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ジェネラル  作者: 巨太郎
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第三話 ゴーストハントpart7

斉天大聖は鉄兵の望みを聞くと背中から恐らく如意棒を引き抜き


凄まじい勢いでその化け物に向かって如意棒を振りおろした。


ほんとに一瞬だった。


鉄兵と神無月があれだけ苦戦したやつを一撃で葬り去ったのだ。


「望みはかなえたさらばだ」


そういうと斉天大聖はその場から消え、消えた足元には石で出来た毛が数本落ちていた。


鉄兵は今の光景が今だ信じられず呆然としていた。


「俺も詳しくは知らないが、社長と斉天大聖は何らかの因果関係のようなものがあると

 聞いたことがある。それで斉天大聖の分身を封じ込めた石をいくつか持っているようだ。」


鉄兵はよく考えたら親戚でありながら社長の神埼純のことを何も知らないことに


いまさらながら気づいた。


まあそれはさておき


「初めから使えば一瞬で終わっていたのに知っているならどうして使わなかったんですか?」


「バカヤローおいそれと斉天大聖の分身を使えるわけないだろう?今回だって社長が

 お前の身を案じてひとつくれたんだぞ。俺だけだったら絶対くれなかった。」


鉄兵は複雑な気持ちだったが、それでも最初から使えばよかったのにと思った。


「けどあの戦いの中でとても温かい・・・そう母親のような存在を感じたんですが

 なんだったんでしょう?」


鉄兵は夕方に社のところで感じたものと夢のような世界で感じたあの温かい感じを


いまだに忘れられなかった。


「うーん、その人が現れたみたいだぞ。」


二人が倒れている目の前に、とても温かく優しい光が現れた。


40代くらいの女性のようだった。


そして二人に語りかけてきた。


「私は4年前に亡くなった富野の妻です。

 実は社の近くに戦時中の不発弾が眠っており、爆発する危険がありました。

 そのため私は工事をやめさせようと必死に訴えようとしたのですが

 夫や工事業者には伝わらず、そのうち先ほどの化け物を祀っていた社が壊され

 それで怒った化け物が皆を攻撃しだしたのです。

 私は止めようと思いましたが逆に取り込まれてしまい何も出来ませんでした。」


「そんなことありませんよ。少なくとも俺はあなたのおかげで力を取り戻し

 あの化け物を倒すことが出来たんですから。」


「鉄兵さんありがとう。そういっていただけると助かります。

 申し訳ないのですが、工事を再開するのは不発弾を処理してからにするよう

 夫に伝えてもらっても宜しいでしょうか?」


「お安い御用です。必ず伝えます。」


「ありがとう」


そういうと富野の妻は安心したのか笑顔を残してその場から消えていった。


「鉄兵が感じた温かく優しい感じとは、母親であり妻であるあの女性の愛情だったんだな。」


「そうですね京矢さん。」


幼いころに両親をなくし、愛情を殆どもらうことなく生きてきた鉄兵は


死んでもなお家族を守ろうとした母親の愛情が羨ましくもあった。



次の日、二人は体中の痛みを推して富野に今回の事件のことについて語った。


富野耕三や子供たちはそれを聞いて泣いていた。


その後二人・・・特に鉄兵は怪我が酷い為、即入院となった。


鉄兵自身が体を鍛えていたことと、丸山が作ったケプラー素材の防具を着ていたため


額を数針縫ったのと、あばらの骨にヒビが入っていたのと、各所の打ち身と捻挫だけで


済んだので数週間後には退院することが出来た。


鉄兵は病院を出て久しぶりに薬くさくない空気を吸うため深呼吸をしていると


目の前に見覚えのあるJeepチェロキーが止まった。


ウィンドウが下がり鉄兵より先に退院した神無月が顔を出す。


「よっ!退院おめでとう。家まで送るよ乗れよ。」


確かに何週間も寝てすごしていたので少しクラクラする体にはありがたく


お言葉に甘えて助手席に乗せてもらった。


「しかし今回の事件は大変だったけど楽しかったな。

 また一緒にゴースト退治しようぜ?丁度今いい案件があるんだ。」


「京矢さん、しばらく簡便してくださいよ。。。」


鉄兵を乗せたJeepはフル加速して街中に消えていった。

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