第三話 ゴーストハントpart4
家の中にまだいるはずの神無月を呼びに行こうとした鉄兵の背中に
とてつもない衝撃が加わり、そのまま10メートルほど吹っ飛ばされ
地面を転がり、庭にあった巨大な岩にぶつかってとまった。
額を岩に強打し、割れてしまったようだ。
血が流れ出し方目が流れ出る血でふさがれてしまった。
「ぐぅ、かなりのお怒りモードのようだな・・・」
背中にくらった衝撃はケプラー素材の防具のおかげでそれほどでもなかったが
岩に頭を強打したせいで、クラクラしていた。
それでも鉄兵は立ち上がると腰に下げてあった剣を抜き放つと上段に構え
見えない何かと対峙する。
すると今度は右わき腹辺りに、猛スピードで突っ込んできた車のような衝撃を受け
またもや鉄兵は10メートルほど吹き飛ばされる。
「っぐぅ・・・」
武器となる剣は手放さなかったのは流石だが、今の衝撃であばらが何本かいったようで
鉄兵は立ち上がると同時に鋭い痛みが全身にいきわたる。
何もしていないのにもう立っているのが精一杯な感じだった。
「人生最大のピンチかも。。。」
「それだけ無駄口をたたけるんだったらまだ大丈夫だぞ鉄兵。」
神無月がいつのまにか外に出てきており
右手に持った小さな石のようなものを自分の顔の前に掲げ
何やら呪文のようなものを唱えていた。
そして鉄兵の10メートルくらい前のところに投げつける。
すると小さな石は砕け散り鋭い閃光があたりを包み込み、それと同時に
この世のものとは思えない甲高い叫び声が聞こえた。
「ちっ逃げられたか。大丈夫か鉄兵?」
どうやらその何かは逃げ去ったらしい。
「何とか・・・しかし死ぬかと思いましたよ京矢さん。」
神無月が手を貸してくれ、鉄兵は何とか家の縁側まで連れて行かれ腰を下ろす。
「痛ぅ」
座ったときにあばらに衝撃が走り痛みが鉄兵を襲う。
「あれはキツネか何かの動物が何年も生きて神になった低級な神だな。
しかし頭がないぶんパワーがあるから気をつけろよ。」
「遅いですよいまさら。。。やぱり俺には無理ですよ。」
「お前はやつに見られたからな、逃げてもおいかけられまた襲われるぞ。
大変だがここで決着をつけるんだ。」
「まあ乗りかかった船なんで逃げる気はないですけどね。」
鉄兵は後に備えて簡易的に額やあばらの治療を行い、痛み止めの注射を打つ。
「うん?」
「どうした鉄兵?」
「いや、先ほどのやつとは違って何かまだ他にいるような感じがしたんですが
気のせいでしょうか?」
「俺には何も感じなかったが、あまり強くない霊だろう。俺も弱い霊だと波長が
あわないと殆ど見えないからな。」
「そうですか・・・」
気のせいだったかも知れないが鉄兵は先ほどのものとは違い
何か温かいものを感じたような気がした。