25 ビビア攻略
曲げられた指にふーふー息を吹きかけながら、ビビアが悪態をつく。
「まったく…本当に野蛮なんだから!あながちお姫さまがいってるゴリラってのも間違いじゃないわ…!」
「はいはい、分かったからさっさと続けろー」
もはやビビアのこの呼び名と悪態は、通常運転なので止めることもしない。
慣れとは怖いものである。
「全く…これ見てよ」
「ん?何これ」
「「お姫さま失敗リスト?」」
「くっ…ふふふっくくっ…!」
「…この!どうしてこんなものメモしているんですの!この性悪!」
もう私はお腹が痛いし、セリアナは羞恥のあまり真っ赤になったいるし、もう辛い。
そりゃね、今までの自分の失敗が事細かに書かれてたら恥ずかしいよね。
しかも書いてるのが天敵なんだから。
「失礼ね!私だって嫌がらせだけでこれを書いているわけじゃないの!ちゃんと理由があるんだから」
「りっ理由ってなによ…!ふくく…!」
「なかったら承知しませんわ!」
もはやセリアナはカンカンに怒っている。
これだけ怒っていても美少女なのは、持ち玉が良すぎてずるいなーとつい思ってしまう。
腹を抱えて見てると、ビビアは興奮しながらも言った。
「これ、お姫さまの失敗の中には、前世のものがあれば解決するものがいくつかあるのよ!」
あ。
『それはわたくしのスキルが壊滅的なので、何かツールを使えば人並みになると思ったからですわ!』
あれか!
あの一言を拾い上げたのか!
私はとにかく暴走を止めるのに必死だったけど。
ビビアがはその一言をちゃんと聞いてたのか…
「お姫さまはいつまで経っても皮むきが上達しないけど、前に言ったわよね?『皮むき器があれば自分だって』て」
「ええ…言いましたわね…」
「実際、皮むき器ぐらいだったらこの世界の技術だって再現可能よ。それにこっちは早くから子どもにだって家事任せるのよ?少しでも使いやすいツールは受け入れられやすいと思うわ」
「あとはお姫さま、『まずい』『いつも同じ料理』っていうじゃない。あれ調味料の問題もあると思うのよ。甜菜とかトウキビとか…ここだと寒いから甜菜がいいかしら。とにかくそういったものを育てて何とか砂糖作るわよ。こっちはとにかく甘味系調味類が高いのよ!」
「あとは…ぷ!この間畑作業中ぬかるみでひっくりかえったじゃない!あー面白かった!でもあれもスパイクつくって靴につければある程度防げるんじゃないの?冬になれば雪も積もるし、革靴だけじゃなく、スパイクだって充分に需要あるわよ」
はーっと一気に話すとしん、としている室内に我に返ったのかビビアが警戒し出す。
「な、何よ。これだけ話題提供したんだからなんか喋りなさいよ」
「いや…すごいなぁと思って…」
はぁ、と感嘆の溜め息と共にいえば、ビビアが目をこれでもかと見開く。
「は?」
「だってセリアナの失敗は、私も一緒に見てたし。言ってることも聞いてたけど、こんな風に考えたこと無かったもん」
どうすれば止められるか。私が考えてたのはそうだけど、嫌味をいいながらも笑いながら、時には怒りながらも。
「凄いなビビーは。どうやったらセリアナが出来るのか考えてたんだ」
心からそういえば。
「この似非ヒロインが!!!!」
ばし!!と何故か紙で痛烈に頬をひっぱたかれた。
何故か顔は真っ赤である。
「いった!!!このクソロリ何すんだ!!」
「うるさいうるさいこのゲテモノヒロインが!ヒロイン枠にも入ってない癖にヒロインぽい顔するんじゃないわよ!」
物凄く理不尽な文句の付け方をされた気がする。
意を決して反論を述べようとすれば
「分かりみが深いですわ…分かりましてよビビアさん…普段山猿のくせに時たまヒロインになるんですのよ…あれ本当にどうにかして欲しいですわ…」
「うぅ…!女なんか、女なんかぁ…!」
「…ビビアさんが女嫌いキャラの攻略ルートに入っているようですわ…わたくしは差し詰め俺様キャラかしら…」
「やめろぉ…!私は攻略キャラに格下げなんてされないんだからな…!」
「攻略キャラって格下げですの?」
「いやその前に私攻略なんてしてないから」
私の中で百合はないから安心しろし。
本日も読んでいただきありがとうございます。
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