07 肥溜めの乱
まぁ了承しちまったもんは仕様がないということで。
でもやるんだったら、腹括ってやるしかないということで。
「というわけで今日は畑の手入れと肥溜め掃除行くゾ☆」
「いきなり連れ出してなんなのよアンタは!!」
「こっ肥溜め…?!無理無理無理無理…!」
有無を言わさず支給の外套かぶせて、外に連れ出せば全力拒否が返ってきた。えー。
「今日からあた…ワタシがアナタタチの指導係になりましタ!ヨロシクネ☆ていうかこっちも恩人のゴリ押しで受けたんだわ本意じゃないんだわ大人しく言うこと聞いといてねコンチクショウ」
「唐突に本音ぶち込んでくる…!清純清楚なヒロインはどこに行ったのよ?!」
「もっ物には限度があるでしょう!わ、わたくしが畑とか肥溜めを…うう~!出来るか出来ないかで考えてちょうだい!気持ち悪い!」
「…………あ?」
「ひっ!」
カッチーーーンですわ。
こちとら最初からモチベ上がらないところを無理に押し上げて押し上げて来たっつーのに。
いやそりゃさぁ…
「確かにさぁ、お嬢様方に最初っから肥溜め処理とかどうかなって思ったよね。」
「そ、そうでしょう!せめて他の…」
「でもお姫さま、アンタ他の内仕事拒否してたろ」
「うっ…」
「掃除は無理、洗濯は無理、保存食品作り厨房作業も嫌、かといって外仕事も無理無理無理と?」
「…」
「やって失敗するのはいいのよ。やり方を覚える意思があるならさぁ…」
「でもアンタ、そんなつもりもサラサラなかったろ。人に命令ばっかりしちゃって。」
「元々そういう生活してたってのは分かるよ。でもアンタはさ」
「もうお姫さまじゃないだろ」
「そういう生活はもう出来ないだろ。」
「だったら腹括ってやってくしかないだろ!!!」
「か…か…!」
「か?」
「勝手なこと言わないでよおおおおおおおおおおおお!!!!」
お姫さま、爆発。
元ヒロインは狩りと皮剥じゃないだけ我慢したと思っている。