、ここに来るのは初めてよ。」

「じゃあ、ここに誘い込んだのは?」

「僕だよ。

幽霊だから壁をすり抜けることが分かってすり抜けていたら加奈の死体を

ここで見つけたのさ。

それを君に教えるためにここに誘い込んだ。」

「そうだったのか。

んっ…ということは、君の死体もあるのか?」

「そうだよ。」

「それは、どこだ?」

「厨房だよ。」

「厨房?」

「そう、俺は…僕は、厨房の皿洗いするところで水で窒息死された。」

「犯人は、誰だ?」

「分かってたらすぐに教えてるさ。

後ろから抱えられてやられたから誰にやられたのか分からないんだ。」

「分かった。」

「思ったんだけど、早く戻らないと木村が康彦を探しているんじゃないの?」

「本当だ!

きっと心配になってるだろうな。」

永川は、急いで階段を駆け上がった。

「永川様!

永川様!

どこへ行かれたのですか?」

木村は、永川が犯人に殺されているのではな以下と心配になっていた。

「木村さ~ん!」

「あっ永川様!

どこに他のいらしゃったのですか?」

「ちょっと散歩に行ってました。」

「犯人に遭遇したらどうするんですか?」

「大丈夫ですよ。

私には、かわいい友達がいますからね。」

「友達?」

「…何でもありません。」

「そうですか…。

ところで、何か分かりましたか?」

「いえ、特には…。」

永川は、地下牢のことは話さなかった。

もし、木村が犯人であれば殺される可能性があるからである。

一体犯人は誰なのだろうか?

永川は、必死になって考えたが分からなかった。

何故なら犯人につながる手がかりが少ないからである。

もう遅いので永川は寝ることにした。

次の日の朝、永川は部屋を出て食堂へと向かった。

食堂には木村の姿は無かった。

どこに行ったのだろうか。

厨房だろうか…。

「木村さ~ん。」

厨房に向かって呼んだが返事は無かった。

結局、待っててもお腹が空くだけなので冷蔵庫から野菜などを取り出して、

包丁を持とうとした時だった。

「!?」

包丁には、べっとりと血がついていた。

「これは、誰を刺したものなんだ?」

「大変よ!」

加奈が、永川の前に現れた。

「どうしたの?」

「落ち着いて聞いてね。

…木村が死んだの。」

「何だって!

どこで!

凶器は!

いつ!」

「落ち着いてって言ってるでしょう!

今日の朝に庭で刺されたのよ。

凶器は分からないわ。」

「そうか…。

ところで、加奈の兄さんは?」

「今、できる限りの情報収集をしているところよ。」

「分かった。」

奈川は、加奈の兄の俊哉のもとへと向かった。

「俊也。」

「おぅ!」

「何か分かった?」

「小さい円のようなものが胸を貫いているのは分かったんだが、後は…」

「後は?」

「木村が手にこんなものを持っていた。」

それは小さな紙切れだった。

広げてみるとボールペンで何か書いてあった。

きっと木村が死ぬ前に書いたのだろう。

「これは…。」

紙切れには、何か暗号のようなものだった。


犯人は、4×1+* 0×3 5×1 3×1

7×1 です。

永川には、まったく何か分からなかった。

しばらく考えて2時間後、永川は閃いた。

そして…。

「そうだったのか…犯人が分かったぞ!」

「本当に!」

加奈は、胸を躍らせた。

「しかし、動機とどうやって殺してあそこまで運んだのかが分からない。」

「…そうか。」

俊也は肩を落とした。

「だが、犯人は誰なんだ?」

「今は、言えない。

今から館の主人のもとへと向かうぞ。」

「御祖父様のところへ?」

「そうだ。」

「分かった。」

俊也は、頷いた。

3人は、主人のもとへと向かった。

コンコン!

「誰だ?」

「永川です。

あなたに話があって来ました。」

「話とは何だ?」

「犯人が分かりました。」

「本当か?」

「はい。」

「…分かった。

入りたまえ。」

3人は部屋の中に入った。

奥には本棚があり、右にはベッド、左には書斎があった。

真ん中にロッキングチェアーがあり主人はそこに座っていた。

「あなたがここの主人ですか?」

「そうだ。

私は、ここの主人の重徳と言う。

本当に犯人が分かったのか?」

「はい。」

「誰なんだ?」

「犯人は…あなたです!」

「えっ御祖父様が!」

「何故…。」

「何故、私が犯人なんだ?」

「理由は、木村さんのダイニングメッセージです。」

「ダイニングメッセージだと?」

「でも、あれには数式しか書いてなかったじゃない。」

「それを文字に直すのさ。」

「どうやって文字に?」

「携帯の番号さ。」

「携帯とは何だ?」

「これのことさ。」

永川は、重徳に携帯を見せた。

「木村は、俺が携帯を使っていたのを見てたからこのようなメッセージを残したのさ。

まず4×1+*は、4=た行、よって4×1は、たになる。

そして*をたすから、だになる。

 0×3は、0はわ行、×3だからんになる。

次に、5×1 5はな行だから×1でなになる。

次に、3×1 3はさ行だから×1でさになる。

最後に、7×1 7はま行だから×1でまになる。

よって全てをつなげると旦那様になる。

犯人は、重徳さん、あなただ!」

「…ハハハ!

ハハハハハハハハ!

よく木村は分かったな。

私が犯人であることを!

では、お前は分からなかったんだな?」

「…そういうことになるな。

あんたの動機と犯行が分からないんだ。

足が悪いのに一体どうやってみんなを殺したんだ?」

「足が悪い?

誰がそんなこと言った?

「木村さんが言った。」

「私は、木村に嘘をついたんだ。」

「嘘をついただと?」

「そうだ。

私は、別に足は悪くないのだが木村やみんなにはそういっていたのだ。」

「そうだったのか…。」

「動機は、みんなが私の遺産を目当てに殺そうとした。

だから、私はみんなをこの手で殺した。

犯行に及ぶのは実に容易い事だった。

寝る前にみんなとお茶会をするのでそのときに紫音の睡眠薬を使わさせてもらったよ。

まず、重三は、ドアを開けたところを押し倒して声が出ないように、ハンカチを無理やり口に入れた後にナイフで刺して殺した。

次に、和代は、灯りを点けて寝ていたから灯りを消した後に起こし、和代が

灯りを点けようとしたときに頭を鈍器で殴って殺した。

紫音は、寝ていたから声を出されないように口にハンカチを詰めた後、ナイフで首を切った。

次に、竜也だ。

竜也は、ずっと私に愚痴を零していて一番腹が立っていたからな。

あいつは起きていたらしくノックしたらドアを開けて出てきたから頭を斧で真っ二つさ。

そして、私の孫はな…加奈は、寝ていたから暴れたら困るのでそっと持ち上げて地下牢に連れて行き殺した。

俊哉は暴れるので首根っこを掴んで厨房へ行き偶然にも皿洗い場に水が溜まっていたのでそこで殺した。

最後に木村だ。

私が、足が動くことが分かったらしくなにやら不敏な動きをしていたので庭にいたところをでこの仕込み杖で殺した。」

「…あんたの息子たちはともかく何も孫まで手にかけなくてもいいじゃないか!」

「この事件を知ったら私を殺すに決まっている。

だから殺したんだ。」

「分かった。

一つ疑問に思うことがある。」

「何だ?」

「何故、俺がここに呼ばれたんだ?」

「分からないのか?」

「分からないから聞いている。」

「教えてやろう。

お前は、唯一の子供だ。」

「子供だと?」

「そうだ。

私は、このあと再婚し子供を産んだ。

そして月日は経ち私の体は滅んだ。

だが、滅んだのにも関わらずこの日付になると私の体は復活する。

つまり、私はこの時間を永遠にループしていることになる。

私は、なぜこのような事態になるのか必死に考えた。

そして、行き着いた先がみんなが私を恨み誰かに

この殺人事件を解き明かしてもらうことだったのだと…。

だから、私はその子供の子孫に解き明かしてもらおうと思ったのだ。

だが、お前は解き明かすことができなかった。

そして、お前はこの事件を知った。

だから、お前を生きて帰すことはできない。

ここで死んでもらう。」

「勝手なことばかり言うんじゃねぇよ!」

永川は、キレた。

「自分の都合だけでどうこうしてんじゃねぇよ!

殺すっていうのならこっちだってお前を殺してやる。」

「いいのかな、私を殺せばお前がいなくなるぞ。」

「!?

どういうことだ?」

「私がいなくなったらおまえを産むことができなくなるからな。

これを聞いてもなお私を殺すというのか?」

「くっ!」

永川は、考えた。

しかし考えが浮かばなかった。

こうしている間にも重徳が永川に血のりがついた杖の先を突きつけながら近づいてくる。

「やっやめろ~!」

永川が目をつむったときだった。

「諦めちゃ駄目よ。」

どこからか聞き覚えのある声がした。

「加奈?」

目を開けてみると加奈と俊也が重徳の前を遮っていた。

「どうして、前に進めないんだ!」

重徳は、2人が煮えていなかった。

「早く、逃げてっ!」

永川は、部屋を出て必死に走った。

戻る方法も無い今俺はどうしたらいいんだ。

永川は、森のような庭の中でうずくまってしまった。

「諦めちゃ駄目って言ったでしょう。」

永川の前に加奈と俊也が現れた。

「でも、もうなすすべが無い以上どうしたらいいんだよ。」

「…こうなったら最後の手段ね。」

「最後の手段?」

「時間を戻すのさ。」

「戻すだって?」

「そう、だがこの方法を使えば俺たちはここからいなくなる。」

「いなくなる?」

「つまり、あなたに二度と会えなくなるって事よ。」

「待ってくれ、まだほかに方法があるはずだ。」

「残念だがほかに方法が無い。」

「そんな…。

…分かった。

「今まであなたと一緒に過ごせてよかったわ。」

「俺もだ、康彦は結構遊びがいがあったしな。」

「2人に会えてよかった。」

「ありがとう、そしてさようなら。」

「さようならじゃない、またねだ。」

「何でまたね、なんだ?」

「過去に戻るのだからこの時間の君たちがいなくなってしまっても過去の時間には君たちは存在しているからさ。」

「あっ!

ほんとね…。

またね、康彦。」

永川の体は眩い光に包まれた。

そして、目を開けると永川は、重徳の部屋のドアの前にいた。

「ここは…。

よしっ、待てよ。

答えが分かっても証拠が無いから言うことができないじゃないか。

どうしよう…。」

永川は、考えたが答えを導き出すことができなかった。

だが、このままではまたあの地獄が繰り返されるだけである。

この地獄の門を空ける前に答えを導き出さなければ…。

永川は、必死に考えた。

そして一つ気がついたことがあり、そこから重徳の弱みを手繰りだそうと考えた。

「これで、行こう。」

永川は、地獄の門を開けた。

「おい、重徳!

犯人が分かったぞ。」

「何故、私の名前を知っている?」

「だって、お前が犯人だから。」

「証拠は?」

「お前が持っているその杖だ。」

「杖?

「そうだ。

なぜなら、その杖の持ち手とその先の繋ぎ目だ。

普通は繋がっているはずなのに境界線のように線が入っている。

その線から先は本当は長い槍のようになっていてそれで木村さんを刺し殺した。

その杖をつく部分は鞘代わりになっているんだ。

俺の予想だとまだ血糊が残っているはず。」

「断定は、できないんだろう?」

「できる。

その杖を見せろ。」

「嫌だと言ったら?」

「今回の殺人事件の犯人をお前と断定する。」

「だが、たとえ木村を殺したのは私だとしてもほかの家族を殺したのは私と断定はできないぞ。

なぜなら、凶器が違うからな。」

「あぁ凶器は違う。

だが、確信は持てる。」

「何故だ?」

「お前は、木村に足が不自由で歩けないと言っていたが、もしその杖に血糊が付いていればお前は歩くことができるという証明になり、お前が木村さんもみんなも殺したことが可能という証明にもなるというわけだ。

したがって、お前は犯人ということになる。」

「だが、私は犯人ではないという証明ができる。」

「何故だ?」

「お前が、嘘をついているかもしれないということだ。

私は、お前を初めて見た。

そして、お前も私を見ていない。

つまり、私もお前もどちらかが嘘をついていることになる。」

「だがそれは、お前の杖を見てからだ。

杖を見させてもらおうか?」

「断る!」

重徳は、頑として杖を永川に見せるのを拒んだ。

「何故、拒む?

お前の杖に何もなければ私が犯人になるんだぞ?」

「分かっているが、嫌だ。」

「見せなければ、お前が犯人になるんだぞ?」

「…。」

「いいのか?」

「…。」

「嫌なら、力づくでも見せてもらうぞ。」

永川は、重徳に近づいた。

「やめろっ!」

重徳は、とっさに杖の鞘を抜いた。

杖の先―槍には木村の血と思われる血糊が付いていた。

「やっぱり、お前は歩けるんだな。」

「しまった!」

「さて、私考えた推理を説明させてもらう。

まず、みんなが殺された時間帯だ。

俺が、ここに着いたときにはみんなはすでに死んでいた。

つまり殺されたのは、俺が着く前の日の夜か俺が来たときの朝。

さらに、木村は奥様たちが寝たのかどうか部屋を確認しに来る。

その時間帯が夜中の十二時ごろだ。

だから、殺されたのは夜中の十二時ごろから俺がここに着くまでだ。

次に誰が殺したかだが、俺がここに着いたころには犯行がなされているのだから俺は、犯人じゃない。

だから犯人は、木村かお前になる。

もし、木村だするとみんなが寝てからだから犯行は可能だ。

しかし、お前は鍵を返してもらわなくちゃいけないから起きているはずだからお前を殺すことができない。

木村に犯行は、可能かもしれないと最初は思った。

だが、おかしいことに気が付いた。

なぜ、鍵が部屋に残されているのかと…。

木村は、奥様たちが自分の部屋の鍵をどこに保管しているのか知らないと言っていた。

そして、木村は、鍵をお前に必ず返却しないといけないと言っていた。

もし、返却して奥様たちを殺そうとしに行けばお前の部屋には鍵がかかっているから入って鍵を取ることができない。

だから木村は、犯人ではない。

残ったのは…お前だけだ!」

重徳は、立ち上がって膝を床につけた。

「…そぅ。

私が犯人だ。

動機は、みんなが私の遺産を目当てに殺そうとした。

だから、私はみんなをこの手で殺した。

素晴らしい推理だよ。

よくこの事件を解決できたな。」

「あと、和代の部屋の壁に塗られていたのはおそらく絵の具かペンキだろう。

人間の血の量だけであんなに塗ることは不可能だ。」

「その推理も合っているよ。

塗ったのはこのペンキだよ。

ありがとう、ようやく永い眠りにつくことができる。」

「それに、木村が正解をくれた。」

「何だって!」

「ダイニングメッセージでな…。」

「ダイニングメッセージでだと?」

「あぁ、永川は死ぬ前に紙に暗号として犯人の名前を書いていた。」

「でも、あれには数式しか書いてなかったじゃない。」

加奈が言った。

「それを文字に直すのさ。」

「どうやって文字に?」

「何て書いてあったんだ?」

「 犯人は、4×1+* 0×3 5×1 3×1

7×1 です。

ってな、これは携帯の番号をさしている。」

「携帯とは何だ?」

「これのことさ。」

永川は、重徳に携帯を見せた。

「木村は、俺が携帯を使っていたのを見てたからこのようなメッセージを残したのさ。

まず4×1+*は、4=た行、よって4×1は、たになる。

そして*をたすから、だになる。

 0×3は、0はわ行、×3だからんになる。

次に、5×1 5はな行だから×1でなになる。

次に、3×1 3はさ行だから×1でさになる。

最後に、7×1 7はま行だから×1でまになる。

よって全てをつなげると旦那様になる。

犯人は、重徳さん、あなただ!」

「そうか、木村にバレては困ると思って殺したんだんだが…

分かっていたのか。

本当によく解決してくれた。

みんなが犯人が捕まるまで永遠の眠りにつくことができないと言ってこの月日になるとみんなの魂と体は復活しこの殺人事件を繰り返すはめになってしまった。

この事件を誰かが解かなければいけないと私は、殺人を繰り返すのがさすがに嫌になってしまった。

だから私の子孫のお前に託したのだ。

私の他の子孫も挑戦したのだが失敗に終わってしまった。

だが、お前は解いた。

私は、ようやく眠りにつくことができる。」

「いや、みんながお前が犯人と知ったいじょうお前は永遠に眠りにつくことできない。」

「そうだろうな。

では、元の世界に帰るがよい。

玄関から出るがよい。

さらばだ、私の子孫よ。」

永川は、玄関を出た。

館を見ると館は、古びた廃墟となっておりあちこちにつたが伸びていた。

「そぅだ、加奈や俊哉もここに帰ってきたはずだ。

加奈!俊也!」

しかし、返事は無い。

おそらく、2人も永遠の眠りについたのだろう。

永川は、そのことに気づかなかった。

「何で返事をしてくれないんだ?

からかっているのか?」

返事は、返ってこない。

「ちゃんと帰ってこれたんだぞ?

嬉しいだろ?

どうなんだ?」

返事は、返ってこない。

永川は、悲しくなりその場にうずくまって泣いてしまった。

どうすることもできない永川だったが決心し家へと帰っていった。

この後永川は、9つの花束を持って館を訪れて花束を玄関前に添えた。

そして、永川が加奈と俊哉が消えたことを知ったのは永川が永遠の眠りについてからだった。


                                       完


投稿2回目です。

前から書いていた小説なのですが、皆様のお気に召されたのかどうか不安です…。

これからも書き続けるつもりなので応援宜しくお願いします。

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