第一章 目覚めた少女
なろうにてはじめての投稿となります。
ある少女が記憶をなくした状態である世界で目覚めるお話です。現代の都市が自然に取り込まれた感じの世界観にモンスターや能力者などが登場します。
表現が下手なところもあるかと思いますが、あえて多目に見ていただければと思います。
第1章 目覚めた少女
……………不思議な感覚…まるで海の底から水面を見上げ沈んでいく感覚…視界いっぱいに広がった海の景色を見ながら沈んでいく…これは夢?それとも…
「ん………ん……」
夢から覚めゆっくりと目を開ける。私はいつから眠っていたのだろう…いや、私は眠る前どこで何をしていたのだろう。思い出せない。住んでいた場所も、家族のことも、自分のことも。
それに、ここはどこなのだろう。コンクリートでできた正方形の部屋、端には木の根のようなものがコンクリートを突き破って出ている。部屋の入り口からは外が見える。
「…ここはいったい…」
立ち上がって外に出てみるとアパートのような廊下に出た。他の部屋に入れる扉がいくつもありゆかにはこけが生えている。部屋の反対側からこの建物の回りを見ることができた。見る限りこの建物の3、4階くらいに私はいる。回りを見るとさまざまなビルのような建物が緑でおおわれている幻想的な光景が目に入った。しかし、私はこの景色が見慣れない場所だと思った。つまりはここは私のいた場所じゃないと確信した。
その時だった…大きな羽音のようなものが聞こえた…どこから?横から?下から?いや、上からだった。
巨大な蜂のような生物がこの建物の上から飛んできたのだ。巨大な羽音をたてながら飛んでいく…?何匹かが建物のした辺りに降りていく……!?
建物の下には二人の人影が見えその巨大蜂と戦っているのが見える!い、いったい何が!
私は急いで建物の隅にあった階段を降りてその場所を目指す。
「これはこれは、こんなにお客人を呼び込むなんて、計画性0ですね…」
と、鎌をもった男がもう一人の金髪の女を罵る。
「いやぁ、これは予想外だった。」
あははと笑い飛ばす女。持っていた剣を構え直して数匹の蜂を切り裂く。
「ま、増えた分倒せばいいじゃん?」
「まぁ、その通りですね」
男の方も鎌を振り回して蜂を切り裂いていく。しかし蜂はさらに二人のもとに集まってくる。「まったく次から次へと…一気にやっちゃうかなっ!」
女は蜂の集団に向けて剣を向けると剣が雷を放ちはじめた!
「迅雷!!」
雷が一匹の蜂へ、その蜂からまた別の蜂へと広がっていく。蜂の集団は電撃によって次々とやられていく。
「ふぅ、ざっとこんなものかなぁ?」
気がつくとほとんどの蜂がやられていた。高圧の電撃で焦げたり痙攣している蜂達。
「これで今日のノルマは達成ですよ…いえ、ノルマ以上ですかね」
「疲れた疲れた、早く戻って寝よう!」
と、二人はどこかへと歩き始めたときだった。「きゃぁああ!!」
どこからともなく少女の悲鳴がする。
「っ!民間人がいましたか!」
「ほむらっち!行くよ!」
悲鳴の聞こえた方向へと二人は走った。
「いやっ!来ないでください!」
一匹の巨大な蜂が追いかけてくる。明らかに追い付かれるのは危険だ。
「ひっ!」
なんと、針を飛ばしてきた!狙いは外れ地面に刺さったがこれがまともに当たったらまずい…!全力で逃げ続けていたが瓦礫で道が塞がれていた。これ以上逃げることができない!
「……!」
蜂が飛んで接近してくる。私はとっさに目をつむってしまった……
?蜂がこない?目を開けて確認してみると蜂の体を剣が貫いている!剣が引き抜かれると蜂は地面に落ちて息絶えた。
「ふぅ、間に合ったぁ!」
金髪の女の人が蜂を貫いた剣を持っていた。この人が…私を助けてくれた。
「大丈夫?怪我とかしてない?」
「あ、は、はい!」
「こんなところに民間人が一人でいるなんて危険ですよ?」
もう一人鎌を持った男の人が来た。メモ帳のようなものに何かを書いてポケットにしまっている。
「まぁまぁ助けたからいいじゃん?私は加藤セリナ、で、こっちがほむらっち!よろしく!」
「ほむらっちではありません!私は焔神です!」
セリナが焔神をちゃかしている。
「さて、君の名前は?青い髪ちゃん?」
「な、なまえ、ですか……?」
「?どうかなさいましたか?」
「……実はわからないんです…気がついたら向こうの建物にいて、起きる前の記憶がなくて…」
二人は驚いたような顔をしてお互いの顔を見合わせている。
「ほむらっち、これって」
「……記憶喪失ですか…」
焔神は考え込んでいる。セリナは明るい表情で
「だ、大丈夫!きっと全部思い出せるようん!」
精一杯慰めてくれているようだった。
「あ、ありがとうございます…」
「さて、こんなところにずっといさせるわけにもいきません。一度私たちの拠点に連れていきましょう」
「そぅだね!でも、うーん、名前がわからないと呼ぶときに困るなぁ……」
セリナはしばらく考え込むと
「ね!君は今からアオバって呼んでいい?」
「アオバ、ですか?」
「そ、髪が青いし!アオバ!」
アオバ…その名前で呼ばれるととても嬉しかった。
「……わ、私は、アオバです!」
「そー!アオバー!」
「ふふ、まったく仲がよろしいですね」
やれやれと首を振っている。
「では、アオバさん、ついてきてください………!?」
二人の拠点に向かおうとしたときだった。地響きのようなものが聞こえた。
「ほむらっち!これって」
「……なぜこんなところに…!」
二人が武器を構える…向こうから巨大なドラゴンのような生き物が歩いてくる!
「アースドラゴン…別地区のモンスターがなぜここに…!」
「何でもいい!とにかくあいつを倒してアオバを守る!」
セリナが剣に雷を溜めてドラゴンへと走り出す。
「!?セリナ!だめです!」
「っ!?」
ドラゴンが炎を吹き出しセリナを巻き込んだ。セリナはかろうじて剣で身を守るが炎によって吹き飛ばされてしまう。
「くっ!お二人には手出しさせません!」
焔神がドラゴンに鎌を向けて
「…爆炎!」
高威力の炎を出す…が、ドラゴンの出した炎に押され最後には焔神も炎を受けてしまう。
「くぅっ……」
「せ、セリナさん、焔神さん…」
一歩、また一歩とドラゴンが接近してくる!ふ、二人を助けないと!でも、私には何もできない…
「あぁ…だ、だめ……させない……!」
ドラゴンが炎を吹こうとした時私は自分の体に不思議な力が宿るのを感じた…これは…いや…今は……
「やめてぇぇぇ!!!」
ドラゴンのはいた炎に向かって手をかざした…すると…私の目の前から水でできた竜のようなものが出て来て炎とぶつかった!その水竜が炎をかきけしていく!
完全に炎を防ぎきった。
「今のは……一体……!」
炎は消せてもあのドラゴンを何とかすることはできない…また一歩と近づいてくる…私には…無理…?
「……ターゲット…別任務中の二名と未登録者と交戦中…加勢する…」
?…女の子の声?……!?私達の真上を少女が宙返りをして私の目の前で着地する!そしてドラゴンの方へ二丁の銃を向けて連射する!その銃弾がドラゴンに当たると白い煙のようなものが発生してドラゴンの視界を妨げる。
「………避難を…」
「え、あ、はい!」
セリナと焔神をなんとか立たせて四人でその場からなんとか離れた…
続く