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夏の雪  作者: 五月雨 良治
3/5

台風

もしも、能力者だのがいない世界があったのなら、世界は幸せだったのだろうか?

能力者は悪なのだろうか?

そんな考えが僕の脳裏によぎる。

しかし、そんな事はない。

能力者がいなくとも、そんなに大きく世界は変わらなかっただろう。人類という生物は、人類という生物が思っている以上に争いが、好きなものである。


血で染まった土の上、空も赤く見えた。

最後、というものが僕にも来たのかもしれない、いや最期か、

空では美しいくらいに、戦闘機と無人機が爆発と弾幕が各地で展開され、恐ろしいほどの熱と発光が目を奪った。

しかし一筋の光が来た瞬間、空が炎に覆われた、そうして…


吹き飛んだ



四度目のあさが来た、そろそろ自分はこの世から居なくなってしまうのか?それだけはダメだ、「約束」は守らないといけない。

全く「藤原」のやつはめんどくさい宿題を残しやがったな…

ベッドから起き上がる。今日は朝一番で六軍司令部へ行き、波崎さんに報告する、内容は至ってシンプル。なにもつかめませんでした。と口にする、すると波崎さんは「いいや、君は漁師になったらいい漁師になるよ、君のお陰で今にも大物がつれそうだ」というのでどういう意味かと聞いた、彼は最初から暗殺する気など毛頭無く。ド派手やるつもりだったらしい、しかし珍しく深刻そうな顔をして「君、両親は大丈夫なのか?」と聞かれると、「相変わらず元気ではいますよ」と言うと「最後に会っておかなくていいのか?こう、死にそうな戦いになりそうだし」と珍しく常識らしいことを言うので、

「行ったって無駄ですよ、僕は生き残りますから」そういい残して司令部を出ていった。


「可哀想だね」と言うと、秘書が「死ぬなんて思ってないでしょ」と言うので「なぜそう思うんだい?」と訪ねた「あなたは自分が思うよりも実は結構楽観主義なのよ?」「そうなのかもしれないね、ただ目の前にいる人が死ぬのはもうあんまり見たくないんだ」そう波崎は言った

「あの事件は、いったいいつまで私達を蝕むのかしら」そう寂しげな声でいう。

「少なくとも僕らが死んだあと五十年、百年、そうしていつしか、記憶が薄れていって再び無意味になるときが来るそのときまでさ」



大学につくと、昨日色々あった栗橋が、完璧な笑顔をしていて怖い。

今日も黒木は白い紙が少し飛び出た本を読んでいる。すると足利が「なんなんだよこの雰囲気…」確かに異質だ。

そんなことには気にせず、僕は僕で電気を通さない物質を作るのに必死だ。だから結局足利君も本を読まざる終えなかった。

「そういえば小泉」黒木が俺に語りかける。

「無くなってた記憶は帰ってきたの?」そう僕へ聞く。外の二人は驚愕の顔を見せる「なんでそう思うんだい?」僕は聞いてみた、「だって雰囲気がちょっと前から違うもん」ついでに僕は記憶喪失ではない。しかし黒木は本気で言っている。否、本気で言わせている。

そう、一年前のあの日から。

「そうだな、僕の記憶はあるときから無いんだ、そう2007年のあの日から」

そうすると、一同が静かになる。

「一番昔の記憶は、地獄だったかな、東京の高層ビルという高層ビルから反射する光が消えていて、その代わりに絶叫と恐怖と炎がそこらじゅうから、反射してきて、あっという間に人がダース単位で死んでいく、そんな空間に一人の男が現れた。そうして男は言った「守れなくて悪かった」と、ビルの瓦礫がそこらじゅうに落ち来ていて、すると一人の能力者が来た。そうして男を殺そうとするんだ、だけど男は能力者とは違う力で相手を殺した。そうして俺は男に間一髪助けられた。」

足利俺に「その男の名前は?」と聞くので、

「平等院さん、さ」栗橋以外、ポカンとした顔だ。この無名の男は、確かに、多くの人を救った。しかし、救うことを正義だと、その自信を失ってしまった。

平等院、彼はいま何をしてるんだろう?


そのあとは昼御飯を食べて解散。

足利は僕に「お前、なにかとは聞かんが、隠してるだろ、まぁ、死ぬなよ」そう言い残した。


そして青かった空は暗黒に飲まれて行く、

時刻は七時になるちょっと前、通勤客が大勢いた中央駅で爆発が起こる。同時多発的に、空から光が町を襲い、大混乱が巻き起こる。

それを家から見ていた僕は、中央駅へと歩き始める。

一気に町から電気が失われて、月と光線以外の光を失い、人々は逃げまどったが、県警の協力により、市外へと脱出を急いだ。


大潮国際空港

「大変だ、」レーダーを見ていた男がいう、

「アプローチに入った便以外は別の空港に回せ!和歌山空港や高知空港に回せ!急ぐんだ!」と声をあらげ!

<こちら大潮タワー、緊急事態によりアプローチに入った便以外は周辺空港に待避されたし、繰り返す…>


とある地方、とある家

「ただいま~」夫が家に帰ってくる。「パパー!」三才くらいの男の子が駆け寄る。「お父さんお帰りなさい!」妻も答える。こんな幸せの空間のテレビにはこの世の地獄が写っていた。


「大潮市で発生したテロは、国防軍が緊急出動市街各地で戦闘が起きてます!」アナウンサーが語る「現地の宝田さん!」すると映像が移り変わる。「こちら大潮市です!先ほどからドカーンといった音が市街各地で響いています!うっ!!」そこで映像は途切れる。

スタジオは沈黙に包まれる、しかしアナウンサーは「…公共交通についての情報です。私鉄各線は軒並み運航を停止、航空各社も関西国際空港や成田空港に待避しています。ここから先は番組内容を変更して、最新情報をお伝えします。」

当時市街各地では既に避難が始まっており、比較的迅速な避難によって市内は殆んど無人化していた。

そして山茶花山砲撃大隊をはじめとした、舞台により、テロ部隊は完全に包囲されたのである。

大潮東部国防空軍基地

「急いであげるぞ、スクランブルだ」

F17戦闘機やF3戦闘機がそれぞれ離陸していく。早期警戒機も上がっており、戦術爆撃機

B10が徹底的に西部の明治通りを爆撃、焦土化させる。


市街地東部楽銅橋

「撃てぇぇぇぇぇ!」ブラスターの一斉射撃が響き渡る。しかしそれに負けじと敵も「くらえぇぇぇぇ」一気に放電。「隊長!このままだと壊滅します!」一等兵が言う。

しかし銃撃戦は熱を帯び、流星群のような光景を見せながらお互いを死に導く。

「うわぁぁぁぁ」また吹き飛ぶ。

「怯むなぁ!ここを死守するんだ!」隊長自らブラスターをもって相手に応戦し、一層白熱する。

各地で血がそこらじゅうに撒き散らされ、あげく光の爆風がそこらじゅうを焼き付くし、付近の鉄橋に激突。爆発して落下。重力そのままに、川の下流にある戦闘が行われている橋に激突、この揺れでテロ部隊の隊長にブラスター二十五発が命中。即死した。

しかしテロ部隊は物量に叶わずジリジリ押され「突撃ィィィィ!」

このタイミングでヘリ艦隊が到着徹底的な弾幕射撃を浴びせることとなる。

中央部でももとから配置されたスナイパーのゲリラ的な攻撃と、戦車部隊の出現により、戦線は崩壊。もう、勝敗は完璧に決まった。

この戦いは、基本である

「敵より多い戦力で戦う」

「包囲殲滅を多く行う」

「敵に余裕を与えない」

という物を守った波崎の勝利である。

地下施設の中に黒色の目はいた。

黒の目はできるだけ敵の戦力が薄い、西部方面からの脱出を試みたが、徹底的な焦土化によって動けば的になる西部からの脱出はまともではなく。全部隊に投降を命じて、黒目は地下施設を出ていくのだった。


目的地に向かって歩く途中。

能力人と接敵、交戦状態となった。

光の筋が、数十本向かってくる、それを軽快なステップでよけて、ブラスターを撃つ。

お互いに光の熱線が放たれ、徐々に熱気が帯びていく。「ブランクでなまってるとか思うなよ!」蹴りを相手のお腹に入れる。

吹き飛ぶ相手、それに向かってボルトブラスターライフルを発射する。

すると爆発四散、しかし他の能力者を呼んでしまい、戦闘は激しさを増す。

ナイフを出すと後ろから迫る敵に切りつける、

金属が擦れるおとがして、お互いに怯む。

しかし、光の筋が相手の右胸を貫き、口から赤い液体を出して倒れ混み。目の前の新しく現れた敵に向かって爆弾を投げて、炸裂。

僕も吹き飛ぶ。しかしすぐさま立ち上がらなければならない、止まっていれば殺されるのは僕だ。「死ね!」ボルトブラスターライフルのトリガーを引く。住宅一つに吹き飛んだ敵がぶち当たる。無視して走る。




僕は大学のサークルの部室に来ていた。


なぜかと言えば、現実に目を向けた目である。

そう、最初からわかってはいた、

そうであってほしくなかった。

だって、あの雪が降る病室に来た、黒い目の

女の子であってほしくないと思っていたから。

そしてドアが開く。そしてそのとき黒い目を見て僕は一言言う「ここは避難区域だぞ?避難しないのか?」すると黒色の目は、「あなたこそ」お互いに武器を構えたのだった。


その頃になるとテロは沈静化、国防軍部隊も殆んどが戦闘を停止していた。

「あとは小泉君、君次第だ」

そう呟いて山茶花山の麓を見つめた。


夕方総司令部

「いつから気づいてた、と聞くより、君はもう最初からわかってたんじゃないのかな?小泉くん?」沈黙が続く

「誰かとかは聞かないよ、君があの時点で彼女を殺していても変わりはない、きっと決行された。だからこう言う、おもいっきりやってこい、そうして君なりに世界大戦にケリをつけてくるんだ」

そうして小泉は部屋から去った。

「世界大戦のケリねぇ、人は背負うものね、」

と秘書は言うが、「僕にも着けなきゃならないケリがあるのさ」「平等院君のこと?」と聞く

「ああ」

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