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18 緑の組紐がほしい

セリアナの夢と現実と

「わたくし、これでも分かってますのよ」


 ふん!と鼻を鳴らして偉そうにお姫さまが続ける。

 大分『うさぎショック』から立ち直ったようだが、朝よりも距離を開けられている。くそう。野生動物か。


「それは何について?」


「わたくしの家事および生活スキルが壊滅的ということよ!」


「「!!!!!????」」




 な、なんだってーーーーーーーーーー?!!




「あ、ちょっと待て。何でスキルが壊滅的って自覚あるのにあんなチャレンジングな試みしてんの」


「それはわたくしのスキルが壊滅的なので、何かツールを使えば人並みになると思ったからですわ!」


「実験前に相談して?!報連相で解決できることってあるよ?!」


 必死にこちらが訴えれば、その手があったか、みたいな顔された。


「……ちゃんと自覚あったのね…」


 あたし以上にある意味被害に遭っているビビアが脱力している。

 うん、そうなるよな。


「もう!話を続けますわよ!」


 軌道修正は正しいはずなのに、それを行うのが主原因(お姫さま)というのが納得がいかぬ。


「わたくし、そういった方面は疎いようですけれど、これでも元は優秀な王太子婚約者ですのよ。勉強方面は得意ですの。勉強ならきっと上手く教えられますわ!」


 あ~まぁそうか。

 言われてみればその通りだ。

 流石に何も出来ない令嬢が、婚約者に選ばれるわけが無い。

 貴族令嬢としてのスキルは完凸しているということか…

 でもなぁ…


「経済学でも古代語でもドンと来い!ですわ!」

「うん、ちょっと待って」


 提供技術に需要がない!!!

 お姫さまは確かに令嬢としては、最高峰スキルをお持ちなのだろう。

 ただこの街の一角で行われる、青空教室。

 参加するのは、庶民用の王立学校に通えない子どもたちだ。

 農家だったり店番だったり…様々な事情で学校に通えない子ども達を対象に(一部大人も混じる)開かれる授業は、主に読み書き算数がメインだ。

(ちなみにこの世界に義務教育は存在しない。

 なので、就学率は6割ほどだろうか。

 以外に高いのは王政機関が、教育に力を入れていて、色々な補助を出しているかららしい。)

 つまりお姫さまがやろうとしているのは、エリート大学研究員が、幼稚園児に量子力学を教えようとしているようなもんだ。


 無茶である。

 需要がない。


 しかしせっかくやる気になっているお姫さまに、どうやって伝えたものか…

 そんなあたしの、滅多にない気遣いを無視して。




「無理でしょ」



 ずばっと。

 無情に。




 性悪ロリ(ビビア)が宣告した。



 ……いや、そうだけどさぁ……

今日はあともう一本くらいあげたいです。


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