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第二話 屋敷と秘密部屋

楽しんでくれたら幸いです。

今この数時間で起こったことに脳が機能停止間近の僕の前には、馬車の中で荷物を持って立っている美少女メイドがいる。

ローラから帰り際に


「美味しいお菓子屋さんができたの。食べてみて?」


と言われてもらったものでその重量おそらく5kg。

それを持ち揺れ動く馬車で立っているバランス力は中々の物だと思う。


シーン

気まずい。

時折ガタンッ、と衝撃が来るだけで会話が一切ない。

メイド…ソワリさんも目を合わせない。


基本冒険者ギルドには男と男みたいな女の人しかいない。

だから、女の子と話すの久しぶり過ぎて何を話せばいいのかわからない。

心臓ドキドキで質問をする。


「あの…?ソワリさんって何才何ですか?」


心臓が口から飛び出そうぉぉお!


「女性にそんな質問してはいけませんよ?ご主人様。」


と、ソワリさん。

ソワリさんに太陽のような笑顔が眩しい。

死んでもいい?僕。


「ごめん。僕、冒険ばかりしてたから」

「でも…」


ソワリさんが髪を耳の後ろにかけながら僕の方へ顔を近づける。


「な、なななnーー」


パニクる僕。


ソワリさんはさらに耳元に顔を近づけて…。

「私はご主人様と同じ17歳です。」

「ーーーーーー!」


耳で囁かれて、声にならない声が出る。

耳に息がかかって体温を直で感じる。

これが、女の子。


ボシュゥゥ。

「もうダメェー」

チーン

顔を真っ赤にしてリベルダウン。


「少しからかい過ぎてしまいました。」


ソワリさんは僕をおもろしろがって微笑んだ。


ーーー


数分後。

「ご主人様。到着いたしました。」


ソワリさんの呼び声で目が覚める。

顔がまだ若干火照ってる。

火照ってるだけだよね?顔赤くなってないよね?


「屋敷に到着いたしました。また、先程はからかってしまい申し訳ありません。」


扉を開けながらソワリさんがそう謝る。


「全然気にしてないから大丈夫。」

むしろ…また、やってーーー


ブンブン、顔を振る。

何を考えているんだ。リベル。

お前はそんな下賤な男じゃないだろう。


「そうですか。またやって欲しかったら言ってくださいね?」

「ヘッ?」


そう言ってソワリさんは、先に入っていますねと、屋敷の中へ消えていく。


よくよく考えれば、これから僕とソワリさんとなもしれぬ執事はここで同棲するわけで。

ということは、そんなチャンスは無尽蔵にある。

僕理性あるよね。

天才だよね!


「僕は天才。僕は理性。僕は天才。僕は理性。僕はーー」

「冗談です。」


小声でぶつぶつ言っていると屋敷の中へ入ったはずのソワリさんが後ろから声をかけた。

聞かれた。

その事実に呆然とするほかないのだった。


ーーー第二話  「屋敷と秘密部屋」


再起動した僕は、屋敷を見る。

いかにも貴族と言った屋敷で、広さも通常の貴族と同程度。

庭も広大で、噴水なんかもある。

馬車の停車小屋や、馬小屋も完備。

最近できた水路で水もほぼ無尽蔵にある。

こんな豪邸に住めるのか。


「こちらへ」

ソワリさんに案内されて玄関(これもまた、広かった。)を通り、シャンデリアがかかる広間。

階段を上がり、道をぐねぐね曲がったところへ連れてこられた。


「ソワリさん、ここは?」

「ここがご主人様のお部屋となっています。また、私のことはソワリと呼び捨てになさってください。」

「ソワリさ、ソワリ。じゃあ、僕のこともご主人様ではなくリベルで。」

「ではリベル様と呼ばせていただきます。」


そんなやりとりを交わしたあと目の前の他の部屋より大きい扉を開ける。

「ここが執務をする執務室。」


続いて…ソワリに連れられてやってきたのは右の扉。

開けると…

「ここはベッドルームとなっております。」

「l have a question.」

「どうぞ、」

「何で、キングベッド?それも二つ。」


そう、この部屋にはキングベッドがある。それも二つ。

キングベッドの時点であれ一人では持て余すのに。


「未来の奥様ようでございます。」

「あ〜、なるほどって、気が早くない!」

「もう、候補も絞ってあります。」

「仕事が早すぎる!褒める!でも、僕は普通の恋愛がしたい!」

「…」

「まぁ、この件は後で話そう…」


次にソワリに連れられてやってきたのは左の扉。

「ここは、クロッシングルームです。着替えはここで私が行います。」

「ほへぇ〜。」


ピキッ

「今なんて。」

なんか聴き慣れない言葉が…


「ここは、クロッシングルームです。」

「次」

「着替えは」

「次」

「私が行います。」

「そこだ!」


着替えはぐらい僕一人でできるよ。

僕もう17だよ。17。


「譲れませんので。続いては…」


あ、逃げた。

おい、こらまてぇ。


結局ソワリに案内されたのは執務室の入り口のすぐ横にある扉。

ここには鍵が3つ。

そして、魔法が10かかっているんだけど…

どう見ても一介の男爵にはない部屋だ。


「ここは宝物庫となっています。鍵は私、リベル様、そしてリベル様の目です。また、リベル様の生存反応がない限り空きません。」


そう言ってソワリは僕に鍵を渡す。

ソワリが鍵を差し込んで開けたので、僕も差し込んで開ける。

してもう一つの鍵穴を覗き込む。


カチッ

解除音がして扉が開く。

中には知らない服一式と、剣が置いてあった。


「それらは、王からの褒章だそうです。先程使いのものがやってきて置いていきました。その価値国宝級だと思われます。」

「使えないよ!」

「王から使わせろと命令が来ていますので私が何としてでも使わせます。」


僕が部屋を出ようとするとソワリが何もない壁へ向かう。

ソワリがその壁に手をかざすと壁が一瞬紫色に光って砂に帰った。

そして、その先に通路が現れる。

呆気に囚われる僕。


「リベル様の能力上、秘密にしたいことがあると思いますので、この実験場が用意されました。

地下に存在するため防犯完璧。タトーールの化石を使った壁ですので頑丈です。」


ソワリが僕の手を握ると僕も体に何かが流れ込んだ。


「これで、ここの鍵はリベル様のみとなりました。」


ソワリが通路を出ると砂が逆再生のように壁に戻る。


「何か質問はございますか?」

「最後に一つ、なぜこんなに道がぐにゃぐにゃしているんですか?」

「防犯のためです。頑張ってください。」

「はい」


ソワリの案内で再び広間に戻った僕はキッチン、浴場、客室を連れ回され、最後にダイニングへ案内された。

ダイニングの机には所狭しと料理が並べられ、一人の青年がったっていた。


「君は?」

「挨拶が遅れて申し訳ありません。私はアッハベルト・ロール、料理人兼執事でございます。」

ロールさんは頭を下げる。

「そうなんだ。こっちこそよろしく」

僕もそれに倣い頭を下げる。

「ロールって呼べばいい?」

「はい。ご主人様のお好きなようになさっていただいて構いません。」


グーーお腹が鳴る。

気づけばもう7時。

夜ご飯の時間だ。

「どうぞ召し上がりください。」

僕が席に着くと二人はササっと壁による。

「?」

「私たちは別で食べますので」

僕のこの量を一人で食えと?

ざっと7人前あるぞ。

「そんなこと気にせず一緒に食べよう。」

「でしたら…」

「「失礼します」」


ソワリ、僕、ロールの順でコの字でテーブルを囲む。

ワインを持つ。

「はじめての食事に乾杯!」

「「乾杯」」


その日は少しは目を外し過ぎてしまって、気づいたらベッドの上で次の日の朝を迎えていた。





面白かった、続きがきになる!

そういう方はブックマークお願いします。

主人公のチートで終わらないそういう物語を目指しています。

いつも見ていただいている方本当にありがとうございます。


修正

宝石庫から宝物庫に統一しました。

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