表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/16

06 大浴場



英知(えいち)は宮殿内の、甘味処に来ていた。

天使は食事を摂らなくても平気だそうだが

食べ物を食べられない訳ではないし、嗜好品として

食事を嗜むことも覚えたらしい。


英知は一人でジュースを啜っていた。

たまには一人で宮殿内を歩いてみるのも悪くない。

英知はスマホを手に持ち、例のアプリを起動した。

ちょうど甘味処を出ようをしている天使を画面に収める。

「うわっ!」

ガタンッ!

姿勢が悪い状態で座っていたのが災いし、

英知はバランスを崩し、椅子ごと後ろに倒れた。

衝撃でコップが倒れ、英知はジュースを被る。

「大丈夫ですか?」

先ほどスマホに映した天使が英知に近づき、助け起こす。

スマホには、


名前:マジエル

力:剣術での防御を得意とする。


と表示されている。初対面なのでマークは無い。

「どうも、マジエルさん」

英知は軽く礼を言う。

「服がベタベタですね。大浴場に行って

 洗い流してきてはどうでしょう。

 その近くに全自動洗濯機もありますし」


マジエルが提案する。

「じゃあ、行ってみようかな」

英知は軽い気持ちで決める。


英知は大浴場入り口で足を止めていた。

入り口が一つしか見当たらない。

男湯、女湯、などに分かれていないのだろうか?

英知は躊躇していたが、意を決して入り口に入った。


英知は汚れた服を脱ぎ、洗濯機の中に放り込む。

ここでは予備の服も貸し出しているようだ。

それなら洗濯物が乾くまで、服を借りていれば良い。


英知は残りの服を脱ぎ、脱衣かごに入れた。

スマホとタオルを手に、いざ大浴場へ。

ちなみにスマホは防水加工なので問題ない。


シャワーが何十ヵ所と備え付けられており、

更に奥には広い浴槽が見える。

浴槽には、天使が三人浸かっていた。

スマホアプリで確認。


名前:カマエル

力:構えのポーズをとる。


名前:カゾエル

力:たくさんの物を瞬時に数えられる。


名前:モチコタエル

力:耐久力が高い。


全員初対面だ。

ジュースでベタつく体を石鹸とシャワーで

よく洗い流し、浴槽に入る。

浴槽を見渡すと、翼と輪のついたカエルが泳いでいる。

スマホチェック。


名前:カエル

力:何でも変身させる。


すごく、そのまんまです。しかし能力がヤバげだ。

関わらないほうが身のためだろう。


「貴方はスマホを持ったまま風呂に入るのですか?」

カマエルが話しかけてきた。

「ええ、まあ。便利なアプリの実験もかねて」

「そのアプリを見せて貰えませんか?」

一分後。

「ここの皆さんは悪魔討伐に参加していたんだね」

「そうです。激しい労働をしたので、風呂に浸かって

 体を清潔にしようと思いまして」


英知と天使三人は対悪魔戦の話で盛り上がっていた。

「他には誰が参加していたの?」

「後はモエル、ヒエル、アラソエル、イキタエルです」


モエル!

英知の心拍数が上がった。

天使三人の行動原理からすると、モエルが大浴場に

入ってくる可能性も十分ありうる。


その時、一人の天使が広い浴室に入ってきた。

モエルではなかった。

アプリチェック。


名前:ササエル

力:重い物を下から支えて運べる。


英知はアプリの情報よりも、その身体に目が行った。

顔は中性的。胸は平らで乳首なし。へそなし。

股間には何もついていない。

まるで肌色の全身タイツを着こんでいるような体だ。


大浴場が一つしかないわけだ。

天使には男、女の概念は無いのだから。


「そろそろ上がるね」

英知は少しだけがっかりしながら浴室を後にした。


洗濯は完璧に終わっていた。

服もしっかり乾いて、しわがない。

なんという高性能洗濯機。

英知は仕上がった服を着て、大浴場から出た。


宮殿の出入り口に向かって歩いているところで

モエルと遭遇した。

モエルの左肩と腹部の服が破れて、へそが見えている。

「やあ、モエル」

「あ、英知。来てたんだ」

「その服どうしたの?」

「これね。悪魔との闘いで傷を負っちゃて。

 傷は治してもらったんだけど、服は破けたままなのよね。

 後でヌエルあたりに直してもらおうかしら」


モエルと別れて、宮殿入り口まで来る。

モエルにはへそがあった、ということは。

おっと。これ以上いけない。

英知は煩悩を頭から振り払った。

己の股間が反応するところだった。


「ムカエルさん、家までお願い」

「英知様、何か良いことでもございましたか?」

「いや、何もないよ」

英知は少し顔を赤くしながら答えた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ