第二話 密林の虎退治part1
鉄兵がバイトしている会社は
掃除洗濯の代行から車の修理に浮気調査
更には悪霊退治に暗殺業務まで幅広くなんでも行う
それぞれの分野にはエキスパートがいて
「ジェネラル」と呼ばれている。
鉄兵も高校生ながら「ジェネラル」の称号をもっている
鉄兵の今日の依頼内容は・・・
学校に1週間の休暇申請をし、鉄兵は地域紛争が絶えない○○国に来ていた。
「このまま仕事で休み続けると出席日数足りずに落第するかもな・・・」
「おい、ボケッとするな鉄兵。」
「わかってますよ。」
今回の任務は一人ではなく、元自衛隊陸軍所属だったという斉藤順一と一緒だ。
斉藤は今年31歳で、2年前に自衛隊で相当無茶なことをしたらしく除隊になったらしい。
そのことを聞いても話してくれないので何をしたかは不明だ。
自衛隊にいただけあって、銃火器の扱いや、近接戦のスペシャリストで
ジェネラルのランクはAランクだ。
まあ俺自身もランクはAランクだし、銃火器の扱いは一通りできる。
しかし斉藤の銃火器の腕前や近接戦やその場での判断力は凄く
CI○HUNTERの冴羽リョウといい勝負だろう。
今の俺ではまともに戦っては勝てないと思う。
今回○○国に来た理由は、この国のどこかにアジトを持つという武装勢力「密林の虎」
というゲリラに捕まった日本人観光客の女性 岩田律子(25歳)を助けるためにやってきた。
相手は何人いるかわからず、こちらは2人とかなり分が悪い。
地域紛争の絶えないこの地域で、親を亡くした子供たちの世話などをするために
日本からボランティアで行って捕まったらしい。
国としては、そんな紛争絶えない地域に行くのが悪いと思いつつも
世論の反感を買わないように平和的交渉をしているらしいが
どうやらうまくいっていないらしい。
そこで国自ら莫大な依頼金を持ってきたというわけだ。
「よし、装備も整ったしいくぞ鉄兵。」
密林の虎がいるという森の手前5キロくらい手前のところで、あらかじめ現地に送っておいた
銃火器を装備した。闇の調達部隊や輸送部隊もうちの会社にはいるらしい。
俺は銃火器の名前などには詳しくないのでわからない。そもそも丸山茂樹が作ったオリジナルの
武器らしいので名前はないのかもしれないが
装備した武器は左右の腰にハンドガンタイプの銃2丁と、後ろの腰部分には刃渡り50センチほどの
ナイフを1本。ライフルとショットガンを両肩に下げ、リュックの中には弾丸や毛布などを入れている。
ウエストポーチには手榴弾が入っている。
更に丸山が作った額から頬をとおり、顎を覆ったヘッドギアと、肩や胸や腕などを守る防具もつけている。
全て特殊な素材で作られているらしく、警察などが装備しているS&W社製M36リボルバーを元にして作られた
ニューナンブM60くらいの弾なら撃たれても全く痛みを感じないという。
しかも素材はとても軽くて薄い。ほんとに大丈夫なのか不安だが試す勇気もなかった。
今後はこの防具もパワーアップするらしいが、とりあえず俺には動きやすいこれで十分だった。
斉藤の装備はミネベア 9mm機関拳銃、通称はM9に、ミネベア 9mm自動拳銃、89式5.56mm小銃などを
装備しており、銃について色々説明を聞いたが俺にはよくわからなかった。
どれも陸軍時代に使っていたものらしいが、どうやって持ってきたかは不明だ。
密林に一歩足を踏み入れると森中に殺気が満ち溢れているのを感じた。
この森の中全体が密林の虎のアジトのようなものなのだ。
そしてトラップなども至る所に功名に隠されて配置してある。
それをみつけてしまう斉藤と俺はさすがだ。
「かなり広そうだな。ここからは手分けして探すか。道に迷うなよ鉄兵。」
「斉藤さんこそ迷わないでくださいよ。」
「誰にものを言ってやがる!これからはインカムで連絡を取り合う。」
ヘッドギヤの耳の辺りについているスイッチを入れる。
丸山からもらったヘッドギヤについている機能の一つだ。
10キロ以上離れても電波障害などない限り通信できるらしい。
斉藤も同じものをつけている。
「何かあったら呼べ。」
「了解」
「しかし色々作るよな丸山さんも。」
「鉄兵、無駄口は慎め。」
へいへい。
鉄兵と斉藤はそれぞれ別れて密林の中を進むのだった。