第三話 ゴーストハントpart2
鉄兵は丸山から対霊用の武器をもらったが、どうみても普通の剣や銃に見える。
もっとお札とか聖水とか十字架みたいなものを想像していたが見た目は近代兵器だ。
まずは剣だ。
刃渡り50センチくらいの剣で、重さはとても軽く感じる。
どうやって精製したかは知らないがミスリルでできているらしい。
そして刀身には読めないがなにやら呪文のようなものが彫ってある。
これにより、実体を持つものも持たないものも切り刻めるらしい。
次に銃だが、S&W社のリボルバー型のコルト・ローマンを元に改造してあるらしい。
グリップ部にやはり呪文のようなものが彫ってあり、弾は銀製だが何かに当たると
はじけて弾の中に入っている塩がはじけ飛ぶらしい。
これも実体のあるものにも効くが、実体のないものにも効果があるらしい。
防具は薄い防弾チョッキのようだが、ケプラー素材で作られており
繊維1本1本に霊的防御ができるように呪文が刻まれているらしい。
また刃物などによる攻撃には弱いがライフルの弾を喰らっても大丈夫らしい。
まあできれば喰らいたくないものだが。。。
最後に直径10センチくらいの青色の玉を渡された。
使うときはある呪文を唱えながら地面に放ればいいといわれたが
よほどのことがない限り使うなといわれた。
そこまで言っておいて何が起こるかは教ええくれなかった。
神無月は俺以上にいろいろ持ってきているようだが
まあ知らなくてもいいだろう。
「よし、では行こうか御剣くん。」
「鉄兵でいいですよ神無月さん。」
「ん、わかった。じゃあ俺のことも京矢でいいぜっ。」
「わかりました京矢さん。」
一応俺は先輩と後輩のけじめは大事だと思うので「さん」づけにする。
まあ、この俺より後輩は後何年かたたないとまずないだろう。
そして今回の依頼内容だが、富野耕三(56歳)という男からの依頼だ。
C県のとある町の大地主ということだった。
100年以上も経つ家らしいが、20年くらい前に近くに電車が通るということで
その電車が通る予定地に土地をたくさん持っていた富野は
高額で土地を売却し巨額の富を手に入れたらしい。
いわゆる土地成金というやつだ。
しかし住んでいる家自体は100年以上そのままの状態だったらしく
最近の地震などで家が傾きだし建て替えることにしたということだ。
しかし工事をはじめた途端に工事業者が突然病気や事故にあい全く進まないらしい。
また工事業者を替えても同じことが起きた。
そしてそれでも工事を続けようとすると今度はこの家に住んでいた者にも
事故が起こるようになり依頼をしたというわけだ。
漫画や小説の世界ではよく聞く話だが、実際にそういう依頼を受けることになるとは
夢にも思わなかった鉄兵だった。