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第一話 専属メイド

楽しんで読んでもらえれば嬉しいです。

部屋に入ると、教会の中のような感じで神聖な雰囲気に満たされていた。

左右には貴族の当主が立っている。

歩いていくごとに階級が上がっていき…伯爵、侯爵、公爵そして、

その中心に王が座っていた。


王の前に立った僕は首をたらてひざまづく。

「リベル参りました。時間を過ぎてしまう非礼、誠に申し訳ありません。」

「よく参ったリベル。我は気にしていない。面を上げろ。」

「はい」


顔をあげた僕の目の前にはまさに豪華絢爛といった玉座が据えられていた。

細部には宝石があしらわれそれでいてくどくない装飾。

恐らく扉と同じ作者なのだろう、この椅子にも厳重に魔法がかけられている。

そして、その上には歴史の戦士といった風貌の男が座っていた。

王様と言えばひげを蓄えこちらを見据えるデブというイメージだがこの王様は元冒険者ということでさばさばとしたスキンヘッドのマッチョと、付き合いやすそうな王だ。

そして、とても残念なことに面識がある。


そんなことを思うと王ーーサスベルの顔に苦笑が浮かぶ。

勿論、こうもタイミングがいいのはスキルのおかげだ。


ここでこの世界におけるスキルについて教える。

スキルとは、そのスキルを持つモンスターないしは、人間と戦うことで手に入れることができる。

しかし、この方法は時間もかかる上にその肝心な時間が完全ランダムなためメジャーではない。


一番メジャーなのは戦うのではなく殺す方法だ。

これならば基本的20〜50の間で手に入れることができる。

さらにスキル個別のその量も大体把握されているのでも通しが立てやすい。


だけど、この前に座る男のスキル”神読”のようにイレギュラーも存在する。

このスキルは神以下のものならば全てのものの心を読めるというもの。

あの苦笑も俺の心を読んだからだ。

しかも、このスキル王家代々、その血筋のものにしか現れずさらに同時に一つしか存在していないという代物だ。

僕は神を信じてはいないので正直胡散臭いが、

国を建国する際に血を流さなかったということから慈悲の神”ルシフェラ”から与えられたとされている。らしい。

どっちにしろ、スキルを絶やしたら大問題なので王家には分家がたくさん存在している。

王もハッスルしたな。


他にも、西のレンデル帝国のある種族にしか存在しない”転移”や

最近、死んだとされている南の国の科学者アントラ・ラストルノーの”超五感”など貴重なスキルは存在する。


再び大広間。

「リベル、お主が長い話が嫌いだと知っておる。なので手短に済ませたいと思う」

サスベルがいう。

おいおい、さすがに王がそんなんじゃまずいんじゃ...

「王、さすがにそれは」

慌てたように宰相が飛び出していったが、

「なんだ宰相。私に口答えするつもりか。」

「そ、それは...」

あっけなく一蹴。

宰相すいません。

僕は全面的にあなたを肯定します。


サスベルの顔が再びこちらを向く。


「この度の竜王討伐大義であった。大変であっただろう。」


この男、ゴリ押すつもりだ。

まぁ、、長い話が嫌いなのは大正解なので嬉しいのだけれど。

「いえ、私は国のために尽くせてとても、幸せでした。」


「そうかそうか。」

なんかサスベルの顔がニヤニヤしているんだが。

悪寒が背中を走る。


「貴殿にはいつも支えられている。よってリベロ•アスタルトには男爵の地位を授ける。これからはリベル•リキードを名乗れ」


「はっ、ありがたく....」


やっぱり…違った。

頂戴できるかーーー!

王の御前そんなことを言えるわけもなく。(言えないのをしていってサスベルはやっているのだが)


「ーー頂戴いたします。」

やばいことになったぞ。

僕、貴族の世界に放り込まれちゃった。



「久しぶりだなローラ、サスベル」

「久しぶりだな!」

「久しぶりね。」


別室にて王様と宰相が入ってくる。

すると宰相がデブのおっさんから美少女へ変わった。

この美少女はローラ。

僕の旧友だ。

ローラがデブのおっさんに見えるのは変身魔法を使っていたからだ。

本当は金髪美人のナイスバディーな女性だ。


「ローラ。リベルがお前のことを金髪美人のナイスバディーな女性だって」


お前!神読使いやがって!

恐る恐るローラを見上げる。


「あら、リベルありがとう」


セーフ。

「なっ、俺が「お姉さん」って言った時は王城の外まで吹き飛ばしたくせに、どうゆうことだよ!」


刹那、僕の前でお茶を優雅に注いでたローラが消える。

そして、王の首根っこを掴んで現れる。


「ぐちぐち言ってるとこんな風になるわよ?」

そう言ってサスベルの前に手を出す。

そこにあったのは手に握られたお盆が砂に帰っていくシーンだった。


「ひっ」


次の瞬間には何事もなかったように元の場所でお茶を注ぐローラ。


「はい、どうぞ」

「ありがとう」


紅茶を差し出される。

一口飲む。

「やっぱり、ローラのお茶は美味しいな〜」


それをニコニコ顔で見つめるローラ。

茶葉をそのまま入れられたカップを持って虚しそうな顔をするサスベル。

まるで社会の構図。


チビチビお茶を飲む。

前になぜ変身魔法を使うのか尋ねたことがあるけど

「舐められるからよ」

と言われた。

顔が怖かったのでそれからはタブーとなっている。

一緒にいたギルドマスターも苦い顔をしていたので何かがあるらしい。

冒険者ギルド関連の。

ちなみにローラとサスベルと仲がいいのはサスベルが王になる前に冒険者同士のパーティーを組んでいたからだ。

冒険者の中ではローラは甘党。

僕は辛党。

サスベルは塩分大好き星人として知られていて。

特に、ローラのおやつを間違って食べってしまったらそれはそれは怖ろしいことが待っている。と噂されていた。


ジロっと睨まれる。

ローラに読心のスキルはないよ…ね?

3年会っていなかったからわからない。


話を変えなければ!

「それにしても、びっくりしたよ。サスベルいきなり男爵なんて言うから。」

僕はさっきの褒章に触れる。

「いやー、すまんすまん。竜王討伐なんて前代未聞の功績に合う褒賞がなかったから、名誉討伐依頼時に与えられる爵位の一つ上を用意したんだ。」


ガハハハと笑うサスベル。

笑えないよこっちは。


「あ、でも爵位って男爵より下なんてあったけ?」

サスベルに頼っても意味がないのでローラに聞く。

「ここ二百年はいないんだけどさっき言ったように災害級モンスター討伐時に王が認めた場合のみ当代のみの昇格なしの準男爵っていうのがあるの。」

「へぇー」

初めて知った。

「それなのにサスベルが権力でリベルを男爵にしっちゃたのよ。」

「だって、リベルは準男爵なんて器じゃないだろ。」

「それはそうだけど、やり方ってものがあるでしょうが!」


ゴンッ!

「大丈夫?!今城が揺れた気がするんだけど...」

「あらリベルも殴られたいの?」


見えなかったこれがローラのマッスルパンチ。


「遠慮しておきます。」


「領地はないんだよね?」

「あ〜、本当はやって欲しかったんだがローラがそれだけは譲れないって」

「冒険者は歩き回るのよ。当たり前でしょ!」

とローラ。

「good job!ローラ。」

領地があったら今頃サスベルにはこの世から退場してもらっていたところだ。



それにしても、

「ぼくが失礼なこと考えてても露骨に嫌な顔しない方がいいよ。みんな気づくよ。」

「失礼なこと考えてたって自覚はあるんだな!」

「すみません。」

でもそうだなと、サスベルは心に決めたらしく天に誓っていた。


そのあとリズベルとローラとはつもりまくった過去話をしてわかれた。

3年もあったから、話す内容は沢山ある。

妖精王、噂で聞いた神聖剣。

それに

「ロートエルってテロ集団知ってる?」

「ああ、把握はしている。」

「情報を集めてるんだけど中々尻尾が掴めないのよ。」


訪ね歩いた街でここ最近よく聞く言葉。

それがロートエル。

魔法テロ集団で犯罪を起こしまくっているが捕まっていないらしい。


「僕も情報を手に入れたら伝えるね。」


「「頼む」わ」


そこから昔話に戻り気づけば帰宅の時間。

そこまでは楽しかった。

最後の爆弾発言がなければ。

「じゃあ、二人ともじゃあね。」


帰りの挨拶をしていたときのこと。

すっかり細身の紳士的な宰相に戻ったローラが言った言葉だった。

「あ、そうえばリベル。領地はないけど屋敷はあるから今日はそこ帰りなさいよ。」

「え?」

「屋敷がないと体面的にまずいからな。用意させてもらった。」

とサスベル。

「とりあえず、メイドと執事を一人ずつ、今日試験やってそろえ終わってるはずだから」

「「じゃあな」ね」


リベル・アスタルトじゃなかったリベル•リキード、17歳の脳では処理しきれませんでした。



王城を出ると目の前には来る時に乗って、粉砕された馬車とはとは比べ物にならないぐらい立派な馬車が止まっていた。

そして、その前に一人の少女が。

それもよく見知った顔だった。


「また会えましたね。ご主人様荷物をお持ちします。」

「き、君は。」

「はい、ほ主人様の専属メイドになりました。ソワルです。」

淡々とした口調で告げる彼女は今朝のお嬢さんだった。


ーーーー第一話 「専属メイド」

面白かったらブクマ、感想書いてねぇ〜。

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[気になる点] 神以下ならよめるって神の心も読めますよね未満か以外に変えることを推奨します
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