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第46話 反魔法

「まずは小手調べじゃあ!」


 オリガの周囲に真っ赤な炎で形作られたフェニックスようなものが作られる。それも一体ではなく、二体、三体と。


 魔法での生物の擬態など上級でも難しいだろう。何が小手調べだ。


反火魔法(リバースファイア)


 俺もオリガと同じように真っ白のフェニックスの擬態を三体発現させる。


 オリガが俺を指さすジェスチャーをしたと思ったら、それらが一気に俺に迫りくる。俺も直ぐに自らの擬態をそれにぶつける。


 それぞれのフェニックスが空中でぶつかり合う。


 ぶつかり合ったフェニックスの擬態は、しばらくそれぞれそ形を変化させて、色も赤から白へと変化させた後。


 しばらくすると何もなかったかのよう、嘘のように消え去った。


 初めての白魔法の実戦、しかも、神級の魔術師相手だが、よかった、本番でもうまくいったようだ。


「ほう……」


 流石の神級の魔術師も初めて目にした白魔法の威力に目を丸くしている。


「なるほど、白魔法とは一種の反魔法のようなものか。通常の魔法をプラスの魔法の発現としたら、白魔法はマイナスの発現かの」


「その通りです」


 初見でそこまで見破るとは流石だ。


 にやりとオリガは微笑むと両手を広げてまた無詠唱で次の魔法の発動にかかる。


 先程はフェニックスのようなものだったものが、今度は何かの猛獣のタイガーようなものを発現させる。そして今度のその色は白に近いオレンジに変わっていた。


「同じようなものに見えるかもしれんが、魔力は先程の数倍、温度も数千度は上がっている。これでどうじゃあ!!」


 迫り来るタイガーたちに、俺はまた反火魔法(リバースファイア)で同じ様にタイガーの擬態を発動してぶつける。


 俺とオリガのタイガーの擬態は激しく噛み合うようにぶつかり合う。


 そして先程と同じようにしばらく混じり合った後に白に変わった後にそれらは消え去ったが、消えるまでの時間は今回の方が長かった。


「ほう、これも防ぐか……だが先程より打ち消すのに時間はかかったな。反魔法と言えどプラスとマイナスの相殺は魔力量に依存する。マイナスで打ち消せないような魔力量のプラスをぶつけられると打ち消すことはできない。違うか?」


「…………」


 ご明察だ。


 反火魔法(リバースファイア)はその魔力量を超える魔法は打ち消す事はできない。


 たったこれだけの攻防で反魔法のウィークポイントを見破るとは恐れ入る。


「答えない、という事はわしの推測が当たっていると考えていいかのう。次の魔法の魔力は最初の魔法の数十倍。温度は1万を超えておる。人が一瞬で蒸発するような温度じゃ」


 オリガは巨大な炎の円球を出現させた。

 その炎の色が赤からオレンジ。

 オレンジから白。

 白から青へと変わっていく。


 これは…………ここまでの魔力量だと俺の魔力量では相殺可能な量まで届かない。


「これで終わりじゃあ!」


 巨大な紺青の炎の円球が向かってきた。


反魔分析(リバースアナライズ)


 魔法の発現を実現している術式、魔法陣が顕になる。その魔法陣の文字の一つ一つ、魔法陣を構成している模樣に白い光が放たれた後にその文字と模樣は消えていき、それと同時に巨大な炎の円球も嘘のように消失した。


「なっ!? 魔法陣の解除じゃと? ……術式レベルでその効力を無力化したのか? だとしたらこれは驚異じゃな…………。しかしそうであるなら、なぜ最初から無力化しなかった? 複雑な魔法の術式は瞬時に解析、分析して解除できない。違うか?」


 これもご明察だ。やりにくい、ばあさんだ。


 その通り、最初の魔術での生物の擬態は術式が複雑過ぎて瞬時の分析は難しかった。


 オリガが凄まじい魔力を使用して水の塊を現出させる。


 最初は炎帝のオリガがなぜ水魔法を? と思う。


 しかし、それをよく観察してみるとそれは水ではなく、一種の青の炎である事が分かる。


「液体状の炎じゃ。ブルースライムと名づけておる。どうじゃこれはすぐには解析できんじゃろ? 長い研究の末にたどり着いた炎系魔法の一つの極みじゃ。わしも人目に見せるのは初めて。魔族や魔物相手には使った事はあるがの。このブルースライムは例え金属であっても瞬時に蒸発させるぞ」


 ブルースライムというその名の通り、その液状の青い炎はまるでスライムのようにその姿形を変えている。スライムとは比べ物にならないような危険度をもつものではあるが。


 ギューーンと肉体を間延びさせるようにブルースライムはその身体を変形させて俺に迫ってくる。


反魔分析(リバースアナライズ)


 分析魔法を発動しながら、俺は必死にその攻撃をかわす。ほんの少しかすった程度でも致命傷にないかねない。


 分析失敗…………。


 未知の術式で分析することが出来ない。


「どうしたあ! 逃げてばかりでは勝負はつかないぞ!」


 俺はブルースライムの変幻自在にその形を変えてくることによる攻撃をかいくぐり、オリガの方へと近づく。


 剣を上段に構え、オリガを射程に捉えるがオリガはそれをかわそうともしない。なぜだ?


 疑問に感じながらも、俺はその上段に構えた剣をそのまま振り下ろす。


 勝った!

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